菊池まりこ 『カプチーノ・1』 『カプチーノ・2』 の感想

カプチーノ・1カプチーノ・2『カプチーノ・1』 
『カプチーノ・2』

菊池まりこ


KADOKAWA 
エンターブレインBEAM COMIX




『 本当に 彼女にしたいっていう「かわいい」ですか? 』


<感想>
個人的にラブコメ強化月間中なので(笑)、書店の平棚にあった中から少女マンガではないけれどラブコメっぽい雰囲気を出していたこの本を選んでみました。 1巻表紙の克美ちゃん(ヒロインです)の照れ顔が可愛かったっていうのもあるけど、1巻は表紙より裏表紙の方がイイんですよ! おでこをぶつけたらしく赤くなってる克美ちゃんと、それを心配する萩原さんの絵なんですけど、両者の恋愛的力関係がよく分かる可愛いイラストです。 結局裏表紙でも赤面している克美ちゃんを見て幸せになりました(笑)。 何で赤面してる女の子って可愛いんだろう・・・(しみじみ)。

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志摩時緒 『7時間目の音符・2』 の感想

7時間目の音符・2
『7時間目の音符(ノート)・2』


志摩時緒

芳文社 まんがタイムKRコミックス
2012年6月27日 第1刷発行/¥590+税





『……もう… 帰ったら ちゅーするんじゃなかったのー?』


<感想>
『きららフォワード』に掲載された7~13話を収録した第2巻。 デレデレでイチャイチャな毎日をぎゅっと詰め込んだドキドキ部活ラブコメディー(←帯よりw)です。
相変わらず表紙のあずみちゃんが可愛くって眼福ですw 私は1巻発売時に表紙の彼女に一目惚れして購入したわけですが、多分2巻を書店で初めて見たとしても一目惚れして買った違いない!ってくらい可愛いです(笑)。 ちょっと恥ずかしそうな上目遣いとか、抱きしめたいなガンダム!レベルでときめきますよねっ!(←元気におかしなこと言った!・笑)


さて、相も変わらずラブラブなあずみ先輩と葉平くん。 新学期を向かえて二人が所属する吹奏楽部に新入部員が加わったり、あずみ先輩が引退目前だったりと、ちょっとだけ人間関係にも動きが見える展開になってます。 でも基本は二人のラブラブっぷりを見せ付けるお話なので、あちこちで繰り広げられる微笑ましいイチャラブを、メロメロになりながら読ませていただく感じです。 何度「ごちそうさま!」と言ったか分からない。 そのくらいらぶらぶしかったです。


それにしても、これほどまでにイチャつかれてるのにこの好感度の高さは異常なほどです。 表紙絵の上目遣いだって絶対に作者さんは狙って描いてる(笑)はずだし、内容的にもちゅーだの水着だの初体験だの騒いでるくせに・・・爽やかなんですよね。 展開的には際どさもあざとさも含んでるはずなのに、セクシャルな要素を感じさせない清涼感こそが、この作品の最大の魅力。 二人の清らかさは私には眩しくて仕方ないのですが(笑)、その眩しさは全然イヤじゃないし、むしろもっと見たいなって思うくらいです。

それって、あずみちゃんと葉平くんが、お互いを好きな気持ちを全然恥ずかしく思っていないから、なんですよね。 恥ずかしいのはキスするところや水着姿を見られちゃうっていう行為の部分であって、「そろそろちゅーしたい」って欲求に対しては、即座にメールするくらいに前向きです(笑)。 水着の件だって、恥ずかしいけど彼のためにプールに行こう!って考えるくらいに前向きに作用してる。 作品にただよう爽やかさの正体は、欲求への素直さ。 そして、「好き」の気持ちに胡坐をかかない直向きさ、なんだと思います。 あずみちゃんとキスするのに「どこまで触れていいのかな?」と距離感を測りながらも離れない葉平くんは、なかなかに大物だと思うのですよw 


