水谷フーカ 『14歳の恋・1』 の感想

14歳の恋

『14歳の恋・1』

水谷フーカ

白泉社
2011年7月5日 初版発行/¥714+税





『 私たちいつの間にか 大人っぽい振りが本当になってたんだ
子供っぽい顔の方が 「振り」になってたんだよ 』


<感想>
作者並びに関係者の方には大変申し訳ないんですけれども、中古本屋さんで激安価格だったので買ってみました(コラ・笑)。 いやだって、 「6月30日に発売したばかりの新刊なのにこのお値段でイイの!?」 ・・・ってくらいだったんです。 たぶん値段付け間違えたんだと思うんですけど、でもこれってきっと神様からのプレゼントに違いない!と信じ込んで買ってきました(笑)。 だって一度ちゃんと読んでみたかったんです、フーカさんの作品。 見つけたときは、すっごく嬉しかったw


お話としてはタイトルそのまま、14歳である田中彼方と吉川和樹との恋物語です。 中学生の頃って、クラスには勉強が出来る秀才タイプ、スポーツ万能な人気者、トークが楽しいムードメーカー、天然ドジな和み系・・・などなどいろんな人がいたけれど、彼方と和樹は、背が高く落ち着いた雰囲気を醸しだすため 「大人っぽいよね」 と憧れられる存在。 本人達もその「レッテル」に応えようと大人っぽく振舞っているものの、本当の 「顔」 は別にあって・・・というもの。 


第1話が本当に秀逸なお話でした。 二人とも、陰では14歳らしくはしゃいだりする性格だけど、それは二人だけの秘密。 ホントは子供っぽいのが自分達らしいって思っていたけれど、とある些細な出来事から、その 「子供っぽさ」 こそが二人でいるための口実だったことに気付く・・・という流れが、実に見事。 いつも一緒にいたはずなのに、知らない表情、知らない仕草、そして気付いてしまう互いの 「成長」 ・・・っていうものを、豊かな表情で描き分けてあってすごく良かった。 そういう成長を認めたくないって部分も含めて思春期なんだと思うんです。 気付いちゃったら今までどおりではいられないから蓋をしてきたけれど、気付いたからには、やっぱり今までどおりではいられない。 じゃぁどうするか――と戸惑い、二人が選択した 「オチ」 に、めっちゃときめきました。 これは巧い。 作者が巧い。 


話運びはどちらかといえば淡々としています。 自分たちが大人っぽくなっていることは認めたものの、まだまだ成長過程な二人。 周囲に根付いてしまったイメージは健在で、そのギャップに戸惑ったり、逆に見栄を張っちゃったり。 思春期らしく相手の異性の部分にときめいたり、意識しすぎて失敗したり。 いろんな悩みはあるものの、それを誇張的に描くことはせずに 「あるある!」 ってレベルに留めてあって、最後は微笑ましく終わる・・・っていうバランスが上品です。 ラブコメ脳患者としてはその辺はもっとこってりやってくれて構わないんですけど(笑)、このお話はそれで良い気がします。 あっさり描いてくれることで、逆に、二人の 「幸せ」 って結局はそういう悩みの先の微笑ましさにあるんだよ、って伝わってくるので。 何ていうか、この二人にはこのままドロドロすることなく結婚までいっちゃって欲しいな。 そんな風な二人でいて欲しいですw 


個人的には、第4話が好きです。 みんなの前でスマートに 「他薦」 とか出来ちゃう和樹はやっぱり 「大人っぽい」 感じ。 あれは確実に惚れます!(断言・笑) ・・・かと思うと、真正面から彼方を見たら絶対照れる、とか思ってる内面が可愛くて、何このギャップ!!と萌えました(笑)。 デッサンを嫌がる彼方に忠告したくせに、その忠告が自らに跳ね返ってきちゃって悶える姿は、まさに思春期そのものですよねーw  二人は確かに 「大人っぽい」 けれど、当然まだ 「大人」 ではなくて。 でも 「子供」 でもないからこそ疼く気持ちが、甘酸っぱくて仕方ないです。 作品全体的な印象としては、正直、私の 「好き」 のツボにはあと一歩届かない感じでしたが、この微笑ましさを楽しめて、作者の巧さを堪能できればもう充分! 楽しかっったですw

