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『黒LaLa (LaLa10月号増刊)』 の感想

黒LaLa創刊号

『黒LaLa (LaLa10月号増刊)』

白泉社

2011年9月9日/\619+税





<感想>
「闇、恐怖、彷徨い堕ちた先にみつけた答え。 それは、初めての黒いLaLa」・・・そんなキャッチコピーで創刊されたのがこの『黒LaLa』。 そして同時に、「(トキメキをお届けするのはLaLaも)黒LaLaも同じです」とも書いてありました。 何はともあれ、新増刊おめでとうございますw

確かに、『LaLa』に掲載される作品・・・っていうか白泉社から刊行される少女マンガは、基本的に「ときめき」というものに対して真っ向勝負なんですよね。 それが安心して読めるいちばんの要員だと思うし、私が白泉社作品を愛するもっとも大きな理由なんだけど、でも、「もっと違う一面を見たい!」という想いがないわけでもない。 そして、編集さん側や作家さん側にも、なくはない衝動だったんだろうなぁ。 何ていうか、好きな人の新たな一面を知りたい!っていう想いと似てるのかな? ・・・知った上で恋が続くのか、逆に引いてしまうのか・・・というのは、賭けるべき部分かもしれないけど。

そんな訳で、私もその「賭け」で買っちゃいましたよ『黒LaLa』。 私は元々が「いやー私は『黒LaLa』とは相性悪いだろうな」と思って買ったわけですが(怖いの苦手なんですごめんなさい!)、そして案の定その通りだったわけですが(ホントごめんなさいっ!)、新たな一面を知れたのは純粋に楽しかったですw

以下感想。 全作品ではないのでご了承くださいー。





●藤原ヒロ『境界の死神』 
藤原ヒロさん渾身の72ページ。 最近はあまり長編読みきりを描かせる傾向にないLaLaですが、昔のDXなんかだと巻頭100ページとか普通にありましたよね?(←誰かあったと言ってください・笑) 森生さんとか120ページくらい描いてらっしゃった記憶があります。 いずれにしろ、長編お疲れ様でしたw

学校の怪談として代表的な、合わせ鏡をモチーフにしたお話でした。 個人的にこの合わせ鏡というものが怖くて仕方ないので、正直あまり読めてないという・・・(駄目じゃん・笑)。 でも、鏡に引き込まれる→殺される、などの話のテンポがすごく良かったです。 こう、畳み掛ける感じで次々にいろんなことが起こるので、飽きさせないのが上手。 その分ちょっと唐突かな?という部分もあったけど、全体の流れと勢いが楽しかったです。

ラストは・・・正直私の中で答えがないんですが。 割れたはずの鏡が自己修復したってことなのか、そもそも「割れた鏡から抜け出せた」という千鶴たちの思考が「何でも願いが叶う鏡の中の世界」の中の出来事に過ぎない(=実は抜け出せてない)のか、どっちなんだろう。 前者だと怪談話っぽくて、後者だと怪奇幻想文学っぽいので、今回のテイスト的には前者かなーとは思うんだけど、いずれにしろ結論は一つ。 だから合わせ鏡ネタは怖いんだって!(笑)


●マツモトトモ『黒鍵』 
これは巧い。 『(101号室の)クロエ』で久々のLaLa本誌掲載だったマツモトトモさんだけど、あちらの作品よりこの『黒鍵』の方が持ち味生きてる気がします。 短いお話の中で繰り広げられるのは、敵対心だったり尊敬だったり・・・恋心だったり。 それを、周囲から隔絶された練習室で展開しておきながら、最終的にはそんな狭いところにおさまりきらないほどの熱情を表現するとか、すごい巧い!としか言えない。  西戸崎がどれだけ頑なであろうとしても、守屋の言動と伝わってくる「音」にいちいち揺さぶられてるわけで・・・「集中力なめんな」とか言った割りにあっさり動揺する西戸崎が、守屋は可愛くて仕方ないんでしょうね(笑)。 良かったです! 