ただ個人的に大注目なのは、米くん先輩と米子ちゃんの関係だったりします! あずみちゃんと葉平くんも「年上彼女」なので設定的にりるさんの大好物なのですが、米くんと米子ちゃんはプラスアルファの要素として「生徒と女教師」という部分も加わるので、もう居ても立ってもいられないくらい気になります!!(笑) 何気に第9話のタイトルページが大好きだったりするんだけど、それは、米くんが米子ちゃんを見てるから。 こんな何気ない、誰も気付かないような時でも、彼が米子ちゃんだけを見てる・・・っていう「気持ち」がね、もうホント好きなんです。 誰にアピールするわけでもなく、ただ淡々と想いを深めていく彼が、私はすごく好きだなぁ。 ・・・ただこの手のタイプは動き出したら止まらないと思うので(笑)、ラストページの意味深な表情からすると3巻で展開があると見た!! もう今から彼が何をやらかしてくれるのか(笑)、すごく楽しみですw  次巻が待ち遠しいな☆

以下各話語り。

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笠井スイ 『ジゼル・アラン・3』 の感想

ジゼル・アラン・3
『ジゼル・アラン 3』


笠井スイ

エンターブレイン BEAM COMIX
2012年6月27日 初版初刷発行/¥620+税





『 自分の大事なものは ちゃんと大事にするんだ! 』


<ご紹介>
『Fellows!』 に掲載された12~17話と、描き下ろし短編を収録した第3巻。 訳アリお嬢様のお仕事奮闘記です。
元は良家のお嬢様、今はアパートの管理人にして 「何でも屋」 でもあるジゼル・アラン。 手探りながらも何とか一人で仕事をこなし、いろいろな人と親交を深める充実した毎日を送っていた。 そんなある日、ジゼルはアパートの住人にして何でも屋の元・片腕(?)のエリックの部屋を訪れる。 楽しかった仕事の話をして、エリックの小説の受賞報告を聞いて、そこまではいつも通りの日々だったのに――エリックから突然「俺、引越します」と告げられてしまい・・・!? 


<感想>
ものすっごく楽しみにしていた第3巻です。 楽しみにしすぎてて、書店で表紙を見たときには血管切れそうなくらいでした(笑)。 だってジゼル可愛いすぎる!(≧∀≦) 台風と梅雨に悩まされる鬱陶しいこの時期に、雨後の晴れやかな青空とジゼルの笑顔はまさに光そのもの。 眩しくて、でも目をそらすことさえ許してくれない彼女の存在感が相変わらずで、嬉しくなっちゃいました。

お話としてのバリエーションも豊かで、読んでて飽きさせませんw ジゼルが何でも屋として仕事をこなすお話は読み応えがあってすごく好き。 特に17話の「宇宙にいく」アイディアは圧巻で、何が何でも仕事を全うしたいというジゼルのプロとしての意地と、子供らしいロマンチックなアイディアとのアンバランスさがとても良い。 そこに、パトリスという一見困った大人のようでいて、実はきちんと子供を肯定し、保護できる存在を投入することで、大事なものを大切にしつづける感性こそが大切なんだよ、と思わせてくれるから凄いです。
 

そしてたぶんこれって、この作品を通したメッセージになるんだろうな。 ジゼル自身も何度も口にしている、『大事なものは、ちゃんと大事にするんだ!』という精神こそが、作品にただよう潔癖なまでの純粋さの証。 ジゼルが一番身をもって証を立てているけれど、彼女の周りにいる大人たちもこの気持ちを持ち続けているから素敵なんです。  例えばリュカが会いに行った役所のおじさんだって、同僚からはちょっと変わった人に思われてるけど、実はジゼルたちにも敬語で話す(=一人前として扱う)素敵な人だったりします。 男なんて嫌いなくせにエリックを(実は)心配しているコレットも、喫茶店のマスターも、クレープ屋の店長も、みんな粋なんですよね! 良いなぁ、好きだなぁってしみじみ思わされます。


