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茅田砂胡 『祝もものき事務所』の感想

momonoki.jpg
『祝もものき事務所』

茅田砂胡
(挿画:睦月ムンク)

中央公論新社C★NOVELS FANTASIA
2010年011月25日 初版発行/¥900+税




「百之喜はああ見えて仕事を選ぶ男です。 その男があなたの依頼は断らなかった。 不承不承ながら引き受けたということは、百之喜はわずかでも隆くんが無実である可能性を見出したということなんです」
「わたし……具体的なことは何も話さなかったのに、優秀な探偵さんなんですね」
「とんでもない」
雉名は露骨に顔をしかめた。
「あれは無能と自堕落を絵に描いたような男です。 能力もなければ根性もない。 毎日遊んで暮らすのを理想とするような社会の落伍者なんです。 それでも今は百之喜に期待するしかない」
電話の向こうで江利は絶句した。
仕事上の短いつきあいでも、雉名がこんな冗談を言う人間ではないことはわかっているつもりだが、思わず尋ねていた。
「そんな人に……何を期待するというんです?」
「奴が何かしでかしてくれるのをです」



<感想>
有隣堂のノベルスコーナーに、表紙が見えるように置いてあった本です。 イラストに目を惹かれて手に取り、その後 「あ、茅田さんだ」 と気付いて面白そうだと思い、最後に裏表紙を見て・・・イラストにある美人秘書・凰華さんの横顔 (正確には口元!) の色っぽさに負けて購入しました(笑)。 あ、あと帯! 帯の文句が、 『やる気も根性も能力もない主人公の なんちゃってミステリー!?』 って書いてあるの。 その無能ぶりは私に似てる!と思ったらいてもたってもいられず…(笑)。 えーと、まさにそんな感じの、ライトなお話でした。


物語としては、その無能な主人公・百之喜 (もものき) が営む事務所に、殺人事件の犯人として逮捕された弟の無実を証明して欲しい、という依頼人が来るところから始まります。 その弟には被害者との間にトラブルがあり、愛車からは凶器も発見されていて、事件当時のアリバイもない…という超不利な状況。 気の進まない百之喜は、しどろもどろになりつつも断ろうとするんだけど、それを秘書の凰華さんが強引に引き受けてしまう。 でもその強引さの裏には、根拠はないけれど実績だけは豊富な、百之喜のとある 「体質」 が関係している。 そしてその 「体質」 は玉転がしのように厄介事を増やしながらも、何故か事件を解決に近づけていって・・・というストーリー。


その 「体質」 が何なのかということに関しては、本当に根拠もなければ説得力もないので、読んでる私としても依頼人と同様に 「この人に任せて大丈夫なのか…?」 という不安を抱えながら読んでました。 で、その不安を何とか支えてくれるのが、百之喜の優秀な秘書・凰華さんと、彼の幼馴染、雉名・鬼光・犬槇・芳猿の4人。 オトコ4人で高級飲食店に入って談笑しちゃうような、ダメ幼馴染っぷりが結構ツボでした(笑)。 百之喜は事件を引っ掻き回す役目なので、彼らが事件を捜査していくんだけど、そのやり口がちょっと違法っぽいというか、特殊技術すぎて都合良すぎる感じはします。 だから本当に 「ミステリー」 の謎解き部分を期待してる人には向かないけれど、その分お馬鹿っぽさが楽しくて気軽に読める仕上がりに満足でした。 


それに、何より伏線の使い方がとっても巧いのがスゴイ! 謎への迫り方はライトだけど、実際には伏線がものすごく何気なく張られているので、謎が判明したときの 「あぁなるほど!」 感はしっかり味わえました。 特にラストで判明した携帯電話のくだりは絶妙で、 「あぁそれ中盤で凰華さんが駆使してたじゃん! あれがここに繋がるのか!」 と気持ちよかったです。 何気ない部分にこそ、文章の巧さが隠れてるんだなぁw  凰華さんの人脈術や対人スキルも参考になるし、ちょっと勉強になりましたよ。


それにしても…ここで描かれた 「旧家」 のしがらみって、切なかったなぁ。 気軽に読めると書いたけど、憲子さんが暴露する実体験の部分は、かなり重々しく私たちに訴えてきます。  だって現代の感覚では完全に犯罪ですよ? 人を男女で差別することも、生まれた順 (長男次男) で区別することも、身体的特徴で不要と切り捨てちゃうことも。 ただ、きっとこういう考えって完全に廃れてはいないんだろうな、とも同時に思わされました。 実際私の知り合いにも、長男にしかお小遣いをあげない家ってあるし…。 ここに描かれたのは極端な例かもしれないけれど、その分、私達の中に潜んでいるかもしれない差別意識を徹底的に抉ってくる。 自分はそういうつまらない人間になっていないか?と、もう一度自問するよい機会かもしれないです。 





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麗桜さんへ

>麗桜さん

コメントありがとうございますw

独特な雰囲気で楽しめるお話でした。
確か2巻が発売されたんでしたっけ?
まだ読めてませんが、多分1巻同様、人の闇を軽く明るく照らしてくれるんじゃないかなって思ってます。

ちなみに私は雉名が好きでした。 苦労人っぽくて(そこかよ・笑)。
芳猿も可愛いですよね!

No title

私も読みました!!
もものきの独特なふいんきに引き込まれました(笑)
最後にさくらさんからの依頼を受けたところで終わったので
これからどうなるのかとても楽しみです!!
私は芳猿のキャラが一番好きでした(笑)
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