アニメ『夏目友人帳 参』の感想/第4話『幼き日々に』



『 ただいま。 ・・・おかえりなさい! 』


何ていうか、塔子さんの可愛らしさと、木の上の妖怪のいじらしさと、幼い夏目の抱える闇と、ニャンコ先生のブサ可愛らさ(笑)が、絶妙にそろい踏みしたお話でした。 基本は妖怪目線で幼い頃の夏目を語られるだけなので、特に事件が起きる訳でもない静かな展開。 人と妖が同じように抱いてきた「後悔」を描いているから、その「静かさ」こそが、夏目と妖怪を理解する上でも、そして何より「一人は悲しいことだよ・・・?」を実感する意味でも、大切なファクターだったと思います。 


まずは塔子さん。
『でも、私こんなオバちゃんになっちゃって! ・・・あ、皆オジちゃんオバちゃんよね』 
いやいや、そんな可愛いオバちゃん普通いないって!(笑) 「まぁ」ってほっぺた抑えるとか、相変わらずほんわかさせる雰囲気が素敵だなぁ。 あと、女って不思議なもので、なかなか自分のことを「オバちゃん」って言えなかったりするんです。 何の気負いもなく自分をオバちゃんと言える塔子さんは、そういう見栄とは無縁で、やっぱり温かく感じました。 


そしてニャンコ先生。 
『ラーメン! ラーメンラーメン♪』
じぃぃっと夏目を見て、『行く!』と夏目に抱きつきよじ登るニャンコ先生が可愛すぎてどうしようかと!!(笑) 何ていうか、ラーメンのためとはいえ、先生がこんなに懐いている姿ってやっぱり可愛いw  夏目が「ぷっ」と吹き出したのはじぃっと見つめる先生の顔がぶさいくだったからじゃなくて、そういう甘えが醸しだす雰囲気が愛しかったからだと思うのですよw


『行かないって言ったろ?』(夏目)
『行く! 行く行く行く』(ニャンコ先生)
『連れて行かない』
『れめ、行く、行く!』

どこのバカップルなのか!(笑)ってやり取りが楽しいー。  っていうか和彦さんがノリノリですねw 仲良しな二人を見てると嬉しくなります。 案の定夏目はニャンコ先生をバッグに詰めて出かけるわけですが、あのバッグ、9割5部はニャンコ先生が占めてますよね(笑)。 


木の上の妖怪も可愛かったーw
『私が脅かす。 あの子が逃げる。 そればかりのことだが、何か、楽しい日々だ』

「私を見える人間などいるわけない」・・・そう自分に言い聞かせてきたのに、自分を見てくれる人がいた。 何をするわけでもなく「見えるというただそれだけのこと」が、こんなに嬉しい。 ウキウキと楽しそうに夏目をストーキングする微笑ましさよw(えぇ!?・笑) その嬉しさを知るまでは、逆に言うと、ひとりが淋しいってことさえ知らなかったんだろうなぁ。 そして、小さい頃の夏目がまた超カワイイです。 小学生のひざ小僧にときめいたのは久しぶりだわーw(←いやダメだろ!)
 

・『せっかく始めて言葉を交わしたのに・・・あんなこと言うつもりはなかったのに・・・』(木の上の妖怪)
・『あっちへ行け! おれが何したって言うんだ!? ・・・お前らなんか、大っ嫌いだー!!』 (夏目)

ここでふと思ったのは、『こんなの欲しくなかった! 塔子ちゃんズルい!』って塔子さんを詰った栗山さんのこと。 彼女ももしかしたら木の上の妖怪みたいに、本当はそんなことを言いたかったんじゃなかったのかもしれない。 この時の夏目みたいに、何か悲しい記憶を重ね合わせてしまって、吐き出してしまっただけなのかもしれない・・・って。 二人とも、相手を傷つけることで相手の心に生き続けてきた。 そう考えると「嫌い」という言葉を相手に投げる蹴る行為って、実は残酷なほど「甘え」に近いのかもしれない。 相手にあたって傷つけることって、最大限に相手に自分を植えつけることだもの。 


