神田はるか 『オオカミさんと!・2(完)』 の感想

オオカミさんと!・2
『オオカミさんと!・2 (完)』

神田はるか

角川書店あすかコミックスDX
2012年2月25日 初版発行/¥560+税






『 あぁもう 恋なんてしたことないけど   この人好き 』


<ご紹介>
『ASUKA』に掲載された6~10話と描き下ろしを収録した第2巻。 カラーピンナップ付。
会ったことのない祖母を求めて、一人で孤島にやってきた赤井陽菜子 (中学生!)。 念願を果たしておばあちゃんと (とても残念な形ながら・笑)対面できたものの、何かと世話をしてくれた大神さんと不意のキスをしていまい、激しく動揺してしまう。 しかも 、秘密の図書室でもう一つの念願だった父親の情報を手に入れた陽菜子は、代償として島を去ることに。 そんな陽菜子の元に、再び狐塚と大神さんが現れた。 会いに来てくれたの!?と喜んだのも束の間、大神さんは陽菜子の母親に会いに来たのだった。 しかもどうやら、大神さんの初恋の相手が母親のようで…!? 赤ずきん風ラブコメディ、完結編! 






<感想>
これね、普通に購入すると帯がついてるんです。 「さよなら、オオカミさん。」 という比較的どーでもいいような (大失礼!) 文言が書いてあって、何でこれついてるんだろう?と思ってたんですが。 が、が、が! この帯には重大な意味があったことに、Amazonの書影を見て気づきました。 帯を取ると、陽菜子ちゃんの魅力的な太ももが現れる仕掛けなわけですよ! 何これ素敵すぎるっ。 陽菜子ちゃんの陶然とした表情と相まってマジで素敵すぎるのです・・・っ!! (←変態か!・笑) 帯、グッジョブでしたw(ぇー


という訳で 『オオカミさんと!』 の最終巻です。 変なことばかり書きましたが、冗談抜きでこの表紙は可愛いです。 そもそも大神さんと陽菜子ちゃんのイラストで二人の際どい関係がよく表されてるし、二人を一本線で繋ぐようなタイトルデザインも意味深で好きです。 周囲にめぐらされた甘いキャンディや綺麗な雪の結晶の中に、 「赤ずきん」 をモチーフとした狼さんも隠れてて、可愛いものと凶暴なものが一緒に配置されるチグハグさがとてもこの作品らしい。 何より、陽菜子ちゃんの顔の横に、今まさに咲き誇らんとしているお花が描かれているのが、もうものすっごく大好きです。 だってそれってそのまま陽菜子ちゃんのことじゃないですか!  2巻の彼女は1巻での幼女っぷりが嘘のように成長が見てとれるんだけど、でも、まだ開ききっていないアンバランスさがあって、とにかく可愛いいのです。 個人的に、もの凄く好きな表紙なのでした。

 
さて内容。 1巻はいろいろ犯罪っぽい臭いを発しながら(笑)も 「赤ずきん」 がベースとなってるなーという感じでしたが、2巻は一気に方向転換! 神田はるかさんは別作品 『カポーン。』 もそうだったんですけど、物語の後半になると途端に重い人間性が描かれるようになるから不思議です。 まぁでも大体、実生活でもそうですよね。 普段面白おかしく喋っている人が本当にただ能天気なのかといえば、それは違う。 むしろ、場の雰囲気を読み、相手の心を和ませる人ほど、いろんなものを抱えていることが多いような気がします。 本作でいうと間違いなく狐塚がそうだし、2巻での活躍は薄かったけどおばあちゃんも同じです。 初めて会った大神さんのために、彼の親戚を説得して回るおばあちゃんの分かりにくい愛情にはホロリとさせられたし、狐塚は・・・こ、狐塚は・・・ドSとみせかけてまさかのドMだとか! (そこかよ・笑)。


