スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


Loading...

松本テマリ/芝村裕吏 『キュビズム・ラブ・1』の感想

キュビズム・ラブ・1
『キュビズム・ラブ・1』

松本テマリ
(原作・芝村裕吏)

エンターブレイン ビーズログコミックス
2011年6月13日 初版発行/¥620+税




『 だって私は―― 箱 だから 』


<ご紹介>
『コミックビーズログ キュン!』 に掲載されたCHAPTER.01~08と外伝を収録した第1巻。 「箱」 と青年医師とのラブコメディ(?)です。 カラーピンナップ付。
中学生の典子は、陸上部の試合に向かう途中で事故に遭い、父親を亡くした。 目を覚ましたのは病院で、一人の青年医師がとまどいながらも話しかけてくれる。 医師・篠田の笑顔は子供っぽくて、すぐに典子は好感を持ったのだけど、自分の声は何か変だし、視界も歪んで気持ちが悪い。 それを篠田に告げると、彼はやっぱりとまどいながら丁寧に説明してくれた。 典子が失ったのは父親だけでなく、 「脳」 以外のすべての部分もなのだと・・・。 典子は今、脳が収められた 「箱」 の姿で生きているのだと・・・!!


<感想>
テマリさんの絵が好きです。 それはもう無条件で大好きでです。 どのくらい好きかというと、苦手なはずのBLもテマリ作品なら読めちゃうくらい好きなのです!(笑) 『ウワサの二人』 も 『王子様のお勉強』 もどうせ読んださ!(笑) 愛って偉大ですよねw (えー!) 

そんな訳で、ネットや書店でこの作品を見かけるたびに、表紙イラストに胸がきゅーんとなって仕方ありませんでした。 ずっとずっと気になってて、どうにも我慢出来なくなってから購入したので、テマリさん欠乏症がピークに達した時に読めたのは、ある意味幸せだったかもしれません(笑)。 脳内麻薬が分泌されているせいか、何をどうやっても篠田がカッコ良く見えちゃう。 あとがきでテマリさんが 「篠田はへたれ美形として語られてて…」 と仰ってましたが、もうどの辺りがへたれなのか分からないくらいでした。 ・・・落ち着いてから再読したら、愛すべきヘタレだったけどね(笑)。 


お話としては、脳以外の体を失い 「箱」 の状態で生きることになった典子ちゃんと、彼女を事故から救った医師・篠田との、ちょっと不思議なラブコメです。 芝村作品は初めて読んだけど、とにかく奇抜な設定にびっくり。 でも、1話できちんと状況説明をやりきり、2話までにキャラクターに愛着を持たせた構成がホント上手い。 典子ちゃんなんて 「箱」 なのに、篠田が近付くたびにときめく様子はとにかく可愛いし、寒さに映える白い吐息が好きだっていう感性には、愛情さえ湧いてしまう。 篠田が改良を加えるために 「箱」 を抱きかかえた時も、彼女がやたら恥ずかしがるものだから、まるでいかがわしいことをしてるかのように感じられちゃうという(笑)。  「箱」 が可愛いなんて、読んでても不思議な感覚でした。 


一歩間違えばオカルトな設定だけど (『魍魎の匣』みたいに)、 意外や意外、まっとうで純粋なラブコメに仕上がってるのも見事。 これは典子ちゃんの性格が基本素直でポジティブなことと、篠田が彼女のことを 「箱」 だと思ってないことが、大きな要因だと思う。 特に後者かな。 第3話で篠田は、脳波を見られるのが恥ずかしい (=篠田の一挙一動に動揺してるのがバレるから) という 「箱」 に対して、恥ずかしがる理由を理解できなくて 「女は難しい」 って結論付けるんですね。 篠田は典子ちゃんのことを 「箱」 ではなくて 「女性」 としてきちんと認識してるんです。 むしろ典子ちゃんの方が、自分は箱だから恋なんて出来ない、と思ってるくらいで、実はポジティブなのは篠田の方なのかもしれない。 いずれにしろ、プラスとプラスの要素が弾けて微笑ましい雰囲気を合成してるのは間違いなく、基本二人しかいない空間を表現しきったテマリさんが凄いなぁとしみじみ感じました。 


ただ、このお話どこへ向かっているんだろう?という疑問が大いにあるのも事実。 途中から登場するヲタポンの会話は、精神論のようであり禅問答のようでもあり、物語の核心でもあるような気がする。 同原作者の 『公僕の警部』 との関連性もあるみたいだし、篠田が養子に入った経緯やヲタポンの背景にある存在など、病室を一歩出ると大人の思惑がうごめいているようで、それが病室内のほのぼのした雰囲気とのギャップになり、物語の深みになっているのは確か。 外伝で仄めかされる他作品との関連性に関しては、他を知らない私には読みにくい部分があるんだけど、この奇抜で愛すべき設定をどこに落とすのかだけは、是非見極めたい。 続きも楽しみです。