で、そんな中でも今回いちばん『大事なものは、ちゃんと大事に』していたのは、やっぱりエリックだと思うのですよ。 13話は、冒頭で描かれたジゼルとエリックの出会い話から引き込まれてしまい、もう夢中で読んで、号泣しました。 だって切なくて。 そして痛くて。 でも恰好良くて。 2巻まででもエリックの恋心は痛いほど伝わってきてたし、ジゼルの強さを秘めた天真爛漫さの前では年齢差は恋に落ちない理由にはならないと分かってはいたけど、それでもエリックがどの瞬間からジゼルに惹かれていたのかは、ずっと知りたいと思ってました。 


だからもう、彼のあの渾身の告白にはいろんな想いが・・・っ!! 正直、私が予想していた以上にシリアスだったので胸が痛かったけど、でもそれ以上に嬉しかったんですよ。 今までのエリックは、祖父の本を大事にしている割にはつい貶してしまうとか、何よりも小説を書きたいくせに才能という言葉に逃げてしまったり・・・本当にジゼルを好きなのに「子供」を理由に認めなかったり・・・そんな不器用なひとでした。 

――でもあの瞬間だけは。 自分が居なくなることに純粋な涙を流してくれるジゼルのために、初めて「自分の恋心」という「大事なもの」を「ちゃんと大事に」して伝えたあの瞬間だけは、天邪鬼さえも邪魔できないほどの決意があったはずだから。 玉砕前提の告白が打算的だとは思わない。 むしろ、案の定スルーされてのっぺりした笑顔を貼り付ける結果になったけれども、それでもあの瞬間の彼の気持ちは何よりも綺麗だと思います。 そして彼はジゼルに敢えて友達宣言させることで、事実上「小説を書きたい」という夢をも大事にしたんだよね。 

それにしても、初対面の子供に「優しくて臆病で、冒険が怖いんだ」と看破された青年が、その子供に恋をするだなんて・・・なんて冒険的なことなんだろう!って思います。 部屋に残された飴玉は、まるでエリックの恋心そのもの。 人知れず大事に保管された間の時間と熱で、溶かされた甘いもの・・・そしてまた、人知れず部屋に残されていくもの。 泣いてるジゼルの背中に触れることを留まったのは、文字通りジゼルが「子供」だからで、その自制さえもが彼の愛情なんだと思うと愛しくて堪りません。 エリック頑張ったよ・・・(ホロリ。


さて問題なのは、勇気を振り絞った後の人間は割りと気持ちが弱くなる、というパターンからしてエリックの現状が心配です。 何だあの女・・・!!(暴言・笑) 黙々と文字を連ねるエリックの表情は、今まで見たことがないくらいに平坦で、いかに彼がジゼルのおかげで人間らしくいられたのか、ということを実感させます。 平坦さの裏に隠れているのは、小説への情熱なのか、それとも諦念なのか・・・。 あぁ、続きが気になる! っていうかエリックの恋路が気になる!!(笑) 4巻はたぶんまた1年後なので、私は1年間悶々としなきゃいけないわけですよ。 その代償として(?)次はぜひ幸せな表情が見たいです! ぜひ、本当にもう、ぜひ!!