『にゃ!』(猫) 
何気に猫のビジュアルが私のツボのど真ん中で本気で可愛かった! そりゃもう、一瞬ニャンコ先生の存在を忘れるくらい可愛かったです(ヒドイ・笑)。 夏目を見つけたときに上がるシッポも、抱きしめられて目を見開くところも、体全部で慕っている様子にメロメロになりましたw 

『こんな優しい顔も出来るのか・・・。 あぁ温かい、このままずっと傍に・・・』
スリスリする仕草が可愛くて一瞬和みかた反動もあって、その直後の『・・・ひとりで、生きていきたいなぁ・・・』という呟きには、猫ちゃんと同じくらい私も動揺しました。
 

『・・・私はあやかしで、人の心はよく分からない。 ・・・けれど、ひとりは悲しいことだよ? それだけは分かるよ。 それだけは知ってるよ・・・』(木の上の妖怪) 
こんなに温かいのに、思わず頬をすり寄せてしまうほど一緒にいたいのに・・・心だけが冷え切っている夏目の様子がとにかく切なかった。 猫ちゃんが受けたショックを窺わせる見開いた瞳が印象的で、流れる涙が悲しくて、一緒に泣いてしまいました。 猫ちゃんだって、こんな悲しい台詞を聞くために夏目を探し回った訳じゃないと思うんです。 自分の言葉は届かなくても一目会えたら、「温かさ」だけでも伝えられたら・・・そう思って探したはずなのに、夏目から零れる言葉がこんなに悲しいものだったなんてショックだろうなぁ。 ・・・それでも、自分のことのように泣いてあげられるなんて、優しい妖だな。 夏目の笑顔を願ってくれるなんて、ホントいい妖だなぁ・・・!! そんな風に思っていたので、


『良かった! まだここに居てくれた』(夏目) 

って夏目が来てくれたときは本当に嬉しかったw いや、夏目は会いに来ると分かってたけど(笑)、分かってても嬉しかったんだから木の上の妖怪はもっと嬉しかっただろうなって。 それに「居てくれた」っていう台詞も夏目らしいです。 彼にしてみれば、ろくでもない過去の中にも「会いたい」と思える存在が居てくれたと本気で思っているから出てきた台詞なんだろうけど、でもやっぱり、夏目らしくて好きな台詞でした。 

 
『・・・あぁ、きっと優しい誰かに会えたんだね。 そんな顔が出来るほど・・・』(木の上の妖怪) 
見ない振りをしてるニャンコ先生が、何気にイイオトコすぎるぞw  この後、名前を聞き出そうとする夏目を見て、天然の女殺しならぬ天然の妖怪殺しだよなぁと改めて実感(笑)。 モテモテ(死語)な夏目を見るのは好きです。 温かいからw 


・『何度季節が廻ったのか知らない。 忘れたことはなかったのだ、ずっと、覚えていた・・・』(木の上の妖怪)
・『今なら分かる。 会いたい人がいれば、きっと、もうひとりじゃないこと』(夏目)
 
木の上の妖怪も、夏目も、きっともうずっと長いこと「ひとり」じゃなかった。 きっと最初から「ひとり」じゃなかったし、どれだけ「ひとり」を望んでも、会いたいと思ってくれる人がいる限り「ひとり」にはなれない。 自分にはろくな過去がないと思い込んでた夏目が、今の幸せを得たことで過去の悲しみも「懐かしいにおい」に塗り替えようとしていることが、とても嬉しかったです。 



夏目友人帳 Blu-ray Disc BOX
アニプレックス (2011-06-22)




Loading...
tags: アニメ
Secret


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

夏目友人帳 参 第4話「幼き日々に」

夏目友人帳 参の第4話を見ました 第4話 幼き日々に 中間テストも終わり、西村や北本、笹田と美術館に出かけることになった貴志は電車から眺めていた景色が、親戚中をたらいまわしにされていた頃、...