でもって、1巻ではどこか泰然としていた大神さんにぐっと迫ってくれたのも嬉しかったです。 陽菜子ちゃんを探して走り回る姿とか、陽菜子ママと再会してちょっとヘタレるところとか、陽菜子ちゃんの告白に動揺しちゃうところとか・・・そんな姿、1巻の彼からは全然想像できなくて、正直驚きました。 だってそういう彼の 「素」 の部分って、陽菜子ちゃんとの不意のキスから始まったと思うので。 まるでいろんなしがらみから紐解かれるみたいに、大神さんのいろんな表情がどんどんこぼれていくので、すごくドキドキしました。 一体どんな魔法をかけられたの? 陽菜子ちゃんってもしかしたら 「赤ずきん」 なんかじゃなくて、それこそ 「魔女の孫」 なんじゃないかって思いました。 笑顔と泣き顔と困り顔がこっちの心をくすぐるくらいに可愛らしいのも、実は魔法なのかもしれない・・・ですよねw


お話を全体的に見ると、謎が残ってたり片恋ばかりで報われ度が低くて 「うわ、そこもっと描いてよ!」 と願ったり設定の一貫性が薄かったり正直 「箱舟月兎の立場は…!?」 と思ったりもするんですけど(笑)、 唐突とも思える感情の揺れの描かれ方は嫌いじゃないです。 むしろ、ちょっとした拍子に弾けちゃうような気持ちを秘めてる人たちがたくさんいるお話なんだと思います。 そして、1巻感想でも書いたとおり、やっぱり陽菜子ちゃんの魅力が全てなんですよ! 大神さんへの恋心を自覚するシーンも、勢いで告白しちゃうシーンも、自分の涙ひとつ制御できないくせに 「想い」 がブレないところが、めっちゃ可愛い!! あと単純に、赤面しつつの泣き顔が、めっちゃめちゃ可愛い!!(笑) これで一発KOされない大神さんのラブコメ的経験値の高さがホント厄介なんですが(笑)、それでも幸せな未来を予感させるラストページが愛しいですw


ラストページ見て思ったんですけど、大神さんの長髪って陽菜子ママへの未練だったんですね、きっと。 「もう母親なんだな」 「ずっと変わらないと思ってたのにな」 という彼の独白から、本当に変わらなかったのは大神さんが陽菜子ママに抱く親愛の情だったんだろうなって気づかされます。 ・・・そういう意味では、彼の愛も狐塚並みに重いという(笑)。 想いを整理して髪を切った大神さんは、背も髪も伸びて明らかに成長した陽菜子ちゃんから、ちゃんと 「選んで」 もらえるのでしょうか。 あと、狐塚の想いは届くのでしょうか!?(笑) 読み手を選ぶ作品ですが、赤面顔の女の子と困り顔の女の子と泣き顔の女の子に弱いアナタにはオススメですw そんな訳で、私は楽しかったです☆



オオカミさんと!・1 

 より変態度の高い(褒めてます!)1巻感想はこちら!
 ⇒ 神田はるか 『オオカミさんと!・1』の感想 



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はるか こんちゃ----友達としてよろしくお願いします。

NKさんへ

>NKさん

コメントありがとうございました。 お返事遅くなって申し訳ないです!

>表紙を見てこのお話の元ネタはグリム童話の「赤ずきんちゃん」かな?と思いました。

うん、そうだと思います。 童話って結構ツッコミどころが多いお話なので、こういうアレンジもしやすいのかもしれないですね~。

>漫画にしても小説しても、昔話がベースになった物語は数多く存在します。

少し傾向違いますけど、藤田和日郎『月光条例』も「おとぎばなし」が元になってるマンガです。 これを読むと、昔話からインスピレーションを得る難しさと楽しさを味わえます。

>昔話の悪役として登場するオオカミはいつも負けてばかりですよね(笑)。

確かに(笑)。

No title

お久しぶりです。
このお話もはじめて聞きました。
表紙を見てこのお話の元ネタはグリム童話の「赤ずきんちゃん」かな?と思いました。「オオカミさん」という言葉やおばあちゃんに会いに行くなど、いかにもって感じですね。
漫画にしても小説しても、昔話がベースになった物語は数多く存在します。

それにしても、話はちょっとそれますが、昔話の悪役として登場するオオカミはいつも負けてばかりですよね(笑)。
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