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潮見知佳 『七つのくるり・1』 の感想

七つのくるり・1
『七つのくるり・1』

潮見知佳

講談社 KCx ITAN
2011年12月7日 第1刷発行/¥562+税






『 私は弱いですよ? 強くなれるのは 死ぬためお手伝いをするときです
死ねずに苦しむ人を 助ける時だけ―― 』


<ご紹介>
『ITAN』に掲載された5話分を収録した第1巻。 人間が鬼と化す世界を描いた陰陽師風戦国ファンタジーです。 
「鬼」に家族を襲われ、辛うじて父と二人生き残った少女・ヨヲは、ある日、あまり人が足を踏み入れない森中で、3人の男と出会った。 見たこともないほど美しい菫丸。 隻眼の弓使い・曲。 僧侶と思しき蓮慈。 弱っている菫丸を介抱してあげると、彼はヨヲの「四番目のくるり」が弱っていると言い出した。 「私がすこしだけ回してあげましょう」……彼に触れられると、不思議なことに体も心も温かくなる。 優しい人だなと思ったとき、ヨヲはまたしても「鬼」に襲われてしまう。 そしてそんなヨヲを助けてくれたのは、先日の襲撃時に「鬼」と化してしまった父親。 そしてその父親を狙ったのが、優しいはずの菫丸たちで…!? 


<感想>
というわけで、大好きな潮見知佳さんの新作新刊ですw ITANコミックスの評判の良さはあちこちから聞こえてくるので、そのレーベルから潮見作品が出るという意味でも楽しみにしてました。 読んでみるといつもの潮見作品なので(笑)、特にITANだから!という雰囲気は分からなかったんですが、表紙デザインや色の表現や紙質なども含めて、大事に作られた本だと思います。 それにしても、表紙の菫丸がホント美しい! あ、念のため更に念を押しますが、男性ですので(笑)。


戦国時代のような世界が舞台。 本来人が死ぬ時に動きを止め、魂と肉体を自然と分かつもの――七つのくるり。 けれど、「何か」にとてつもない執着があると、死してもなおくるりが回り続けて「鬼」となってしまう。 そんな「鬼」の状態から人の心を救い出し、安らかな死の道へと送りたいと願う菫丸は、鬼祓い専門の宮廷陰陽師。 帝の命で鬼祓いしながら、とある人物を探す旅をしている…という感じ。 1話2話では歪んでしまったくるりに苦しめられる女性たちを描くことで「七つのくるり」についての導入を済ませ、その後は、いやいやながらも(笑)菫丸の面倒を見る護衛をしている、いわく有り気な曲と蓮慈の話へとシフトしていきます。 


ちょっと面白いのは、お話は菫丸を中心に進んでいくのに、実は彼がいちばん謎めくひとであるっていう部分。 見た目は極上に美しく、言動も上品で柔らかいけれど、とにかく貧弱。 ちょっと歩くのもやっとなのに、幼いころからの厳しい修行に耐えるほど「七つのくるり」には格別の思い入れがある。 そんな彼のことがよく分からないのは読者だけではなく、同行している曲も蓮慈も彼にはイライラさせられてばかり。 菫丸がどんな人物なのか、何を目指しているのか、そして彼が追う「鬼を作り出している僧侶」が何者なのか……その辺を、二人のお話を描くことで語っていく、そんな物語です。 


お話はあくまでも戦国「ファンタジー」なので、衣装も現代風だし実在の人物にも拘ってない…はず(私が無知なだけだったらごめんなさい!)。 「七つのくるり」の設定もちょっと分かりづらいかもしれないけれど、人や物への執着が強くて霊になってしまった人たちを浄霊するお話、と置き換えると分かりやすいかもしれません。 そう考えるとマンガではよくあるテーマ……どころか、潮見さんがよく描かれるテーマなんですが(笑)、その分、話運びも見せ場の盛り上がりも上手で、安心して読めるから凄い。 特に巻末付近の菫丸と曲のシーンは本当に恰好良くて、読んでるだけで思わず涙が…! 感動して泣く、悲しくて泣く、嬉しくて泣く…そんな経験は何度もしてきたけれど、「恰好良すぎて泣く」は初めての経験で自分でもびっくり。 菫丸の神々しさも曲の忠義も素晴らしい。 ここまできたら、次巻で蓮慈さんも恰好良さを見せ付けてくれるはずですよね?(とハードル上げてみた・笑)