以下、各話語り(まだ書くか・笑)。 

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高田裕三 『CAPTAINアリス・5』の感想

CAPTAINアリス5

『CAPTAINアリス・5』

高田裕三

講談社イブニングKC
2011年7月22日 第1刷発行/¥562+税





『 旅客機が戦闘機にかなうことはない 我々に出来ることはもう何も…… 』
『 ある!! 旅客機にも勝算はある ――窮鼠の生き様、見せてやる 』


<ご紹介>
『イブニング』に掲載された8話分を収録した第5巻。 型破りな女子パイロット・アリスが航空事故に挑む物語です。
フランスからの帰国便に機上したアリスたちは、「中尉」を名乗って亡命を求めるロシアの戦闘機に事実上ハイジャックされてしまう。 しかしそれが狂言亡命を隠れ蓑にしたロシア領Z国の独立運動だと判明し、任務に失敗したコウモリ中尉は、軍から命を狙われることに。 彼の命を救うため、アメリカ海軍艦隊まで旅客機で護送することになったアリスたちだが、ロシア軍は最新鋭のステルス戦闘機で仕掛けてくる。 危険なフライトを任されたアリスは、父から教わった知恵と技術で戦闘機に応戦するが、レーダー追尾型ミサイルに狙われてしまい――!? 目指す空母まであと少し! アリスは無事に中尉を送り届けることが出来るのか・・・! 


<感想>
4巻から展開された 『パラサイト蝙蝠の悲劇』 の完結+次章となる 『神風はデナリに消ゆ』 から構成された5巻ですが、今回もとにかく面白かったー! パニックあり、恋愛要素あり、社会人としての心得あり、そして家族を廻る 「温かさ 」と 「謎」 がある・・・こんなに盛りだくさんにネタを投入してあって面白くなかったらそれはそれで問題かもしれないけれども、バランス・味わい共に最上級に調理してあってすごく良かったw 何ていうか、面白さに 「熱」 があったら、きっとこの作品はすごく熱いですよ。 いろんな種類の熱が伝わってきて、ドキドキしっぱなしでした。 


さて本編。 旅客機vs戦闘機のバトルシーンは本当に面白くて手に汗握りっぱなしでした。 だってミサイル戦とか! 旅客機でバレルロールとか! そんな馬鹿なぁ!と思いつつもやっぱりカッコイイんですよw 機上したままだったエレーナさんとか、あの後二度と飛行機に乗りたくないと思ったんじゃないかと心配ですが(笑)、実際 「命を守る」 って意味では一切の妥協がないのが当たり前。 アリスの行動は正しかったんだと思います (…やりすぎだけど・笑)。 

それに、カッコ良さの根底には、円旗がアリスを信じて操縦桿を渡したっていう部分も含まれます。 あの円旗さんがね~ (ニヤニヤ)。 それから、 「上等なお肉をおごってください」 と言いつつ無茶やらかそうとするアリスに、 「最上級を喰らわしてやる!」 と答えて止めない金蚕さんとの野獣コンビもカッコイイんだよ~! アリスが言ってた 「心のスペックは我々の方が上です!」 って台詞がすごく好きなんだけど、ここでアリスが迷いなく 「我々」 って言えたことそのものが、実は重要なんだと思う。 3巻までの彼女では、これは言えない。 戦っているのは一人じゃないと分かったからこその発言なわけで、そのカッコ良さを引き出したのがクルーたちなんだと思うと―― もうめっちゃ熱い! 何この展開っ!と嬉しくなっちゃったw


この3人に関していえば、そういうカッコ良さとはまた別の部分でも興味深い。 もちろん、待望の恋愛要素ですよw(笑) ただ、ここで重要なのはやっぱり、アリスの父・ジャック角邦氏の存在なんだよなー。 私は3巻感想からずっと 『父の教えに雁字搦めになっていたアリスが、そんな 「自分自身」 から解き放たれるための物語だ』 と書き続けてるのですが、それが33話で象徴的に表現されてて驚きました。 「裸の心は錠(ロック)をかけて誰にも見せるな」 という言葉の鎖に、アリスが捕らわれてるあの1コマ。 アリス自身も 「心に鍵をかけることができても、はずすことができない」 と考えているわけで、つまり、一人ではもう抜け出すことが出来ない状態にある。 私が見たいのはそこから脱出したときのアリスの表情なんだな、と改めて強く感じました。 