夏目友人帳 参 第四話「幼き日々に」

夏目友人帳 参 第四話「幼き日々に」です。 『夏目友人帳』も第三期になって、良く

夏目友人帳 参 第四話 「幼き日々に」

 このアホ、鼻毛! 無礼者、鼻毛!

夏目友人帳 参 第4話

「元気そうでよかった。あの頃は誰かに当たることしかできなかったけど、今ならあなたの優しさがわかる気がするんだ」 「きっと優しい誰かに会えたんだね、そんな顔が出来るほどに」 木の上の妖、小さい頃の夏目を知っていたからこそ夏目の変化がわかったんですね。

夏目友人帳 参 第4話「幼き日々に」

「今なら 貴女の優しさが分かる気がしたんだ」 会いたい人がいれば もう一人じゃ無い――  幼い頃出会った 妖との思い出…     【第4話 あらすじ】 中間テストも終わり、西村・北本・笹田と出かけるこ...

夏目友人帳 参#04

第4話 『幼き日々に』 しまった…1週早かったみたいだね、“落ち神”の感想w とはいえ、よもやここまでキッチリ『落ち神のメカニズム』をやるとは 思わなかったので…驚いていいやら、喜んでいいやらww 作者さんのコトは詳しく存じてないけど、よっぽど“妖怪に造...

【夏目友人帳 参】4話 ニャンコ先生、エスパー伊東かよw

夏目友人帳 参 #04 幼き日々に 79 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2011/07/26(火) 01:57:24.48 ID:HE/QrQUe0 毎回安定のホロリ、今回もほっこりさせてもらえますた ...

夏目友人帳 参 第四話「幼き日々に」

試験が終わり、夏目貴志は北本篤史や西村悟と何処かへ遊びに行こうという話で盛り上がっていると、笹田純が加わってきて父親から貰ったという美術館の鑑賞券を見せるも、篤史や悟はまったく乗り気にならない。そういや、この町の人たちは何をして遊んでいるんだろう。あま...

夏目友人帳 参 第04話 『幼き日々に』

今回は夏目の過去話。う~ん気が重いですね。早くに両親を失い、親戚中をたらい回し。そんな主人公の過去が楽しいものである筈がない。 案の定「ウソツキ」呼ばわりされて虐められています。流石に石をぶつけるのは酷すぎる。中東じゃこれで処刑することだってあるんだか?...

夏目友人帳参#4「幼き日々に」感想

ずっと気になっていた。お前の心が知りたくて・・・「幼き日々に」あらすじは公式からです。中間テストも終わり、西村・北本・笹田と出かけることになった。電車から眺めていた景色...

「夏目友人帳 参」第4話【幼き日々に】

今ならあなたの優しさが、わかる気がしたんだ。 原作 緑川ゆき/月刊 LaLa(白泉社)連載 監督 大森貴弘 シリーズ構成 村井さだゆき キャラクターデザイン ?田晃 妖怪デザイン 山田起生 美術 ...

夏目友人帳 参 第4話 感想「幼き日々に」

夏目友人帳ですが、夏目は子供の頃の妖との思い出に耽ります。子供の頃は親戚をたらい回しにされており、妖が見えるということで同級生ともうまくいきませんが、夏目は孤独な日々を送っています。 そんな夏目に木の上の妖がチョッカイ出しまくりますが、ある日一線を越え...

夏目友人帳 参 第4話

「そうだ、脅かしたらまた喋ってくれるかもしれない」 「あの頃は誰かに当たることしかできなかったけど、  今ならあなたの優しさがわかる気がするんだ」 第4話「幼き日々に」です。 「痛み」の記...

「夏目友人帳 参」第4話

もう、ひとりではない・・・ 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201107260001/ 夏目友人帳 参 2 【完全生産限定版】 [Blu-ray] posted with amazlet at 11.07.21 アニプレックス (2011-09-21) 売り上...

夏目友人帳 参 第4話 「幼き日々に」 感想

今回はニャンコ先生が空気でしたね。 ラーメンは食べれたのかな。 夏目にも懐かしいと思える妖がいたのは、よかったです。 中間テストも終わり、西村・北本・笹田と出かけることになった。 電車か...

