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高山ちあき 『橘屋本店閻魔帳 恋の記憶は盗まれて!』 の感想

恋の記憶は盗まれて
『橘屋本店閻魔帳 恋の記憶は盗まれて!』

高山ちあき
(イラスト:くまの柚子)

集英社コバルト文庫
2011年7月10日 第1刷発行/¥514+税





「はなして!」
美咲は全力で抗った。
弘人はぞくりと身を震わせた。 美咲から、清らかで神気に満ちた、もっと嬲られたくなるような妖気があふれ出る。
惹かれるわけだ。 いま美咲がまとっているのは、自分とおなじ神獣の妖気だ。
同時に、純白のつややかな毛並みの妖孤の姿が脳裏にまたたく。
これがこの女の秘めている正体なのだ。 いずれ天孤を産み落とす、高潔な血を宿した特殊な体。 本能に訴えてくる幻惑に、目がくらみそうになる。



<感想>
去年 『橘屋本店閻魔帳』 でコバルトノベル大賞読者賞を受賞して文庫デビューした高山ちあきさんの、同シリーズ第5弾です。 表紙の雰囲気がとても好みで、書店で見かけるたびに気になってたんですけど、ほら、積読本が溜まってるので(笑)後回しにしてたんですよね。 でも、たまたま中古本屋さんで1冊目を入手出来たので、そのまま全部集めちゃいました。 読んでみたところ、良いところと悪いところが顕著な作品だなぁというのが率直な感想なんですけど、それを補って余りある素晴らしい表紙イラストに満足してますw 並べて見入ってご満悦、みたいなことを3日ほど繰り返してました(笑)。 幸せでしたw


全国に100の店舗を展開する和風コンビニチェーン 『橘屋』。 一見普通のコンビニだけど、夜になると暖簾の色が変わる店舗が13店ある。 実はそれは妖怪が経営するお店で、現し世 (人間界) で起きる妖怪絡みの事件を解決する裏家業を秘めているのだ。 美咲は、そんな橘屋 「酉ノ分店」 の跡取り候補・・・なんだけど、妖怪の血が半分しか流れていないため、隠り世 (妖怪界) にはイマイチ馴染めない。 そんな彼女の前に現れたのは、さらりとした美貌が際立つ青年・弘人。 橘屋本店の次男で実態は 鵺 (ぬえ) だという弘人は、美咲にとっては雲の上のような存在。 その弘人が、何と美咲の花婿候補で――!? ・・・というところから始まるお話です。 


この基本設定に、美咲は弘人の母・高子に結婚を反対されている、とか、半妖は確実に子孫を残すために自分自身もしくは次代の子に強い妖力を秘めた子が生まれやすく、美咲の身も狙われやすい、とかがプラスされます。 そんな土台の上で、美咲と弘人 (と橘屋の愉快な仲間たち・笑) が妖怪の起こすトラブルに巻き込まれたり解決したりしながら、お互いの気持ちを深めていく物語です。 前巻までに二人は隠り世で祝言を挙げたので、一応夫婦のような間柄へ昇格。 現し世では独身のままとはいえ、これでいろいろ落ち着くかな?と思ったところに、美咲の記憶が何者かに盗まれてしまい・・・というところから5巻が始まるんですね。 しかも記憶が盗まれたのが結婚初夜!(笑) 弘人の怒りと戸惑いが大きくて、でもそんなところが不憫好きの私にはツボでした (←鬼ですか!・笑)。 


記憶喪失というのはありがちな設定だけど、自分だけを忘れられた弘人の苦悩っぷりにはやっぱり胸がきゅーと切なくなります。  「ありがち」 になるには理由があって、やっぱりその設定が魅力だからだと思うんですよ。 相手と改めて向き合う新鮮さとか、気付いてなかった感情を思い知らされたりするのって、とても良いことじゃないですか。 私は結構そういうお約束展開は大好きなので歓迎するけど、 「またか」 と思う人にはつまらないのかもしれません。 記憶のない美咲にとって何が幸せなのか?と弘人が自問するのをニヤニヤしながら見るのが好きでした(笑)。  それに、記憶が戻るシーンで美咲ちゃんが涙を流す・・・っていうのには、もう本当にヤられました! なるほど、凍っていたもの (=記憶) が溶け出すという意味でもあるし、戻ってきた感情に無意識に打ち震えているようでもある。 すごく綺麗だったな。 何気に表紙イラストでも美咲ちゃん涙を流してるんで、その辺の作り手側の細かい気遣いも含めて好きなシーンでした。


好きといえば今回はやっぱり、暗示をかけられて弘人を敵認定している美咲と、彼女を正気に戻させようとする弘人のシーンが・・・もう本っ当に色っぽくて良かった! 美咲ちゃんが無意識に放つ闘争本能に弘人が中てられちゃってるから、本能VS本能みたいなやり取りがどこか獣的で官能感があります。  『美咲に人間の血が混ざっているせいだ。 食欲と、雄としての本能を同時に駆りたてる、この脆さと背中あわせの危険な彼女の精気が理性を惑わすのだ』 という文章が好きで好きで。 食べちゃいたいくらい好きというのはよく比喩として使われるけど、ここで弘人が感じていたものは文字通りの意味なんだよなーって思うと、何ていうか、どこまで美咲ちゃんに惚れてんだ弘人!とツッコミたくなります(笑)。 「おれはどうかしている」 と自覚するほど彼女を求める弘人と、それを最終的に受け入れる美咲の恍惚さに、こちらまで酩酊させられましたw


そんな風にいろいろ楽しい部分も多いんだけど、 「う~ん・・・」 となってしまう部分が多いのも事実だったりします。 シリーズ序盤の頃は、弘人がなぜそこまで美咲に惹かれるのかがなかなか伝わってこなかった。 これって恋愛モノとしては結構致命的です。 4巻目では、それまでカッコイイ悪役(?)一辺倒だった高子様の転身にビックリ。 え、そうなっちゃうの・・・?とちょっとショックでした。 今回も、ラストで美咲ちゃんが弘人の気持ちを疑うところで 「えぇっ!?」 と。 そこ解決したんじゃなかったの? そこ信じてあげようよ、って思っちゃう。 恋愛についての気持ちや事件の種明かしみたいなものがあっさりしすぎてて、イマイチ盛り上がらないというか、痒いところに手が届かないというか。 その辺クリアできればもっと楽しくなると思います


ちなみに、いちばん好きなのは雁木小僧だったりw 性格や見た目も好きだけど、何ていうか、立場的にオイシイじゃないですか。 彼の目線で美咲と弘人の恋路を見守るのがきっとベストポジション! 何て羨ましい! (えー・笑)  それに前述したけれど、毎回美麗な表紙イラストも大好きです。 今回の銀夜蝶もすごく綺麗だし、ギリギリ届いた感じの指先とか、本編読んでるとドキドキが増すんですよw  そんな訳で、本編的には良い面悪い面のはっきりした本シリーズですが、くまの柚子さんが描かれるカラー表紙のおかげでプラスマイナスゼロどころか大幅なプラス収支になってます。 少女小説っていうのは本編とイラストのリンク力がすごく大事だな、と改めて思わされました。 次巻も読むぞー!
(1~4巻目までは『読書メーター』で感想メモを書きましたので見てみてくださいなw)



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