●田中メカ『皿の上の彼女』 
「黒」というコンセプトがいちばん似合わないのはメカさんだよなーって思ってたので、「黒」をどう調理してくれるのかが逆に楽しみでした。 結果としては、怪談的な怖さという意味での「黒」さは薄く、初めて人に執着したときに生まれる独占欲や慕情がもたらす負の感情、という意味で描かれていて、「うわぁやっぱりメカさんだw」と嬉しくなりました。 メカさんにはこうでいて欲しいです…w 

子供を平気で生贄にできる人間の神経とか、ツバメ一人のために村を静められちゃう龍神の行動とかは、どう考えても黒いです。 でもそれって昔話があたりまえに持っている残酷さと同じであり、この作品の主眼とは違う。 人間の絶望が最高潮に達した時に食べることがいちばんの美味であるはずだけど、たぶんツバメはいつまで経ってもミズチに食べられることを絶望だと感じることはない。 そして好みとは違うはずのツバメに感じてしまった甘い興奮ゆえに、いつか食べずにはいられないであろうという意味で、絶望を感じるのはミズチの方になるんだよね。 彼女が一歩ずつ近付くたびに彼は、再会して穏やかな時間を過ごせる悦びと、唯一の人を食べてみたいという欲望の狭間で、慄き続けるんだろうなぁ・・・! うわぁ、こういうのすっごく好き! 個人的には雑誌中でいちばん好きな作品でした。 


●斎藤けん『月のカノン』 
ある意味「黒」がいちばん上手なのは斎藤けんさんだよなーって思ってたので、それはそれで楽しみでした。 たぶん幅広い「黒」を操れると思うんですけど、今回のテーマは「嘘」。 ということで、いやもう切ない…(泣)。 というか、4ページめの「萎びて枯れていく」の言葉の選択が斎藤さんらしくて、その容赦のない感じにやっぱり好きだなって思いました。 

何となくだけど、はるかちゃんは市井の気持ちが恋情ではないことは分かってたんだろうなぁと思います。 市井と一緒にいるためなら何でもすると言ったことを考えると、はるかは彼と一緒にいるために「嘘」に気付かないふりをしてただけなんだろうなぁ。 一見天然っぽいけど、かなたの嘘にも騙されてくれなかったし、何より最期の最期で「嘘」を吐いたのもはるかな訳だし。 でもその「嘘」には、一緒にいることより優先させなければならない最大の愛情が込められてた訳で・・・。 現実は時に誰に対しても容赦なくて、打ちのめされて泣き喚いて、還らない者をただ悼むなんてことをさせてくれない。 その重さを演出したのも、はるかなんだろうなぁ・・・。


●萩尾彬『Fの迷宮』 
萩尾さんは今までもこういう系統の作品を描かれたことがあるので、安心の安定感でした。 いわゆるサイコメトラー的な設定は、以前の『君の万能な左手』を髣髴とさせるけど(あのシリーズ続いて欲しかったんだけどなー)、私は萩尾さんの絵柄が大好きなので読めるだけで幸せなんで細かいことは別に良いのです。 そう、名前がレミちゃんとソラくんで音階みたいで可愛いとか、そんなことはどうでも良いのですよ、ツッコミたくなるけど(笑)。 

触れると他人の思考や記憶が分かってしまう・・・という設定はマンガではありがちだけど、それゆえに読むたびに切なくなります。 自分が触れることで相手を追い詰めてしまうんじゃないか・・・そんなジレンマと向き合わなければならないのが、悲しいじゃないですか。 でもそれは、ただ想うだけでも追い詰めてしまうんじゃないか・・・というレミちゃんも同じで。 結局は特別な力があってもなくても悩む訳で、それならば相手を信じて踏み出せるかどうかにかかってるんだろうなって。 そう思わせてもらえたので、すごく良かったですw


●恩多志弦『宿借り本舗』 
事故物件ってそうなんだ!ということを学べたお話です。 黒い不動産屋さんもいるんですねぇ。 美夜ちゃんがめっちゃ美人さんで、諦め切れないよっしーの気持ちもよく分かりました。 完全に悪霊化が解けていない状態でも、謝るよっしーの頬をつねる美夜ちゃんを見て、彼女の思いの深さも伝わってきたし。 切ないけど前向きで、LaLaらしいお話だったと思います。


