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『赤LaLa』 の感想(ラスト)

赤LaLa
『赤LaLa』


白泉社

2012年9月10日/¥619+税





<ご紹介>
トリコロールLaLa・第2弾は、『赤は、本能の赤』をコンセプトにした『赤LaLa』。 こちらは、その感想記事の第3弾にして最後となります。 

雑誌全体の印象と橘裕『Replay』の感想は第1弾 『赤LaLa』の感想(その1)、 ここにないほとんどの作品感想は 『赤LaLa』の感想(その2) をご覧下さい☆ 
 
では、以下感想。 8作品ですよ。




<感想> 
●草川為『黄昏恋々』 
衝動的に鉄塔から飛び降りた桐子――しかし、突然現れた妖艶な美女に首筋を噛まれてしまう。 思いがけず吸血鬼にされた桐子と、彼女を拾った嘉陽の物語。
 
人は、終わりに向かって生きていく。 いつか必ず訪れる、最期の時に向かって。 ではその「最期」を奪われたら、「人」ではなくなったら……「自分」でさえも、なくなるのだろうか? ――そんなことを訴えてくるお話で、個人的にはとても好きでした。 草川さんらしい、どこか淡々としたストーリーテリングの下で、強く、でも繊細に悶える人間の感情。 強制的に違う生き物にされてしまうことは、生まれ変わることではない。 中身が変わらなければ、自分は小さな自分のまま。 羽ばたけるかどうかは、結局それまでと同様で、自分自身にかかっている。 

黄昏は誰そ彼、つまり夕暮れの人の見分けがつきにくい時間のこと。 桐子と嘉陽は、二人しかいないそんな不明瞭な時間の中で、自分自身に「誰そ彼」と問い続けてながら生きていく。 嘉陽が己を「人」ではなく「餌」と定義したように、桐子も自分で道を選ばなければいけないわけで、その昏い道先を思うと切なくなります。 二人の関係がやはり「もっとこう、なんて言うか…」という不明瞭なままなのも、きっと「いつか」答えが出るんだと思います。 作家という立場を拒んでいた嘉陽を救ったのが、作家の証であった万年筆だった…ということも、桐子の存在をいちばん曖昧にする姉こそが最も桐子を心配してくれた…ということも、どちらも矛盾するようで、真実なんですよね。 人生って本当に、不明瞭です。


●真柴なお『ミカエルの箱庭』 
背に黒味がかった白羽をもつミカエルは、恋をしたリリスのいる国を守るために天使の力を使う。 そこが、箱庭だと知らないまま…。
 
残酷でした…(>Д< ;)。 真柴さんの絵柄が可愛いので、余計に「残酷な楽園」が強調されて、もう泣きましたよ(涙!)。 天使のようでいて、瞬間的に思考がぶち切れるミカエルの狂気は怖かったです。 腱を切れば良いか、なんて普通に思い浮かべられる子に思えなかったから余計に。 でもそれ以上に怖いのは人間でしょー!? 彼が悪魔だった頃に何をしたかは知らないけれど、恋をしただけの存在に何度も刀を指す行為も、その後の「利用」方法も、まさに悪魔の所業ですよ。 終始上から目線の管理者が私はいちばん怖かったです。 この読後感の悪さ(この場合、めっちゃ褒め言葉です!)は、個人的には『赤LaLa』の中でも1・2を争うくらいでした。 誰か助けてあげて…!!


●一ノ瀬かおる『ヴィスキースの赤い人形』 
農民の娘・メアリーはある日、貴族の家で働くことに。 そこで、密かに憧れていた伯爵・ヴィスキースと出会う。 しかしそれは、悲劇の始まりでした…。

一ノ瀬さん、こーゆーの描くと巧いですよね……マジ怖いって!!(泣) 絵柄的にもちょっとイっちゃってる人物が似合うので、真柴さんとは逆の意味で怖さが増しました。 あと過去にも何度か書いてるけど、私、人形モノって苦手なんですよ…!!(ガクブル  

メアリーはヴィスキースと自分が似ていると話していて、彼はそれを「ひとり」という共通点のことだと思ったみたいだけど、私は「夢の中に幸せを求めた」点なんじゃないかと思いました。 二人とも現実が苦しくて、メアリーは夢で憧れの人を想うことで幸せを得て。 ヴィスキースは悪夢の中で人形を求めて。 私はずっとヴィスキースを「愛が欲しい人」だと思っていたので、最後の激白には驚きました。 そんな彼だから、メアリーも人形になったんだろうと思います。 たぶん、「誰かを愛したい」という点でも、似ている二人だったんですね。 彼は、方向こそ間違っていたけれど、実は前向きな人だったんじゃないかなぁ。 だって「愛されたい」っていう甘えた人間でいられたら、きっとこんな悲劇にはならなかった。 母性を知らないっていうのは、こんなにも怖いことなんだ。 メアリーが言うように、彼女が彼に捧げたものは命そのものだったけど、恋ではない、母性に近い愛情でもあったんだと思います。


