清家未森 『身代わり伯爵の花嫁修業 3 禁断の恋の手記』 の感想

身代わり伯爵の花嫁修業『身代わり伯爵の花嫁修業 3
 禁断の恋の手記』

清家未森
(ねぎしきょうこ・挿画)

角川ビーンズ文庫
平成23年2月1日 初版発行/¥552+税





「そんなに必死に拒絶して、一体誰に操を立ててるの?」
「……え?」
質問の意味がわからず、思わず振り向いた時だった。
さらりと黒い髪が視界をかすめ、唇に何かがやわらかく触れた。
咄嗟に何が起こったか理解できずに固まったミレーユに、顔を離したフィデリオが唇の端を軽くあげる。
「――スキあり」
悪戯っぽく彼はささやく。 呆然と見つめ返したミレーユは、そこでようやく気がついた。 ――自分の唇に触れたものが、彼の唇だということに。



<ご紹介>
双子の兄の 「身代わり」 から始まったミレーユの恋物語、 「花嫁修業」 完結編です。
ここ最近様子のおかしいリヒャルトを心配するミレーユ。 原因は宮廷の財政危機?でも副業するわけにもいかないし…と悩んでいたところ、太后から最後の試験が出題される。 それは、最近流行している 「禁断の恋の手記」 の作者を探し出すこと。 正体不明な 「高貴なる女性」 への想いが綴られた手記に書かれているのは、ミレーユの日常そのもの! 自分がモデルだと国民にばれたら醜聞になってリヒャルトの負担が増えてしまう、と考えたミレーユは怒り心頭で作者探しに乗り出すんだけど、そこにリヒャルトの従兄弟であるフィデリオがちょっかいを出してきて・・・!? 


<感想>
やっと読めた!というのが正直な感想なんですが(笑)、とにかく楽しかったw  お話としては花嫁修業編の第3弾にして完結編ということで、登場人物も盛りだくさん。 シャーロットの再登場とか嬉しかったw 女の子率は高いに越したことはないです(笑)。  それでもやっぱり、リヒャルトのために 「新妻」 としての暴走度を増すミレーユがいちばん可愛いっ!  っていうか、前巻ラストで 「耳にフー」 の反撃を受けて赤面してたのに、根本的には鈍感なままだという(笑)。 あれじゃぁリヒャルトは生殺し地獄だね、とニヤニヤしていたら ( 「してください、新婚ごっこ」 は勇敢だったなぁ・笑)、 フィデリオの思いがけない横槍でミレーユが傷ついちゃうのが切なくて…。 

…でも、キス一つで永遠の別れを覚悟するミレーユの純粋さはやっぱり微笑ましいんです。 こんな風にまっすぐ想いをぶつけられたら幸せだろうなぁw  涙するミレーユに 「消毒」 するリヒャルトが暴走しちゃうのは、だから仕方ないですよ。 婚約者があんな可愛かったら、唇がとろけるまでキスしちゃうのはもう仕方ない!(笑) むしろ、日付が変わったら自重したリヒャルトが偉すぎます。 そこはもっとやっても良かったのに… 偉すぎます! (←何かごまかした・笑)


さて、今回のメインは 「禁断の恋の手記」 の作者探し、でした。 いろいろと思わせぶりな人ばかりで皆が怪しく思え、実はロジオンがミレーユのことを想って…!?とか、あまりにもロジオンに対抗するシーカ様の様子から、もしかしてロジオンに恋を…それで詩を…!?とか、いやでもやっぱり本命はアンジェリカなの!?とか、妄想しながら作者探しをするという楽しい時間を過ごさせて貰いましたよ。  

正直「犯人」はまったくの予想外だったんだけど(えー)、本当は、あのリリカルで乙女な手記を読んだ時点で分からなきゃいけなかったんですよね。 だって、以前フレッドがキリルのことを 「天然系で乙女系で暴走系のすべてを兼ね備える大公家の血が流れてる」 って評してるんだもん、そしたら 「犯人」 だって同じな訳ですよ。 あれが伏線だったんだよー!と後で気付いて悔しかったわぁ。 それに、ミレーユが 「彼女」 に似ているという大昔に登場した設定も伏線だったわけですよね。 今回の一連の構成は、その辺が整理されてるという意味でもひじょうに綺麗だったと思いますw 


