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宮野美嘉 『幽霊伯爵の花嫁 -首切り魔と乙女の輪舞曲-』 の感想

幽霊伯爵の花嫁2
『幽霊伯爵の花嫁 -首切り魔と乙女の輪舞曲-』

宮野美嘉
(イラスト:増田メグミ)

小学館ルルル文庫
2011年10月31日 初版第1刷発行/¥533+税





「ジェイク様は素敵な方でいらっしゃいますものね? サアラお嬢様がお慕いする気持ちはよく分かります」
「まあ……どうしてそんな嘘をおっしゃるの?」
サアラが不可解そうに尋ねると、マリエッタは笑みを引っ込めた。
「あなたは、ジェイク様を素敵な方だなんて思ってはいませんでしょう? それはいったい、何のための嘘なんですの?」
大きな緑玉色の瞳で見つめると、マリエッタは立ち止まってサアラに体を向けた。
「どうして、そんな風に思われるのでしょう? 私は嘘などついておりません」
困ったような顔のマリエッタに、サアラはきっぱりと言った。
「だって、ジェイク様の良さが分かる女は、この世に一人だけで、それはあなたではなく、この私ですのよ」
きっぱりと言ってのけると、マリエッタは唖然としたようにしばし動きを止めて、ようやく微笑んだ。



<ご紹介>
第5回小学館ライトノベル大賞ルルル賞と読者賞のW受賞した 『幽霊伯爵の花嫁』、待望のシリーズ第2弾です。
絶世の美少女を自覚している風変わりな少女・サアラが、幽霊伯爵・ジェイクの元に嫁いでから、早3ヶ月。 鉄壁の無表情に隠されたジェイクの優しさに恋をしたサアラは、墓守として夜な夜な幽霊たちの相手をする生活をも満喫していた――10日前までは。 今のサアラは退屈で退屈で、機嫌も悪くなるばかり。 なぜならジェイクが、30年前の幽霊が関わっているとおぼしき連続首切り魔事件の調査のために、サアラに黙って(!)旅立ってしまったからだ。 そんな時、墓でよく会う幽霊・ミミが、首切り魔を知っていると言い出した。 そう、ミミこそ、30年前の連続首切り魔事件の最後の被害者だったのだ。 事件の欠片を掴んだサアラは、ミミを連れてジェイクを追うことに。 長い時を経て再発した事件の真相、そして、サアラとジェイクの遅咲きの恋の行方は――!?


<感想>
前作 (⇒感想) がデビュー作とは思えない完成度だったので、密かに続編が出ることを熱望してたんです。 だからサアラとジェイクに再会できて、すっごく嬉しい!  正直、受賞作だから続編は難しいかな…?と危惧してたんですけど、熱望したのは私だけではなかったみたいですねw そりゃそーだ、面白かったもん。 

そして今回も、表紙絵からして大満足! 増田さんのブログ曰く 「自分の好きな色ばかりで塗ってしまった」 そうですが、うん、私も好きな色合いw  幽霊屋敷らしく、棺、なのかな? そんな中でもサアラはやっぱり強気に美人だし、ジェイクはうっかり色っぽいし (これ無自覚ですからねー)、何より、しっかり握り合った手が素敵。 サアラの右手を覆ってるのは、傷跡があるはずのジェイクの左手ですよw 本文中にも彼のの左手を食むサアラのイラストがあるんだけど、この構図がめっちゃ可愛くって、とにかく 「二人」 らしいんです。 宮野さんがしっかりした文章でズレまくる二人を表現してくれるのがこの作品の最大の魅力だと思ってるんですが、増田さんのイラストはそこに可愛さをプラスしてくれてる感じ。 文章とイラストが補完しあって完成している、そんなシリーズだと思います。


さて物語。 どう展開するのかな?と思ってわくわくしてたんですが、お家騒動的な展開だった前作と一味違い、幽霊が関わる首切り魔事件を解決する、というものでした。 こちらもかなり私好み! 元々ミステリが大好きなのだけど、トリックなどよりも 「いかに事件を魅力的な謎に仕立てあげるか?」 というところに惹かれるので、30年前とそっくりな連続首切り魔事件が発生!とか、何故犯人は首を切るのか?とかの魅力的なキーワードに、すっごくわくわくしました。 何より、事件を彩るのが幽霊たちの思惑だというのが素敵です。 良いですよねぇおどろおどろしくてw  思わずうっとりです (え?←笑)。
 