雁字搦めの状態を 「緩める」 ことは、周囲の人との関わりでもう起こり始めているんだと思う。 だからこそ、戸惑うんだろうし。 ただ、決定的な 「錠を外す」 行為は、きっと特別な誰かにしか出来ない。 アリスの中で絶対的な存在である父を越える、唯一の人でないと、たぶん無理。 そして今のところアリスが父以上だと感じているのは金蚕だけであり (1巻参照)、 それが明確な恋心に繋がっているのを見ても、彼が鍵を外す人であることは間違いないと思うんですよね。 


例えば、アリスが金蚕と円旗に声をかけられたときの感情も違います。 金蚕には、一見強がっても 「心がグラついちゃう」 と感じている。 円旗だと 「心が落ち着く」 と感じている。 つまり、円旗の潔癖な厳しさは彼女の心を安らげるものではないんですね。 彼の美徳に則った厳しさは、現在有事にしか発揮できないアリスの実力を伸ばすという意味でプラスに働くのだろうけど、それはあくまでもパイロットとしてのアリスであって、彼女の 「裸の心」 までは届かないんだろうなぁ。 そこに来ての39話! 金蚕が惹かれているのもアリスの脆い部分= 「裸の心」 の部分なわけで、これでときめかないはずがないっ!!ってくらいの満点な展開でしたw あーもう嬉しいなっ、これが見たかったんだよなっww 今回お預けでしたが、そんな焦らしプレイまで嬉しいんだから私も重症かもしれない・・・(笑)。  


それにしても、ジャック角邦氏の影は大きいですね。 アリスが 「もう誰も死なせない」 と発言してることからも父親の生死が彼女の未来を分けそうな気はしてたけど、慧くんの口からあの台詞が出ちゃうとな・・・。 貴代さんが 「金蚕には知らせるな」 って言ってるのを鑑みると、ジャック角邦氏が追われる原因となったのが金蚕の父を奪った航空機事故に在りそうだし。 今回、もう一人の 「父」 であったコウモリ中尉の命を一度は救えたことがアリスの力になると良いんだけどなぁ…。 中尉が最後の力を振り絞ってアリスに贈ったサムズアップには、いろんな想いが詰まっている気がしてなりません。 女を侮辱したことへの侘び、感謝、それから・・・ 「また会いましょう」 と語ってくれた彼女の未来への応援。 中尉が託してくれた未来を、アリスがしっかり歩んでくれるように、私も応援してます。 
 


CAPTAINアリス(1) (イブニングKC) CAPTAINアリス(2) (イブニングKC) CAPTAINアリス(3) (イブニングKC) CAPTAINアリス(4) (イブニングKC)

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森薫 『乙嫁語り・3』の感想

乙嫁語り・3

『乙嫁語り・3』

森薫

エンターブレイン BEAM COMIX
2011年6月27日 初版初刷発行/¥620+税





<感想>
スミスさん、まさかの 「メガネを外すと美青年」 設定! そしてラブコメ来たっ!!(笑) 何て素敵なお約束展開なんでしょう……思わず 「ありがとう森先生っ!!」 とガッツポーズでしたw ・・・と、いきなりテンション高いんですけど、 『乙嫁語り』 3巻です。 ホントのこと言うと物語の趣旨はメガネでもラブコメでもなくて(そんなことは皆分かってる!・笑)、もっと楽しむべきところがたくさんあります。 私の読み方が偏ってるだけなんです! ホント申し訳ないっ(笑)。 


えーと、感想書いてなかったけれどもちろん1~2巻もリアルタイムで読んでました。 面白くて美しい、稀有な作品です。 中央アジアが舞台っていうのも素敵。 私は昔から、この辺りからトルコにかけての文化に弱く、それこそ 「トルコ」 とか 「ペルシャ」 という単語で垂涎しちゃうくらいに大好きなので (変態か!・笑)、 刊行されるのを毎回楽しみにしてるんです。 スミスさんが民俗学に興味を抱く気持ちも、だからよく分かるんですよね。 分かった上で、すごい人だなぁと思ってしまう。 ロシアとイギリスとの抗争が仄めかされてるのでおそらくグレートゲームのことだと思うんだけど、その危険を冒してでも己の知識欲を満たすためにこの土地にやってきた彼ってすごいよな、って。  