●羽野ちせ『ココロレンタル』 
羽野さん2年半ぶりくらい…? 可愛い絵柄にホラーな内容がミスマッチで、余計に怖いっていう・・・(泣)。 黒いとはいえLaLaだけに、ラストは救いのあるお話が多い中で、この作品は最後まで救われないところが異色。 親しみやすい人気者の颯太さえもが負の部分を持っていて、そんな彼の表の部分に凛子が惚れて・・・破滅していく。 凛子のエゴよりも、その連鎖が怖かったです


●山田サルエル『レッドハウス』 
ブラックなネタが好きだと仰るだけあって、全体のバランスとか謎めく展開とかが上手でした。 私は日々図々しく生きているからか、自殺をしたいと考えたことは一度もなくて、そんな話を周囲にすると「平和に生きてきたんだねー」と呆れられるんですけど、裏を返せばそれくらい死を望んだことがある人が多いってことなのかな?とも思います。 こういうお話は、案外他人事じゃないのかもしれない。 そしてそのことが、いちばん怖いような気がしました。


●池ジュン子『砂漠の鎮魂歌』 
あまりにも死に対して純粋なサン、誰よりも生に拘ったツキ。 葬歌手というファンタジー仕立てになってるけど描かれてるのは二人の対比そのもの。 決して怖いわけじゃないのに、サンが純粋すぎるがゆえに笑顔で語る過去や死生観に、ゾクゾクする何かを感じました。 中でも「これで本当に天使様だね…」は・・・辛い過ぎる・・・辛いと思えないサンが辛い。 ツキの最期を知りつつも葬歌手を継いだサンは、たぶん将来ツキと同じように死ぬんでしょう。 みずから選ばない死を求めて、誰かのところに訪れるのかもしれません・・・。 好きなお話でした。


●十音颯『現影リアリズム』 
人の歪みを「影」に見てしまうヒロインと、影の世界の住人・世戯のお話。 たしかに、こんな能力があったら厭世的になっちゃうよね・・・という鬱屈した部分と、それでも人のためではなく自分のために頑張ろうとするプラスの部分を持つヒロインを、無理なく描いてあって、すごくLaLaらしいホラーじゃないかと。 思わず自分の影を確認したくなりました。


●予告『白LaLa』 
11月10日発売予定の『白LaLa』は、光や希望といったところに焦点をあてて作られるようです。 そうなると普段のLaLaと近い感じなのかな?と思えなくもないけど、何だかんだでやっぱり気になる(笑)。 今のところ、あきづき空太、弓きいろ、マツモトトモ、筑波さくら(久しぶりだ!)、草川為、辻田りり子、各先生方が予定されてるみたいなので、楽しみに待とうと思います。





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tags: LaLa

NKさんへ

>NKさん

コメントありがとうございますw

>いや~おどろおどろしい表紙ですね~。

そうですね、いっそ分かりやすいくらいコンセプトのしっかりした表紙だと思います。 私絶対、『LaLa』じゃなかったら読んでないです(笑)。

>LALA、私は読んだことはないのですが、

私は毎号買って読んでるんですよ。 普段はもっと明るいテイストの雑誌なんですが、今回はダークでした。

>「賭け」で買っちゃったんですか?そのお気持ちわかります~。いわゆる怖いもの見たさですよね。

もともと好みがはっきりしてる人間なので、ダークな作風は合わないのは分かってたんですけど、日頃可愛いお話を描いてる作家さんがどんな風にそのダークさを表現するのかなーって思ったら、やっぱり気になっちゃいました。 賭けには勝ちましたが、あまり続かないで欲しいです(笑)。

>おそらく、黒は闇、赤は血を連想させる色だからでしょうかね。

そうかもしれませんね。 彩度的には遠い位置にある色彩だと思うんですけど、何故か似た感じが漂うから不思議です。

にくさんへ

>にくさん

こんばんは! 
こちらこそ、お早いコメントありがとうございますw
嬉しくなっちゃいましたよー。

>む、早いですねえ。実は、すごい楽しみにしてた?

