雨川恵 『とらわれ舞姫の受難 掟破りのプロポーズ』 の感想

とらわれ舞姫の受難 掟破りのプロポーズ
『とらわれ舞姫の受難 掟破りのプロポーズ』


雨川恵 (イラスト:まち)

角川ビーンズ文庫
平成24年9月1日 初版発行/¥495+税





「……本当に、そんなことができるのか?」
それはまさに、ルーナが望んでいた通りのことだ。思わぬところからもたらされた救いに、ルーナは半ば呆然としながら尋ねた。 本当にそうなるなら、どんなにいいだろう。ルーナの問いにすぐさま、もちろん、と答えたイシュトは、しかしそこで小さく首をかしげて付け加えた。
「ただし、条件があるけど」
「条件?」
もっとも、それも仕方がないことだ。元はといえば、彼女の行動が招いた厄介事である。そのつけがベルダに行くところを、ルーナのほうに戻してくれるというのだから、その分の払いはしなければならない。ロキシスのように、彼女に払わせもしないまま、他所へ回してしまうよりましだ。
だが、そう思いながら訊き返したルーナに、イシュトは笑みを浮かべて言った。
「おれと結婚してくれ、ルーナ」


<感想>
『とらわれ舞姫の受難』シリーズの第3弾です。 今回楽しかったな! いや今までも楽しかったんですけど、やっぱり恋が動くと燃えますよねっ!(笑) 前作まではイシュトの天然ストーカーが板に付きすぎててもう剝がすことは無理なんじゃ!?ってレベルでしたけど(ホント怖いから・笑)、今回は彼の中でいろいろな気付きがあって、それが変化を生んでいる。 そしてそのきっかけはルーナが握ってるんですよね。 1巻目の感想にも書いたけど、相手に押し付けていた理想が壊れるときこそ、相手にいちばん近づけるんだと思うんです。 どんなに目を背けても、本質が見えてしまうものだから。 こういう展開大好きです! 満足~♪


さてさて。 何気に今作のいちばんの感想って、「・・・もうヒロインってロキでいいんじゃね?」ってことでした(笑)。 いやだって、ロキシスさんがあまりに不遇すぎて…! この人、何でこんなに一人で苦労してるんでしょうねw ベルタにめっちゃ懐かれてる割には実質的な裏切りに遭うし。 イシュトのことをめっちゃ気にかけてる割には、打算の関係でしょって言われちゃうし。 管理責任という意味で管理してるルーナには、脱走されちゃうけど気持ち的には同情しちゃうし。 ――人に恵まれなさすぎだろ!(笑) というちょっとしたジョークは半分置いといて(←半分は本気w)、みんなロキの強さに甘えすぎです。 そしてロキさん。 口下手すぎです!(笑)


そもそも、人の心を理解できないイシュトを増長させてきたのはロキも悪いと思うのです。 だってロキは、イシュトのことをちゃんと好きでしょう? イシュトは、自分が有する皇帝の力がロキに必要だから一緒にいてくれてると思ってるみたいだけど、その思考回路にポーカーフェイスを崩しかけるくらいには、ロキはイシュトを好きでしょう? ちゃんと、そう伝えれば良いんですよ。 我慢しないで、利害だけで一緒にいるわけじゃないって根気強く訴えれば良かったのになぁって思います。 ・・・まぁ、やりたくない気持ち分かるけど! だって絶対イシュト面倒くさいし!!(笑) それでも、ルーナが至極シンプルな言葉でイシュトの心に疑問を投じたのは事実で。 ロキが変わって欲しいと願っていたイシュトの新しい姿を、まもなく見られるのかなぁと思うと、早く報われて欲しくて仕方ないです。 とりあえずイシュトが片付いてもまだ、頑固っぷりではロキに劣らないベルタさんが控えてますからね!(笑) 一個ずつ、彼の懸念が経れば良いなぁと思います。


さて。 一方の正ヒロイン(笑)ルーナちゃんですが、やっぱり精霊の民の末裔としてやはり何かの力を秘めていそうでドキドキします。 秘めているのは彼女自身というより痣の方なのかな?とは今回思いましたが。 でもそれ以上に、輝石に操られていようと、離れた場所にいようと、どうしてもイシュトのことを想ってしまう彼女の矛盾に本当にドキドキしました! 何しろイシュトさんは真性のストーカーなので(…)、そういった人に押し倒される危険っていうのは、女性なら誰でも本能で持っていると思うんです。 多分、本気で怖かったはずだし、許せないはず。 それなのに、最終的にはイシュトのことを抱きしめ返すことができる彼女は、本当に強いなって思います。 彼女の魅力は迷うほどあって、その一つが新キャラ・ヒューレイさんの口説きを一撃で黙らせる舌鋒だったりするけど(笑)、でもいちばんは心の許容量の広さだと思ってます。 1巻のイェーガのこともそうだけど、ルーナは他人の弱さにとても寛容です。 それは多分、かつて自分の弱さを「皇帝」に救ってもらった過去があるから、なんじゃないかな。 だとすればそれはイシュトがルーナにあげた強さ。 今度はルーナがイシュトの弱さを救ってあげられるといいなぁって思います。 


それにしても彼女はすぐに脱走するし、皇帝のことを殴るし、わりと自由に行動しているイメージがあるんですけど、実情はとらわれの身に間違いないんですよね。 それなのに自由を感じさせるのは、たぶんルーナの精神がそうだから。 だからこそ、立場だけではなく、精神をも無視して彼女を奪ってしまう輝石の存在が怖いです。 イシュトを縛るもの、ルーナを縛るもの、そしてロキシスが解放したいと願うものは、もしかしたら同じものなのかもしれない。 2巻目から暗躍してた表向きの黒幕は捕まったものの、輝石をめぐるという意味でも(恋愛を含む含まず)人間関係という意味でも、解決にはまだ遠そう。 続きも楽しみですw



とらわれ舞姫の受難  はた迷惑な求愛者 (角川ビーンズ文庫)  とらわれ舞姫の受難二人きりの恋迷宮 (角川ビーンズ文庫)


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