事件のことはジェイクがちゃんと捜査してるし、サアラが首を突っ込んでいくので、真相について一緒に考えるのも可能なつくりになってました。 その辺も好感度高いです。 こういうのは伏線の使い方を上手にしないと出来ないんですよね。 事件関連でいちばん気に入ってるのは、サアラがレニーに攫われたあとに挿入される、アシェリーゼ様の視点。 私はサアラとアシェリーゼ様の間にほんの微かに存在する友情めいたものが気に入ってるので (微かすぎるけど・笑)、何故アシェリーゼがみすみすレニーを見逃してしまったのかが気になってたんですが、再読するとその辺のこともよく分かるように出来てます。 何故サアラを助けられなかったのか、何故ミミの台詞にぞっとしたのか・・・なるほどそーなるね、と納得の構成で、ミステリ色はあくまでも色づけくらいだろうなと予想してた私を綺麗に裏切ってくれたナイスな場面でしたw 


そもそも霊になってまで現世に残るくらいだから、ミミもレニーも意志の力は強いんだよね。 ミミは恐怖と絶望ゆえに。 そしてレニーは、愛情と無力さゆえに。 そんな彼らの感情と意思が、本来シンプルな事件を謎めかせてしまう。 30年の時を超えて、人間を翻弄してしまう。 ・・・今回の事件は、サアラ曰く 「脆弱で儚げな方」 である幽霊たちの、ささやかな抵抗の物語だったんですね。 ミミとレニーは、自分たちに降りかかった悲しみと向き合わずに来てしまった。 どこかで自分を諦めてしまった彼らが、 「諦める」 なんて言葉とは無縁でしかないサアラと出会ったことが、ある意味いちばんの事件だったのかもしれないなって思います。 隠してきたものを徹底的に暴かれ、挙句の果てに興味がないと言われてしまう・・・自分たちがやってきたのはその程度のことだったのか、と価値観を覆される幽霊っていうのも珍しいです(笑)。 ただ、結果的にサアラの傍若無人さがミミとレニーを救ったことは事実なんだと思います。 まさかの浄霊物語でした(笑)。


そ、し、て! 何よりも楽しみだったのが、サアラとジェイクの恋の行方だったことは疑いようもありません! ジェイクが鈍さ200%で生成されてるような人で、しかもサアラが他人のはるか斜め上の異次元を生きてるような人なので、基本的に二人がズレてるのは間違いないんです。 小箱に胡桃をいれるやり取りがすっごい好きなんですけど、どう考えてもズレまくってますよね(笑)。 ――ただ、二人がそのズレを一つずつ乗り越えていくたびに、中毒性を帯びた心地良さに変換されていくから不思議。 どう考えてもミスマッチな小箱と胡桃が、世界一の宝物に書き換えられていくから素敵。 大事にとっておきたいけれど胡桃だから食べないと・・・っていう状況は、ある意味とってもサアラらしいですね。 大事なものほど食べちゃいたい・・・ジェイクの左手とか(笑)。 そう思うと微笑ましくて、私まで幸せでしたw


ちなみに、いちばんお気に入りなのは、二人がベッドでいちゃいちゃ(笑)するシーンです!  別にえっちなことをしてるわけじゃない、むしろ行われているのは 「どうやって相手にベッドを使わせるか?」 という攻防戦なはずなのに・・・・・・背中に文字を書きあってくすぐったいとか、思わず抱きしめて柔らかいとか、どんだけ甘いんですか!ヽ(≧▽≦) (←りるさん嬉しそう・笑) この辺りはずっと 「ジェイクは鈍いなぁ」 と思いながら読んでたんですが、よく考えなくても彼はサアラに嫌われてると思ってたんだから、すれ違うのは当たり前なんですよね。 それでも手放せなくなっていくのがありありと見て取れて、すっごくドキドキしました。 ラストシーンも良かったけど、ここでサアラに触れる幸せを実感出来てなかったら、あのラストもなかったはずなので、やっぱりお気に入りなのですw 


ラストでジェイクが 「自覚」 しちゃったので、ここでシリーズが終わっても綺麗な纏まり方だと思います。 ――思うんですけど! でも、もうちょっと読みたい気持ちが強いのも事実。 ラブ的な糖度を期待したいのはもちろんだけど、それ以上に、私がサアラというヒロインを愛しちゃってるからです。 彼女の型破りな行動をもっとみたい。 斜め上いく思考回路を、もっと堪能したい。 だって、ジェイクがいない寂しさは世界征服でしか代替できないってどんだけラブなんですか!?(笑) ラストのキスだって、自分から仕掛けておきながら…そして普段あれだけ厄介さ (褒め言葉!) を振りまいておきながら、破裂しそうなほど心臓をときめかせて赤面しちゃう乙女度を隠し持ってるとか、もう本当に魅力的過ぎます。 また会えたら、本当に嬉しいです。 ・・・まぁ、サアラは私には興味ないでしょうけどねー(ニヤリ・笑)。






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