『アネットと秘密の指輪 お嬢様とロンドン塔の王子』の感想

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『アネットと秘密の指輪 お嬢様とロンドン塔の王子』

雨川恵
イラスト:風都ノリ
角川ビーンズ文庫
平成21年7月1日初版発行/¥457+税




「リチャード」
足を止めて、振り返る。 彼女の後ろで扉を閉めるリチャードを見つめて、アネットは言った。
「あのね、何も心配要らないからね。 きっと、何もかもうまくいくわ」
「お嬢様……?」
「あたし、頑張るから。 だから――」
――どこにも行かないでね。



<ご紹介>
『アネットと秘密の指輪』シリーズの第4弾。 庶民出身の女伯爵・アネットが、お嬢様修行と20年前の『革命』に纏わるウワサに挑む物語です。
「ロンドン塔には旧王家・アーカートの王子が囚われている」…先日遭遇した誘拐事件の裏にそんな噂があったと知って、アネットは大慌て。 旧王家の王子=リチャードを失いたくない一心で真相を調べ始めたアネットだけど、社交界での意地悪とか、「ロンドン塔の囚人」の話をちらつかせる軍人の登場や、王太子暗殺を巡る企みに巻き込まれて、いろいろ大変なことに…。 王太子と共に乗り込んだロンドン塔で、アネットが見たものとは…!?


<感想>
表紙のアネットがとにかく可愛くってメロメロですw でも、ここにリチャードがいないのが哀しい…。 3巻目が超カッコよかっただけに!! だけど、それを含めて、この巻をよく表したイラストだと思います。 確かに今作のアネットの騎士は、この二人だったもんね。 読了後にこのイラストを見ると、「リチャード、その選択はダメーっ!!」って改めて叫びたくなる…。 あぁもう、何かいろいろ切ない…。


というわけで、めちゃめちゃ面白い第4巻でしたw 前半のシャーロットとの友情シーンの微笑ましさといい、後半の王太子と秘密のデート=おとり捜査(笑)のシリアス度といい、緩急自在で全然飽きない。 けれど、まさかラストであの展開になるとは…!!(大泣きっ)


この作品、アオリが「ビーンズ版マイ・フェア・レディ」なんだけど、そのお嬢様修行が成果をあげつつあることが、今回ラストの根底にあるんですよね。 要するに、アネットにとってのお嬢様修行は、すべてリチャードと一緒にいる為の手段に過ぎないんだけど、リチャードにしてみれば、アネットを巻き込まない為にも「一人で大丈夫」にさせる手段だという、すれ違い。 そして、お互いがそのことを把握してないってことが問題なんですよね。 アネットが頑張れば頑張るほど、彼女の想いに(っていうか自分の想いにも)気づいてないリチャードは遠ざかってしまうなんて、切なすぎる…!! あぁ、この先どうなるんだろう。 アネットが泣いていないことだけを願うしかないです。 そして唯一のラブいシーンが「靴」のくだりだけなんて寂しすぎるっ!!(笑) 今から次巻がとっても待ち遠しいです!!
で、そんなすれ違いの一方で、友好的(?)な関係も育まれていったのも印象的でした。

「リチャードはね、お茶淹れるのがとっても上手なの! もちろん、何やらせても上手なんだけどね! 料理も上手だし。 字も綺麗だし何でも知ってて頭もいいし! あたし、ここに来るまでお茶なんて飲んだこともなかったんだけど、リチャードが淹れてくれたのは解るの。 他の人が淹れてくれても美味しいんだけど、リチャードのは違うのよ。 あ、でも解るのってやっぱり、あたしがリチャードのことすごく好きだから? ねえどう思う?」
「半分くらいはどうでもよくて、全体的に戯言だと思うわ。 ……まあ、このお茶が美味しいのは否定しないけど」


もうね、このやりとりが好きで好きで(笑)。 リチャードへの真っ直ぐな気持ちを、初めての友だちにぶつけるアネットの嬉しそうな様子が、堪らなく可愛いです。 そして、シャーロットの毒舌切替しもアネットへの愛情表現なんだもの、愛しくないはずがないw 「最初で躓いた」二人だけど、だからこそ育んだ友情がとても尊いなって、嬉しくなりました。


あとは、アネットの騎士だったユージンと王太子との関わりにも深みが増してて面白かったです。 ユージンの嫁発言には、私もドキドキしましたよ(笑)。 まぁ、アネットはリチャードの大事なお嬢様だって理解してるから揶揄出来たんだろうけど、ユージンのなかでその理解が崩れたら、彼女をどう想うようになるんだろう…。 「ありがとう」という静かな一言に籠められた敬意が、とても素敵でした。 王太子は…アネット自身を認めてくれたみたいだけど、彼女は実質的にはリチャードを匿うことで彼を裏切ってることになる。 生まれたばかりのこの絆がどう育まれるかで、アネットの今後は大きく変化しそうだけど、彼女はただ人を好きになっただけなんだって、王太子が気づいてくれると良いな…。


旧王家派として登場したロバート。 アネットには祖父の同志(=革命派)だと言ったけど、王太子にはその認識はなかった。 で結局旧王家派としてリチャードの前に姿を現したわけで…この人、結局どっちなの? 何がしたいのかな。 とりあえず、アネットの恋路を妨害する人は個人的に敵認定だけどねっ(笑)。

・前作 ⇒『アネットと秘密の指輪 お嬢様と花のワルツ』



<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・『booklines.net』様 / 『- `)。oO(少女小説読みの日記)』
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