・・・というか、「今書かないとまた書けない気がする!」という感じで書きました。 その後バタバタしちゃったので、珍しく正しい判断が出来た気がしますw

>各作家の「黒」のイメージの差が浮き出て、まずそこが面白かった。

仰るとおりです。 作品そのものより、イメージの差を読むのが面白かったですね。 たまにはこういう企画モノも良いなーって思いました。

>一番、黒くないだろうな、と思った田中メカがある意味一番黒く感じられてしまいました。

これね、ホントその通りだと思います。 
今回、『黒LaLa』のコンセプトイラストとして藤原ヒロさんの死神のイラストが使われてましたけど、あれっていわゆる「分かりやすい黒さ」だと思うんですよね。 イメージしやすい黒さ、と言うか。 全体的に見てもそういう作風が多かった中で、メカさんの作品はちょっと異色でした。

>最後の笑ったシーンはすっごい深い闇を覗き込んだ気がしてゾクッときました。

そうなんですよねー。 ツバメの中にあるのは間違いなくミズチへの親愛の情だと思うんですけど、その発露の仕方が歪み過ぎてる。 でも、その歪みが彼女をどんどん美しく、そして「美味しく」していくんだろうなぁ・・・。 

>読み返すまで判らなかったけど、ミズチが首筋だけ食べたのって、「傷口」だけを食べて血を止めるためだったんですね。

私もそこ、2度読んで分かりました。 点描ない方が分かりやすかったような気がしませんか? そこだけ勿体なかったかなー。

>しかしそれが死に至らしめる食らい尽くすことへの呼び水になるなんてあたり、本当に皮肉で救いようが無い。

仰るとおり。 たぶんミズチはツバメを食べずにはいられないと思うんですよね。 で、それはツバメの願いでもある。 互いにとって食べる食べられるというのが至上のものになると同時に、ツバメは命を失うし、ミズチも至上のものを失うわけですよ。 そうなった時にミズチに残るのは何なのか・・・・・・うわぁ黒い! でも同時に、とてつもないロマンスでもある気がしますよ。

No title

いや~おどろおどろしい表紙ですね~。赤と黒の組み合わせというだけでも不気味なのに・・・。
LALA、私は読んだことはないのですが、ジャンプやりぼん、コロコロみたくいろんな漫画を連載している雑誌だそうですね。で、今回は怖い話っていうか、ダークなストーリーを集めたって感じですね。
「白」もあるんですか・・・。「白LALA」が光と希望だとしたら、今回の「黒LALA」は闇と絶望に焦点をあてているんですかね。

「賭け」で買っちゃったんですか?そのお気持ちわかります~。いわゆる怖いもの見たさですよね。
私も怖い話を思わず見たくなってしまうこともあります。

ところで、今申し上げた赤と黒の組み合わせがどうして不気味なのか、自分なりにちょっと考察してみました。おそらく、黒は闇、赤は血を連想させる色だからでしょうかね。

No title

む、早いですねえ。実は、すごい楽しみにしてた?

俺も読みました。一冊通して読むと、一つ一つの作品が、と言う前に各作家の「黒」のイメージの差が浮き出て、まずそこが面白かった。

一番、黒くないだろうな、と思った田中メカがある意味一番黒く感じられてしまいました。
黒いシチュエーションでも、普通にLALAの主人公が持つような前向きな価値観で難局に立ち向かう作品が多い中、ツバメだけは心が異質。
最初、「食べられたい」は純粋な素直さから来るものだと思ったのですが、最後の笑ったシーンはすっごい深い闇を覗き込んだ気がしてゾクッときました。
ああいう異質な闇、深淵を描けるってすげーなあ、失礼だけど、「この人、こんなにうまかったんだ…」って感じで。

読み返すまで判らなかったけど、ミズチが首筋だけ食べたのって、「傷口」だけを食べて血を止めるためだったんですね。
命を助けるために食べて、しかしそれが死に至らしめる食らい尽くすことへの呼び水になるなんてあたり、本当に皮肉で救いようが無い。
黒いなあ。
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