●九『薔薇の名前』 
断崖に橋を架けるために呼び出された悪魔・ハイデン。 生贄であるはずのレーゼに一目惚れされ、迫られるうちに不思議な感情が芽生え始めて…。 

コメディ風味でお話が進行する、雑誌の中でも異色作。 レーゼに素直な愛情をぶつけられて、どんどん絆されてしまうハイデン様にニヤニヤさせられっぱなし! 身体検査だなんてムッツリなんだからwみたいなね(そこかよ・笑)。 レーゼの愛情は、押し付けがましいようで、全て覚悟の上のもの。 自分の想いが叶わないことを分かった上で、惜しみなく愛情を与え続ける様子を、軽やかに、そしてドラマティックに描いてあって、読んでいてすごくドキドキしました。 

特に中盤のレーゼの裏切り!?なシーンの時には既にハイデンがかなりデレてたので(デレ言うな・笑)、いやーどうなっちゃうの!?ってハラハラでしたねー。 しかし、乙女にここまで覚悟させないと想いが届かないって、ハイデン様はどれだけ絶望してたんだろう…。 そう思うと切ないですが、だからこそ二人が作り上げたのが「橋」だっていうのが、とても重要だと思うのです。 「橋」は立地上のものだけではなく、二人の心の架け橋でもあったんですよね。 大事な要石が外れただけて容易に決壊してしまう「橋」は、ハイデンがいなければ成立しないレーゼの恋と同じ。 だからこそ彼女は、3年もの時をかけて新しい「橋」を作り上げたんじゃないかな。 自分たちの想いが確かに通じ合ったことを形にするために。 そして、世界のあちこちに残すために…。 


●中村ユキチ『友情事変』 
親友を殺したはずなのに、なぜか翌日また生き返っている…というお話。 女の子の友情を描いてあってよく纏まってるんだけど、雑誌的に橘さんの『Replay』を先に読んでしまったので、私の中でちょっと弱いお話となってしまいました(まぁあれは友情ではないけれども…)。 ただ、優香ちゃんはめちゃめちゃ可愛いです!(笑)


●筒井美雪『血花踊絵(ちばなおどりえ)』
踊りながら絵を描く一族のヒロインと彼女を拾った王子との悲恋。 人生の中で、いちばん辛い時期を支えてくれた人を愛することは、罪でもなんでもない。 逆に、支えたいと思わせた自分を褒めてあげても良いくらいだと、私は思っています。 自惚れることとは違うんですけどね。 愛する人に愛される幸せって、つまるところそういうことだと思うんです。 紅には、王子のためにやり切ったという想いがあるからこそ、最期に笑えたんだと思うんですよね。 彼女の想いはともかく、祝いの席の絵が血塗り絵になってしまったことが祝福に繋がるのか…?という疑問はあるものの、王子への熱烈な想いだけは間違いなく伝わったのだと思います。 


●大宮あかね『コスモスと蝶』 
百合っぽいお話かと思ったら、親子ほど年の離れた教師と生徒モノかと思わせて、そこからの…!?というツイストが効いてて、なるほど、と思わされた作品。 大宮さんの絵柄が好きなので、百合ぽいのも似合うな…と変にニヤニヤしながら読んでました(笑)。 稜子ちゃんの反応に罪悪感と好意を募らせるすみれちゃんが可愛くて仕方ないです。 あれは一度惚れたら「惚れた弱み」で許しちゃうよなーと、稜子ちゃんの気持ちも分かったりねw 一歩踏み出すのは誰のためなのか。 踏み出さないのも、誰のためなのか。 前園父が衝動を抑えたのは、もしかしたら稜子ちゃんのためでもあるのかなぁと思いました。 高校教師が、娘ほど年の離れた生徒に手を出したことが分かった場合、傷つくのはすみれちゃんであり、稜子ちゃんだと思うので。 多分自分のことよりも…ね。


●イズミハルカ『閃光メテオライト』
第60回LMGフレッシュデビュー賞受賞作。 隕石の墜落に巻き込まれたヒロインの、刺激的な一日を描いたお話。 『赤LaLa』に掲載されても違和感のない、どこか浮世離れした雰囲気と、そのわりには爽やかな読後感のある、素敵な作品でした。 『赤LaLa』の最後にこの作品がおさまってくれて良かったなぁとも思います。 まぁ、読後感が良いだけで、内容は結構ヘビーなのですが・・・。 

1コマ目の構図がインパクトあって、1ページ目のモノローグも意味深で、一気に作品に引き込まれました。 自転車の二人乗り(ダメですよwでも青春!・笑)を地面から見上げる構図も好きだなw 漫画のカメラアングルって大事ですよね! 彼方くんがめぐるちゃんを助けたことにも理由があったりして、いろいろ隅々まで巧いなぁとも思わされました。 人間、どん底にいると這い上がるしかない訳なんですが、その「這い上がり方」に人間性が出るだと思います。 彼方に導かれためぐるちゃんは、新たに体験することに前向きでキラキラしてて可愛くて、思わず手が出た彼方の気持ちは分かるなぁと(笑)。 本当にヒロインが、どの引力にも作用されない「たった一人」の存在だったら、隕石を引き寄せることもなかった。 まるで「たった一人」と思わせていた時間と引きかえるような突然の出会いが、せめて今度こそずっと、続きますように…。





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