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かいとーこ 『魔道士の研究日誌 精霊はハチミツお好き?』 の感想

魔道士の研究日誌 精霊はハチミツがお好き?
『魔道士の研究日誌 精霊はハチミツがお好き?』

かいとーこ
(挿画:増田メグミ)

一迅社文庫アイリス
2012年5月1日 初版発行/¥590+税




『 蜂蜜の王子様? 』


<ご紹介>
魔力で動く機械を作る魔工技師の少女リゼットは、可愛い外見とは裏腹に、周囲から変人扱いされていた。 そんな彼女が挑むのは、成功者のいない人工精霊作り。 独り研究を進めていたある日、彼女の元に王立研究所から美青年のエヴァル、対立する研究所からは精霊使いのラフェスが訪ねてきた。 彼らは勧誘に来たというが、リゼットはあっさり拒否。 けれど、2人は手伝いを理由に居座ることになり、噂を聞きつけた王子様までやってきて――!?(裏表紙あらすじより) 増田メグミさん画のカラーピンナップ付。 





<感想>
私はたいてい、少女小説とは運命の出会いを果たしていると自負しています(エヘン!)。 書店で表紙を見かけた時にどーにも目をそらせなくなるような一目惚れをして購入するのがほとんどなんですね。 だからもちろん絵師さんの役割ってすごく大きいんですけど、じゃぁ同じ絵師さんなら全部読むのかといえばそうでもないわけで、そこは表紙絵に表現されている物語の世界観に「一目惚れ」してるんだと思っています。 というわけで、今回も同じ。 大好きな増田メグミさんの美麗イラストなので目が向くのは仕方ないんですが、少女性の塊のような「赤ずきん」状態のヒロインと、彼女をしっかり見守る目線のヒーロー像にまずドキッとしました。 可愛い女の子の少女性ってすごく好きです!(←変態…笑) 次いで、散りばめられた薔薇と歯車のアンバランスさと、それを形にしたようなタイトルデザインにクラっと来て、これってきっと好みだ!と思って読み始めて――正解だった時ってすごく嬉しいですよね!ヽ(≧▽≦)/


という訳で、作家さんのサイトから引用すると 「魔工技士兼人形作家の片付けられない美少女と、騎士っぽい自称魔道士と、天才肌の従兄のお兄ちゃんが一緒に掃除研究する話」 の第1弾です。 もちょっと詳しく語りますと、父の遺志を継いで独り研究に勤しむリゼットと、彼女の父の遺言に基づいて研究所に勧誘に来たエヴァル、リゼットの従兄弟で別の研究所所長の息子のラフェスが、リゼットの研究対象である人工精霊作りと、汚屋敷と化したリゼット邸の大掃除に挑戦(?)しながら、関係を深めていく物語、でした。 美少女の部分はともかく「片付けられない」というところに、りるさんは過大に反応しました・・・だって私も片付けられない・・・(笑)。 だからこそ、ある日突然蜂蜜の王子様みたいな人が家に来て、すみずみまでお掃除してくれてウサギまで捌いて食べさせてくれて天にも昇るような甘い一言を囁いてくれたりしたら素敵っ!とうっとりしながら読んでました(笑)。 うっとりするだけなら罪じゃないw(←いいから掃除しろ)


魔具と魔道機は違うとか、精霊使いに魔道士殺しなど、ファンタジーらしく単語そのものに特別の意味のある言葉が頻出するため、実はちゃんと世界観を理解できているのか不安だったりします。 でも、幼さが残るリゼットが実は、独り残された寂しさを噛みしめつつも父との研究を全うする強い意志がある子なんだってことだけ分かれば充分。 だって結局エヴァルもラフェスも彼女のそういうアンバランスな魅力に惹かれたわけで、それは私も同じなのだから。 芸術的な人形作家という才能を持ちつつも、人工精霊作りという危険な作業を黙々とこなすリゼット。 家事というある意味母性の象徴のような作業が苦手でも、可愛くなりたいという自分の欲求に努力を怠らないリゼット。 彼女は天才的な才能と美貌を持ちながらも、そこに甘えないとても良い子です(*家事以外w)。 ラフェスは元々ロリコン気質がありそうだから良いとして(えー!・笑)、もうちょっと大人な人が好みだったはずのエヴァルまでもを虜にする魅力ったらハンパないですw でもセルティスとのやり取り見てると、エヴァルって多分手のかかる子の相手が得意ですよね(笑)。 そういう苦労性な彼が、個人的にはいちばんお気に入りでしたw