で、3巻はそんなスミスさんを中心に描かれていきます。 1~2巻では、12歳のカルルク少年の元へ嫁ぐことになったアミルさん(20歳)の結婚生活が、一歩下がった視点で描かれていました。 おそらくそれもスミス視点という部分が多分にあったと思うけれど、あまりそれを意識させず、引きの視点で幅広く中央アジアの文化を見せてくれたのが重要な土台になってる気がします。 3巻では物語の視点がぐっとスミスさん自身にフォーカスされているんだけど、その土台があるからこそ、異文化の中にポツンと入り込んだ彼が体験することになる不遇逆境にも 「理由」 があることが理解できるんだと思う。 


でも、20歳が行き遅れだとか (りるさんヤバイじゃん・・・)、 父親の権限の大きさとか、そういう価値観の違いを頭で理解していても、今回みたいに無理矢理恋が破られるのはやっぱり納得できないよね・・・。 異国の文化にどうしようもなく惹かれてフィールドワークにやってきたのに、実体験として得られたものはこのモヤモヤ感。 ただ、それこそが異文化なんだから、ある意味ではこれが 「知る」 ということの醍醐味なのかもしれません。 理解と納得って、全然別物なんだよね・・・。 ラスト、焚き火を背に懐中時計を投げるシーンで、スミスさんがまるで深遠を覗いたような描写になっているのは、その象徴みたいに感じました。 彼はあの暗闇に何を想って一石を投じたのかな? 時計もタラスさんも彼の元に帰って来ると信じてます――私は信じてますよ! (森先生のラブコメを!・笑)


しかしそれにしても・・・森先生の描かれる女の人って本当に魅力的! いや、男性も魅力的なんですが (今回うっかりスミスさんにときめきっ放しだったし・笑)、 タラスさんもアミルさんも私が嫁に欲しいくらいw(笑) 個人的には、タラスさんがスミスさんへの恋心を持て余してることにアミルさんが気付くシーンと、結局スミスさんにアプローチしたのがタラスさんからだって部分に、めっちゃときめきました! 可愛い女の子は強いなぁw 違うか、強い女の子だから可愛いのかw アミルさんが何かに気付くたびに、自分から話すのではなくてカルルク少年から喋らせる・・・っていう気遣いも素敵。 そしてアイコンタクトで察せちゃうカルルクくんも素敵! この夫婦は見ていて和みます。 スミスさんもパリヤさんも新キャラ・アリくんも、彼らみたいに幸せになって欲しいな・・・w


アミルさんの実家方面でロシアとの対立が深まる気配があるのが怖いです。 気丈なアミルさんが珍しく顔を強張らせていたのだから余程かも。 スミスさんが目指すアンカラは、現トルコの首都で、ペルシャ周りでトルコに行くとか私にとって夢のような体験ですが、こちらもただでは済まなさそう。 その辺の描写とラブコメに期待しつつ(笑)、4巻を待ちたいと思います。 

以下、各話語り。

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笠井スイ 『ジゼル・アラン・2』の感想

ジゼル・アラン2
『ジゼル・アラン 2』

笠井スイ

エンターブレイン BEAM COMIX
2011年5月26日 初版初刷発行/¥620+税





『 たとえ私の この体が朽ちても 誰にも壊せはしないのだ――この心は 』


<ご紹介>
『Fellows!』 に掲載された6~11話を収録した第2巻。 訳アリお嬢様のお仕事奮闘記です。
元は良家のお嬢様、今はアパートの管理人にして 「何でも屋」 でもあるジゼル嬢。 アパートの住人を巻き込んでいろんな事件をかき回したり、解決したり、失敗して無力感に苛まれたりしながらも、日々充実した暮らしをしていた―― ところに、何と実家の執事が急襲してきた! ちょっと怠けていた私生活を厳しく指摘されたり、お仕事先まで監視されたり、何かと大変。 その矛先は何故か日頃ジゼルの暴挙につき合わされてるエリックにも及んでしまい、 「ジゼル様を甘やかすな」 と言われてしまうんだけど…。 