以下、各話語り。





●第1話
本文で語り済み。

●intermission 1
あのタオル、おばけタオルって言うんですね… (←そこか・笑)。 思春期のお話だからタオルを外さないのかな?って思ってたら、あのオチ。 大人っぽい優等生としては確かに気になるんだろうけど、バッと胸元見せられちゃうあたりはまだ子供っぽくて。 和樹が顔を赤くしたのは胸元だけではなく、彼方のそんな無防備な可愛らしさにときめいたんだと思ってます

●intermission 2
「行程も楽しもうぜ、なっ (笑顔!)」 に絆されちゃう彼方が可愛いw 女の子は水着着たいものですけど、男の子目線はやっぱり違うのかな。 大人子供っていう以上に、性差ゆえの思考の違いって実は大きいですよね。


●第2話
それにしても、私は自分が分かりやすい (顔に出やすい) 人間なので、彼方と和樹の鉄壁な外面ってすごく尊敬する! 隣の席になれた喜び、でも身長っていうどうにもならない理由で離されちゃった悲しさ、そういうのを一端 「我慢」 出来るからあの鉄壁さに繋がる訳で、すごい子たちだなって思う。 すぐにゴメンねを言える素直は変わらないで欲しいですw

●第3話
子供っぽい柄は嫌だと思う程度には大人なのに、大人から見れば全然子供だって言われちゃうのが14歳くらい。 浴衣の柄っていうただ一つのことでそういうのを表現するのって巧いなー。 ちなみに私はトンボの柄の浴衣を着てました (どうでもいい情報)。

●intermission 3 + intermission 4
見栄っ張り和樹くん・・・w そんな彼の見栄も、彼方のうなじの前では形無し。 あっさり崩壊してものすっごい行動に出ちゃう和樹が勇者だと思いました(笑)。 彼方も 「色っぽい」 の威力を分からず言ってるあたりが、まだ 「大人っぽい」 止まりだなーって微笑ましい。 そう、色っぽいんだから気をつけないとw 個人的にはあぁいうカッチリした髪型より、ルーズなみつあみとかの方が無防備っぽくて好きです (←何気にオヤジ発言!)。


●第4話
モデル立ちしてる彼方の右足首が膨らんでる・・・あの靴下の下にはアンクレットがあるのかな? ってことは第4話って時系列的には5話より後ってこと?  そうであれば、和樹の悶絶さもひとしおだよなーと、2週間耐えるしかなくなった和樹がちょっと不憫になりました(笑)。 でも彼方のために他薦した結果だからw 頑張ってw

●第5話
充分 「二人だけの秘密」 を共有しているのに、まだ確かなものが欲しい・・・っていうのは素敵な貪欲さで、とても良い。 ただ、秘密が増えれば増えるほど周囲には気を配らなきゃいけないわけで・・・という感じでintermissionへ続くのが巧い。 

●intermission 5
S属性な長井くん登場。 でも中途半端なSは、さらなるドSの登場の幕開けに過ぎなかったのでした・・・w (←何そのナレーション・・・笑)。 彼方を守ろうとする和樹は、やっぱり彼女のヒーローなんだなぁと改めて思いました。 可愛い!


●14歳の……恋?
その長井くんの恋未満話。 Sでツンな少年が年上音楽教師と絡むとか、そのシチュエーション美味しすぎる!!って感じです(笑)。 ツボ度でいえば、このお話がいちばんツボでしたw  長井くんにとって教師とは、大嫌いな 「大人」 であり 「教師」 という漠然とした生き物だった (だから顔形がぼんやり描かれている)。 でも日野原先生と追いかけっこをするうちに 「熱血教師」 「こんな奴だったのか」 とだんだん輪郭が見えるようになっていく。 そして顔がはっきり描かれるようになる・・・という構成が巧くて、読ませる力がある。 最終的には、嫌いなはずの大人に自分は負ける存在なんだと思い知らされるのも好き。 一度打ちのめされて、そこから這い上がって、もっとイイオトコになってくださいw

●intermission 6
長井くんと和樹の距離が近付く話で短いながらも結構好きです。 どちらも惚れた弱みが分かるという意味ではよき仲間になれるんじゃないかな? まぁ、認めないだろうけどw そしてそんな強がりも素敵です。

●まだ、13歳の春
第1話より少し前のお話。 同じクラスになれて嬉しいっていうのをあんなに分かりやすく表現されちゃうと愛しくて堪りませんw この似た者カップルめ!(笑) 私は背が小さいから制服に着られちゃう感じだったので、似合う人がちょっと羨ましい。 桜舞散るなかでお互いに気付くとかドラマチックで素敵でしたー。





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