ところで、私自身がよく分かっていないので、「七つのくるり」について整理しておきます。
 
・「くるり」とは、人間の様々な感情でまわるもの。 人が鬼になるとどれか一つのくるりが繋がっているため、その緒を切れば鬼は消滅、人として死ぬことになる。  
・七つそれぞれに渦巻く部位が決まっており、感情の特性もある。 それぞれが司る感情が強ければくるりも光り輝く。 
・逆に、精神的なダメージでくるりが乱れると、鬼になりやすくなる。 また、渦巻く部位を肉体的に使わないと病に至ることもある(たとえば、声を出さない=五番目のくるりが弱くなる=首の病に罹りやすくなる)。 

▼一番目のくるり・・・両足の間の空間に渦巻く。 人の欲に突き動かされて回る(第2話)。 物欲、金銭欲など。
▼二番目のくるり・・・下腹部に渦巻く。 人の生きる喜びで回る(第4話)。 創造や欲求、恋心など。 
▼三番目のくるり・・・臍辺りに渦巻く。 人の勇気と忠義の想いで回る(第5話・曲)。
▼四番目のくるり・・・みぞおちに渦巻く。 人を慈しむ心で回る(第1話・ヨヲ)。
▼五番目のくるり・・・咽喉に渦巻く。 弱まると人付き合いが苦手になる(第3話・蓮慈)。
▼六番目のくるり・・・額に渦巻く。 理知を司る(第2話)。
▼七番目のくるり・・・頭頂に(天使の輪のように)渦巻く。 この世に光を届ける役目を天から授かった者だけが持つ、叡智と悟りに満ちた紫色の光のこと(第5話・菫丸)。


こんな感じかな~。 五番目のくるりは蓮慈さんがメインになりそうなので、明確なお話はなかったです。 いよいよ次巻での蓮慈さんの活躍が待たれる…(笑)。


気になったのは、ラストで「千早守菫丸様」と呼ばれた菫丸が、菫丸と呼んで欲しい、と伝えるシーン。 「これからも ずっとかわりなく――」そう言う彼の瞳は逆光のせいかどこか暗くて、何だか心配です。 ただ単に、曲に「様」呼ばわりされて拗ねちゃったとかの痴話げんかレベル(笑)なら良いのだけど(この二人仲良いですよね…)、そうじゃなくて、まるで「これからずっと変わらない」ことが難しいかのようにも聞こえたので…。 菫丸が目指す七番目のくるりの特殊さを考えても、いちばんの謎が菫丸であることは間違いないはず。 彼が虚弱なのも、どこかのくるりが弱まっているから…?という深読みも出来そうだし、いろいろ気になる…! 続きも楽しみですw





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にくさんへ

>にくさん

コメントありがとうございます。
お返事遅くなってしまって、大変申し訳ありませんでした!

>「くるり」はヨガ思想の「チャクラ」に相当するのかな?

作品未読なのに感想読んでくださってありがとうございます!!(涙
「チャクラ」をWikiで調べてみました。
あぁ、まさにそんな感じ!!
登録している読書メーターの感想にも「チャクラだな」などのコメントがあったので「何かなー」と思ってたんですが(個人的にチャクラといえば競走馬の名前なので・笑)、そういう意味があったんですねー。

教えてくださってありがとうございました。
いつもいただくコメントがとても勉強になってます。

No title

失礼、私はこの作品未読なので見当違いかもしれませんが。
「くるり」はヨガ思想の「チャクラ」に相当するのかな?
ウィキペディアなんかでも詳しく解説されてます。よければ調べてみてください。
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