<感想>
1巻感想にも書きましたが、待ち望んでいた2巻ですw いやぁ今回も堪能させて頂きました! 緻密に描きこまれた絵にも、ゆっくりと丁寧に進む物語にも、エリックのラブコメ脳にも(笑)、すっごく満足! 何ていうか、読む進めるのがちょっと勿体ないような、そんな気分にさせられる作品です。 大事にしたいっていうか、ジゼルの成長と同じペースで進みたくなるような、そんな感じ。 ・・・まぁもっとも、先が気になって結局ページめくっちゃうんですけどね!(笑) それでも、そう思わせてくれることがすごい幸せな時間でした。


ところで、この作品って基本モノローグがないんですよね。 ジゼルが何を考えてその行動なのかとか、そういうのをあまり台詞では表現しない。 それなのにものすごくいろいろ伝わってくるのは、やっぱり人物の表情が豊かなことと、コマ割が丁寧だから、なんだろうな。 たとえば6話、エリックがボタンを留めていないのをモネに見咎められるシーンがあるんだけど、その後にエリックとコレットが一緒におさまるコマが挿入されます。 多分この一拍の間に、寝ようと思ったのを起こされただけなんだ!っていう言い訳とか、女性と一緒にいるときに衣類が乱れていることを勘繰られた恥ずかしさとか、そもそもおまえ誰なんだよっていう八つ当たりとか(笑)、いろいろ葛藤したんだと思うんですよ。 でもそれを飲み込んだのが分かるから、次のコマの、頬の赤いむーっとした表情がすごく際立つ。 すごく豊かです、いろんな感情が。 それが、私がこの作品を好きないちばんの理由かもしれませんw


そして、個人的にいちばん気になるのは、やっぱりエリックの恋の行方・・・(笑)。 1巻では家賃滞納を理由にさまざまなジゼルの仕事に付き合わされた彼が、2巻ではいつの間にかモネ執事公認の 「保護者」 にまで昇格してました。 まぁ保護者であることが本人にとって良いか悪いかはともかく(笑)、一応 「隣にいる存在」 として認められたんだなと思います (詳しくは各話語りで)。 でも、エリックはジゼルへの想いを自覚してはいるものの認めたくないわけだし、ジゼルはまったく気付いてもいないわけなので、家賃がチャラになった段階で一緒にいる理由がなくなっちゃったわけです。 これは困る! 二人が一緒にいないと、私が困るっ!(笑) 第9話・10話ではそれぞれが自分の力で頑張る姿が描かれているので、そこに希望を持ちたいです。 今までのように仕事の主人と使用人的な関係ではなく、それぞれの仕事をそれぞれに頑張る、対等な関係を築いてくれると良いんだけどなw どうにもならないくらい、3巻が楽しみです☆ 

以下、各話語り。

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笠井スイ 『ジゼル・アラン・1』の感想

ジゼル・アラン1
『ジゼル・アラン 1』

笠井スイ

エンターブレイン BEAM COMIX
2010年7月27日 初版初刷発行
2010年7月30日 初版2刷発行 / ¥620+税





『 "大家さん" じゃなくて… "何でも屋" ジゼル・アランがです、マダム 』


<ご紹介>
『Fellows!』 に掲載された1~5話を収録した第1巻。 訳アリお嬢様のお仕事奮闘記です。
良家のお嬢様にしてアパートの大家でもある少女・ジゼルは、自活の第一歩として 「何でも屋」 を始めることに。 最初のお仕事はアパートの住人・クレペルさんの行方不明になった飼い猫探し。 張りきるジゼルとは対照的に、家賃滞納を理由に強制的に仕事に連れまわされるエリックは、世間知らずな彼女に手を焼きながらも、実はその少女らしい真摯さに心が惹かれてやまない。 そんな二人の前に、猫を連れ去る不審な男が現れて…!? アパートの住人も巻き込む、ジゼルの危なっかしい活躍とは?