以下各話語り。 簡単なものだけど、普段よりは考察寄りな内容かも。





●表紙・ピンナップ 
だ・か・ら! 無駄に篠田がカッコイイんですってば(笑)。 特に表紙絵がお気に入りで、 「箱」 を抱える彼の表情が良い意味で 「微妙」 なのが印象的。 優しさや戸惑い、そういういろんな感情が入り混じった表情で、でも大事そうに 「箱」 を抱いてるところが好き。 ピンナップの方は、無駄に色っぽくて動揺しました(笑)。

●CHAPTER.01 
「名前は篠田」 「いい名字ですね!」 「一般的に聞かない褒め言葉だな」 という会話が楽しく、ここで典子ちゃんの性格が表現されてるのがイイですね。 積極的に会話の出来る社交性と、良いところを言葉に出来る素直さ。 今後の彼女を理解するうえで大事な部分を、説明ではなく会話と表情で示してて凄い。 あとは、篠田の笑顔に惹かれたのは私も典子ちゃんと同じでした(笑)。

●CHAPTER.02 
典子ちゃんの手術が決して綺麗な理由だけで行われた訳じゃないことが判明した一方で、篠田が 「こんなものを喜ぶやつがいるのか」 と柔らかい表情を見せる。 ここで既に病室の内と外とで 「温度差」 が生じている訳で、それを 「白い吐息」 とかけてるのが上手でした。 

●CHAPTER.03 
篠田が 「箱」 を撫でる様子は、まるで女の子の頭を撫でているように見えてしまい、何か不思議でした。 作品の持つ雰囲気にこちらが飲み込まれているわけですよ。 凄いなぁ。 あとは本文で書いた通り。

●CHAPTER.04 
「箱」 を相手に百面相する篠田を見てると、彼には本当に箱ではなく 「患者」 なんだなぁと実感できますね。 その上 『かわいい』 とか言っちゃうのは反則ですよ、こんなの、典子ちゃんが惚れちゃうの当然。 脳を生かす研究は病院や学閥ではなく篠田という「家」の功績らしいけど、これが物語の本質にどう関わるのかが気になる。

●CHAPTER.05 
「出張していた」 「そうですよね、お医者さまですもんね」 というやり取りが、既に尻に敷かれたカップルっぽくて微笑ましいw(笑) 暇だけど篠田がいれば良いと思ってる典子の気持ちに気付かない篠田とは対照的に、登場したばかりのヲタポンが気付くのが偉いw 乙女心の分からない奴のことは、殴ったれ殴ったれ(笑)。 

●CHAPTER.06 
ヲタポンの台詞が突然 「そなた」 とかになって驚いてたら、どうも芝村ワールドではよくあることみたい。 ふむー、この伏線がどこに繋がるのかが全然分からなくて気になる! 典子ちゃんが恋心を自覚する部分は切なくて、でも好きな人のために嘘を吐くことさえ、この子にかかると前向きな印象です。 強い子、だな。 篠田が甘えさせてあげられればいいんだけど…。

●CHAPTER.07 
ヲタポンの奇行(笑)から典子ちゃんを守るために、実力行使に出る篠田が楽しすぎるw 5話では殴られる側だったのに、まさか殴る側になるとは。 そんな彼にベタ惚れな典子ちゃんがやっぱり可愛い。 箱なのに可愛く見えて仕方ないw そしてヲタポンも篠田が大事みたいで、何だかんだで篠田大人気だという…(笑)。 

●CHAPTER.08 
ここまで完全に病室の内と外しかなかった作品世界が、典子ちゃんの家族を通して広がる予感を漂わせて1巻終わり。 家族に関しては確かに、父親のことが一度だけ触れられただけであとは皆無。 脳だけになった人間が家族をどう捉えているのかは分からないというヲタポンの疑問はもっともで、むしろ篠田の方が彼女の 「人間らしさ」 を信じたがっているみたい。 読み手としても今まで典子ちゃん目線で語られることが多かっただけに、彼女の視点がそもそも正しいのか?というこの視点変換はちょっと面白いものでした。

●外伝 
ヲタポンが痩せてる!ということに驚きすぎて、あとはもう何が何だか(笑)。 たぶん本当に外伝的お話で、篠田家のこと、スーパーマンを作ろうとしてること、などが本編とどう関わってくるのか (もしくは関わらず他作品に繋がるのか) などは、この先の展開を見ないと正直よく分からない。 相変わらずヲタポンの会話は禅問答のようだけど、テンポの良さは好みでした。 あと、いい年した男の人が親友をヲタポンと呼ぶシュールさが好きだ!(笑)





Loading...
Secret

☆Web拍手ボタン

押して頂くとりるがハリキリます(笑)

☆カテゴリ

☆サブカテゴリ (タグ)

 

☆最新コメント

☆リンク(おすすめサイト様)

☆アクセスカウンタ

QRコード

QRコード

RSSリンクの表示

アクセス解析

関連記事Loader

[猫カフェ]futaha

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

☆検索フォーム

☆購読予定一覧

☆アニメDVDの人気ランキング

☆更新日カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

09月 | 2017年03月 | 10月
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


☆オススメ





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。