夏目友人帳 参 第4話「幼き日々に」

幼い頃の心残りって、誰にでも一つはあるんじゃないでしょうか。 塔子さんの思い出話を聞いて夏目の一匹のアヤカシとの出会いを思い出す。 お互い幼き日々に残してきてしまった心残り。 塔子さんは同窓会に...

夏目友人帳 参 第四話「幼き日々に」の感想

 夏目達の学校では中間試験が終わったので、夏目は友達と一緒にちょっと遠くの美術館へ行くコトに。夏目が電車から窓の外の風景を見ていると、幼き日々に見た風景が広がっていた。まだ夏目が親戚中をたらい回しにされていた頃、一匹の妖怪と出会っていた。その妖怪は人を...

『夏目友人帳 参』#4「幼き日々に」

「あの子は今、笑っているだろうか?」 ただいまとおかえり。 中間テストが終わった開放感から、遠出することになった夏目たち。 行き先が美術館だと聞いてガッカリするニャンコ先生でしたが、 近くに美味しいラーメン屋があると聞いて、態度豹変☆ 留守番イヤ~!...

夏目友人帳 参 4話

会いたいと思える人がいることの幸せ。 というわけで、 「夏目友人帳 参」4話 あの木の下での巻。 一人になりたい。一人で生きていきたい。 そんな、少年の哀しい望み。 寂しいなぁ。つらいなぁ...

夏目友人帳 参 第4話「幼き日々に」

優しい誰かに会えたんだね――。 幼い日の夏目をいつもからかっていた木の上の妖。 誰にも見られない妖は 同じような孤独を夏目に感じたのかもしれませんね。 ▼ 夏目友人帳 参 第4話「幼き日々に」  塔子さんの家に来る前の夏目を見ると辛くなりますね…。 ...

夏目友人帳 参 第4話 「幼き日々に」 【感想】

「きっと…優しい誰かに会えたんだね」 ―― 一人になることへの儚い望み痛いのは嫌だ。だから思い出に触れるのはもう止めよう…。両親を亡くし、幼い頃から新しい土地や家庭を転々としてきた夏目にとって...

夏目友人帳 参 第四話「幼き日々に」

試験が終わり、夏目貴志は北本篤史や西村悟と何処かへ遊びに行こうという話で盛り上がっていると、笹田純が加わってきて父親から貰ったという美術館の鑑賞券を見せるも、篤史や悟はまったく乗り気にならない。...

夏目友人帳 参 第四話 感想

人間どもは何故、寄り添いたがっては争う 「夏目友人帳 参」第四話感想です。 夏目友人帳 音楽集 おとのけの捧げもの(2008/09/24)TVサントラ、夏目貴志(神谷浩史) 他商品詳細を見る

夏目友人帳 参 第04話感想

・夏目友人帳 参 第04話『幼き日々に』 「おかえりなさい」「ただいま」「元気そうでよかった」……何気ない一言を、擦れ違いと 触れ合いを細やかに描くことによってこの上なく胸の中にしみこませてくれた今回。 ここまで愛しさと切なさと心強さをいっ…

「幼き日々に」

少し羨ましかった。

◎夏目友人帳参第四話「幼き日々に」

ナツメが遊びに誘われる。そこに、ササダがやってくる。美術館のチケットをもってくる。オバサンは、同窓会の手紙がきてた。18号の声たまらんな。そして、昔プレゼント交換したこ...

☆Web拍手ボタン

押して頂くとりるがハリキリます(笑)

☆カテゴリ

☆サブカテゴリ (タグ)

 

☆最新コメント

☆リンク(おすすめサイト様)

☆アクセスカウンタ

QRコード

QRコード

RSSリンクの表示

アクセス解析

関連記事Loader

[猫カフェ]futaha

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

☆検索フォーム

☆購読予定一覧

☆アニメDVDの人気ランキング

☆更新日カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

05月 | 2023年06月 | 07月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -


☆オススメ