<感想>
大好きなんです! 2巻の発売を楽しみにしてたんですっ!! 1巻発売されたのは去年なんですけど、読了した後我慢できなくて、続きが掲載されてた 『Fellows!』 を読んじゃったくらいに惚れてました。 だから2巻の内容も半分は知ってるんだけど、そもそもここは1巻の感想スペースなのでその話はまた別の機会に (じゃぁ書くなよ・笑)。


という訳で、天然なお嬢様・ジゼルさんが活躍 (?) するお話です。 活躍といっても猫探しや子供のお守程度なんだけど、その程度でも 「(?)」 が付いちゃうのは、彼女のやっていることが案外見当外れだったり、役に立ってなかったり、失敗しちゃったりすることが多々あるから。 しかも基本的にエリックには迷惑だし (それだけじゃないけどw)、大人には平気で反逆しちゃうし、一度引き受けた依頼を 「気が変わった」 で変更したりしちゃうし、彼女の仕事はいつだって荒削りで型破りです。 でも個人的には、この 「(?)」 の部分が、物語に大切な 「味」 を加える要素になってると思うのですよ。 


実際、2話で彼女が見せた大人への反逆は、最高にカッコ良かった! 誕生日の約束を破って仕事をさせられる父と上司に 「仕事してれば無罪放免か」 と言えちゃうのは、子供だから出来る暴挙であり、最大の正論でもあると思うんですよね。 仕事なんだもの、やらなきゃいけないのは大人の常識。 だけど大人は、その大人の常識で子供に約束の大切さを説く。 それなのに約束を破られたら・・・そんなの身勝手だ!と思うのはとても普通の感覚で、でも我慢しなきゃと身を竦めるのもよくあることで、だからこそ、ジゼル嬢がきちんと 「怒る」 のは、とても大切な感情なんだと思う。 しかも、その子供らしい我侭を、翻訳という 「仕事」 で大人に返しちゃうんだから、もう本当に素敵。 大人には痛いしっぺ返しだけど、そもそもただ大人だという理由だけで子供を説き伏せられると思っちゃいけない。 ジゼルのやり方が正しいかどうかはともかく、 「この子はどんな子なんだろう?」 ととても興味が湧きました。 彼女の周りにいる人は、きっと皆そう感じる。 不遜な態度さえ魅力に変えてしまう彼女から、目が離せなくなっちゃうんだよねw


それにエリックだって、迷惑だのなんだの言う割には、ずいぶんな役得です(笑)。 物語冒頭からスカート姿のお嬢様を肩に担ぐという栄誉を賜ってるし (それ栄誉なの?・笑)、 「お前がいるから大丈夫」 と意外と当てにされてもいる。 でも多分、エリックが賜る最高の 「役得」 は、大好きなお仕事をしてキラキラしてるジゼルさんをいちばん近くで見られること、なんじゃないかと思います。 そういう時の彼女は、好奇心に目を輝かせたり、涙溢れさせたり、静かな怒りを身にまとったり、ひまわりみたいな笑顔を咲き誇らせたり・・・と、くるくる表情が変わって本当に可愛い。 多分、誰よりもエリックがそんなジゼルさんを知っている。 だから、どんなに違う誤解だからかうなと否定しても、彼はいつだってジゼルを見てるし、赤面しちゃってる。 私、エリックを見るのが大好きなんだ。 本人も気付いてないくらいにジゼルばかりを追ってしまう彼の視線を見るのが好き。 視線の先で生き生きしてるジゼルさんを見るのも好き。 そういう気持ちが伝わってくる雰囲気が、大好きですw

以下、各話語り。 

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