かいさんの文体がわりと淡々としているので、お話も淡々と進む印象でした。 実際、ドリスが誕生するのが丁度中盤くらいでして、そこに至る過程がちょっと長いかな?という気もします。 その分リゼットをめぐるエヴァルとラフェスの攻防戦を堪能できたし(楽しいw)、あと、人工精霊作りを誤魔化さないで描いているのも良かったですけどね。 蠱毒の作り方が精霊作りに応用されるのも、人型を取ることで知性が身につく、という設定などはなるほどって思いました。 共食いっていうと聞こえは悪いけど、知的好奇心の前では人間はそれを行えるんだっていう案外深いテーマをさらっと扱ってて、重々しくさせない手腕はさすが。 ただやっぱり、ドリス誕生シーンは盛り上がる部分だと思うので、その辺もっと大仰でも良かったのかなーって勿体なかったです。


後半部分は畳み掛けるようにいろんな状態が発生する上に、人間関係にも動きが出ていて、本当に楽しかったです。 ドリス奪還のためにドタバタするわけですが、やっぱりお姫様抱っこに身もだえ!!(笑) 増田メグミさんのイラストがちゃんとあって、そこだけで何度胸がきゅんきゅん鳴ったか分かりません。 セルティスとの会話でリゼットの恋愛観が崩壊してることが判明した直後のことだったので、「エヴァルってタイミング良いっ!」と思わず拍手しちゃいました(笑)。 ヒーローはやっぱり、タイミングが大事です。 乙女のピンチに現れてこそヒーロー!(興奮・笑) 


あと心に残ったのが、無茶をしたエヴァルをリゼットが叱るシーンですね。  『男の人はみんなそうなの!』というリゼットの怒りにはすごく共感しました。 それまでエヴァルはツッコミ役としていろんな人を叱ってきたわけですが、ここで初めて「される側」になる。 男の人の「女性の守り方」と女性が望むそれって、実はちょっと差があって、前者はたぶんただ守りたいから守るんだ、くらいの気持ちなんでしょうけど、女性はそこに理解や共感を求めてしまう。 これは優劣の問題ではなくて、受け取り方の問題だと思うんですけど、私は多分、女性の方が相手に望むことが多いからだと思っています。 共感したい、分かち合いたい。 相手を知れば知るほど、好きになればなるほど、その気持ちが強くなる生き物なんじゃないかな。 そう思うとリゼットのエヴァルへの想いが当初より格段に深まっていることが見てとれて、嬉しくもなりました。 叱られたエヴァルは、自惚れて良いと思う。 まぁそこに気づかないのが彼なんですが(笑)。 


そう言う意味でりるさん的にラフェスはヒーローとしては失格なのですが(笑)、彼がリゼットやドリスに向ける深い愛情そのものにはちょっと感激したくらいです。 初めは「親」扱いされてショックを受けてた彼の中でも、何か目覚めるものがあったんだろうなぁ。 リゼットにしてもエヴァルにしてもラフェスにしてもそうだけど、人を想うという事は、そうやって「募って」いくものだと思います。 一瞬前と同じ気持ちなんかじゃなくて、どんどん変化して、増えて、募っていくのが愛情なんじゃないかなって。 作品のトーンはとても淡々としてますが、その辺の深さはきちんと描かれていて、楽しかったです。


先日の9月20日には第2弾『召しませ愛しの王子様?』も発売されているので、読みます。 楽しみです。 ところで、『精霊はハチミツがお好き?』もそうだけど、サブタイトルの語感がとても好み。 ネット小説作家さんの中でも、会話と地の文のバランスが綺麗な文体を書かれる方だなーという印象でした。



●続編はこちら! 


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