それにしてもレルシンスカ嬢とフィデリオの存在感がハンパなかった(笑)。 シーカ嬢の恋心に関しては驚いたけど、ルドヴィックとは大公至上主義という彼らにとっていちばん大事な部分が共通してるわけで、成立しちゃえば案外良いカップルになりそうな気がする。 ……成立すれば、だけど(笑)。 ルドヴィックがミレーユに厳しい理由も納得のいくものだったので、個人的好感度が上がりました。 いつかミレーユが、彼女自身の行動をもって、ルドヴィックに認められる日が来ることがすっごく楽しみ! ミレーユなら絶対に出来るって信じられるのも、嬉しいですねw

あと、フィデリオの性格がツボでした(笑)。 意図的な二重人格に実は弱いんです。 イマイチ読めない彼の言動が今後もミレーユとリヒャルトの恋路に立ちはだかりそうだけど、それ以上にちょっと気になったのが、ラストで彼は一体誰と一緒にいたんだろう?という疑問。 信用して良い人なのか、正直掴みかねてます。 でも好き、ビジュアルも好き!(笑) 


などといろいろ書いたけど、いちばん強く感じたのは、家族の在り方の変化でした。 例えばミレーユ、彼女はどんどん 「リヒャルトの家族」 になっていってる気がする。 彼女が花嫁修業で習得しているものは、たぶん貴族のマナーでも閨房学でもなくて、リヒャルトの妻としての自覚みたいなものだと思うんですよね。 薬草を作りたいという気持ち、ルドヴィックに厳しくされてもめげずに食い下がる気概、ギルフォードへの思いやり……そういうものを積み重ねることで、どんどん家族に近付いていってる。 一方で、どんなに誰より近い存在でいたいと願ってもそう在れないエドゥアルドとフレッドの切なさには、思わず涙でした。 家族になることが出来ない運命だったギルフォードとサラのことも同様で、大好きなのに、大好きだけじゃどうにもならないんですよね…。 その分、リヒャルトがギルフォードを 「兄」 と呼べたことが嬉しくて、結構本気で大泣きでした(笑)。 あのシーンのねぎしさんのイラストもすごく良くて、誰より辛いはずなのに穏やかな表情を浮かべるギルフォードに、私まで癒されました。 この作品はホント 「みんなイイ」 のが最大の良さですよね!


とはいえ、地下牢では某伯爵とか某双子の片割れとかが、未だにすっごい存在感を放っていて、今後もう一山事件を起こすのが確実な気配です。 次巻からは里帰り編ということでミレーユたちがシアランを離れる訳だけど、その間に悪さしそうな気が。 久々のアルテマリスだけど、ハーレム計画が進行してるかどうかも含めて(笑)、続きが楽しみですw 





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もとさんへ

>もとさん

こんばんは! コメントありがとうございましたw

>全く同じ感想で思わず笑いました。

あ、やっぱり感じることは同じだという・・・(笑)。 あのインパクト凄まじいですもんね。 まさかあのルドヴィックをルド様と呼ぶ人がいるとは!ってところとか。 フィデリオに関してはねぎしさんのイラストの影響もあるんですけど、かなり好きです! ミレーユにキスをするシーンのイラストからいたずら感が伝わってきて、好きだと思いました。 ・・・惚れるポイントが間違ってる気がしますけど(笑)。 

>今後も悪意なく引っかき回してくれるんじゃないかと期待してますw

むしろ、やらかして欲しいですよねw

>読めてなくて積んでるので、私も早く読もうと思いますw

買った気でいたんですけど、まだ買ってなかったことに気付きました。 まず買います(笑)。
ありがとうございましたw

No title

こんばんは。

>それにしてもレルシンスカ嬢とフィデリオの存在感がハンパなかった(笑)。
この本の内容どんなだっけと自分の感想見返したら
「従兄弟のフィデリオとレルシンスカ様の存在感が凄まじかった。」
と全く同じ感想で思わず笑いました。そうでした。この二人の存在感が凄まじかった巻ですね(笑)。フィデリオは私も好きな感じでした。悪い人ではなさそうなので(多分w)、今後も悪意なく引っかき回してくれるんじゃないかと期待してますw

>久々のアルテマリスだけど、ハーレム計画が進行してるかどうかも含めて(笑)、続きが楽しみですw
読めてなくて積んでるので、私も早く読もうと思いますw
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