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白川紺子 『リリー骨董店の白雪姫 ラプンツェル・ダイヤモンドの涙』 の感想

リリー骨董店の白雪姫 ラプンツェル・ダイヤモンドの涙

『リリー骨董店の白雪姫 ラプンツェル・ダイヤモンドの涙』


白川紺子

集英社コバルト文庫
2013年5月10日 第1冊発行/¥560+税





「……店ってなんの店だよ」
しばらく黙り込んでいたセドリックが、ぽつりと訊いてきた。
クレアは短く答える。
「骨董店」
「骨董店だ? カビくさいがらくたなんぞ売って楽しいのか?」
「がらくたじゃなくて、アンティーク・ジュエリーのお店。 それに、わたしは売るのが目的じゃないの。 見つけたいの」
「は? 何を」
「マーチ伯爵家の呪いを解いてくれるジュエリー」


<ご紹介>
19世紀のイギリス――。 マーチ伯爵家は「ジュエリーに呪われている」ことで有名な田舎貴族。 そして跡継ぎであるクレア・リリー嬢も、まっ白な長い髪と奇妙な癖のせいで、ちょっとした有名人だった。 そんなクレアが兄の反対を押し切ってまで骨董店を開いたのは、骨董品の「声」が聞こえるクレアの不思議な力で、呪いを解く鍵となる宝石を探すため――伯爵家に伝わる呪いの宝石「レディ・アン・ジュエル」が、その鍵を探して欲しいと訴えるからなのだ。 少しでも手がかりが欲しいクレアの元に、ある日、所有者を死に導くといわれる「ラプンツェル・ダイヤモンド」の鑑定依頼が舞い込んできた。 依頼主は、美貌の宝石商・ジェレミー。 甘い雰囲気でキザな言葉を連発するジェレミーに困っていたクレアの耳に、「助けて」という宝石の「声」が聞こえてきて……?  






<感想>
Webコバルトの新作総選挙という不思議な(笑)企画ページで見つけて、表紙に一目惚れしたので買ってみました。 この総選挙企画、得票数を競わせて票の多い作品のシリーズ化を決定するらしいんですけど……正直に言います。 この作品が続かなかったら勿体ないですよ! っていうか、こんだけ「次回へ続く!」って設定もりだくさんにしておいて、続かなかったら気になって悶々としちゃいますよぅ ヾ(>Д< ;)。 何でこんな企画なんだ・・・(大失礼・笑)。  


ところで唐突に表紙の解説を致しますと(笑)、中央にいるのがクレア嬢。 彼女にとってはコンプレックスでもある白い髪が美しいです。 手にのっているのはクレアの騎士(?)である、リスのオーガスト。 何気にヒーロー役二人よりも活躍してたっていうすごい子ですw  で、黒髪の青年がクレアの腹違いの兄・セドリック。 実は私、てっきり彼が相手役だと思いこんでたんで、違って残念でなりません! ちなみに彼、口を開けば悪口ばかりな隠れシスコンです。 そして徹底的に報われてません。 たぶん初恋はクレアの母なんじゃないの?ってレベルで報われない彼が愛しくて堪らない(笑)。 もう一方の金髪青年が、宝石商のジェレミー。 正直に申し上げると、私にはあまり萌え要素のない相手役で・・・(えー・笑)。 まぁ、クレアを巡ってセドリック(人間、しかも兄)よりも、オーガスト(リス)に苦戦してるあたりは楽しくて良かったなwwと思いますw(鬼か。←笑)。 


強い思念を秘めた宝石の謎解き要素と、ヒロインたちの恋愛模様、それらの影で暗躍する秘密結社の存在・・・そんなものがバランスよく纏まっていてるお話で、なかなかに楽しく読めました。 クレアとジェレミーの距離が近付いていく前半は、わりとほのぼのな雰囲気。 かと思うと後半は一転してちょっとダークな要素が盛り込まれてきて、その意外性が楽しい。 私は石が好きなので、アンティーク・ジュエリーという設定も好みだったし、宝石に秘められた謎を解くミステリ展開も好きな要素。 魔術というファンタジックな設定も、舞台がヴィクトリア朝だとすんなり馴染んだ上により雰囲気が出るから不思議です。 ただ欲をいえば、せっかくのアンティーク設定をもっと生かしてあれば良かったな、と思います。 物語の設定上、宝石が呪いや魔術の道具として描かれがちなので、石の種類や魅力の説明などを通して「宝石そのものの良さ」のアピールがあればもっと嬉しかったな。


さて。 この作品のキーワードは「一方通行」だと私は思ってます。 宝石の声は一方的に聞こえてくるだけでこちらの言葉は届かない、というクレアの認識=誤解は、実は物語全体に言えることだなぁと。 だって最終的にクレアの危機を救ったのは、彼女の声に応えないはずの「レディ・アン・ジュエル」なんだもの。 クレアと宝石の関係は決して「一方通行」ではないことに、彼女は気付いていないだけなんだよね。 それは対人関係でも同じで、クレアはジェレミーとだって一方通行な会話しか成立できていない。 どれだけ心配をしても届かないし、逆に、ジェレミーの恋心だってどこか上滑りした状態でしかクレアに届いていない。 ・・・そういう意味では、宝石も人間も等しく一方通行だなぁと感じました。 オーガストのようにはじめから好意全開でクレアに懐いてくれる存在の方がミラクルで、基本は最初からなんてうまく意思疎通できません。 ここの登場人物たちは、まずみんなリス以下のスタート地点(褒めてます!・笑)から人間関係を始めるんだな、と思うと、何だか応援したくなっちゃったんですよねw このまま少しずつ相手を理解して、距離を縮めていって、一方通行が相互通行になったときに初めて、クレアは宝石の秘める力を最大限にひきだせるだろうし、ジェレミーとの恋も実るんだろうと思います。 そしたらやっと、セドリックの妹愛も彼女に伝わるのかもしれない!(笑)


一方通行といえば、敵側であるロビンがレディ・アンに向ける執着心が恐ろしいまでに一方的で、しかも厄介。 すべての元凶がこの異様な執着心にあるのだとしたら、レディ・アンはそんな彼のことを愛していたのか、それとも恐れていたのか・・・? 何となく、両方なんじゃないかと思います。 だとしたら、彼女の想いもまた一方通行だったのかな・・・? あと、現時点で彼の狂気のいちばんの被害者は、実は、手を組んでるはずのバーナードでなんじゃないかな?と私は思ってます。 王のごとき存在感を持っていても、優秀な頭脳を有していても、バーナードはまだ子供。 その子供が抱くには、彼の姉への想いは少し偏執的過ぎる。 「ラプンツェル・ダイヤモンド」の二人を騙して封じ込めたように、自分との協力関係のためにロビンがそう誘導した・・・と考えるのは難しくないように思うのです。


そう考えるのにはもうひとつ理由があって、「エデン・ブルー」を持っているのもロビンなんじゃないかなっていう予想があったりします。 セドリックとジェレミーが「エデン・ブルー」について話している時に、近くにいるはずのロビンが全く無反応なのが変だなぁと。 ロビンが所有してないとしても、何らかの情報は知ってるはずだと思うんですよね。 でも、バーナードは「エデン・ブルー」を知らなかった。 そこに、ロビンとバーナードの間の隔たりを感じてしまい、バーナードは利用されてるんじゃないかなーという読みに至ったんだけど・・・どうだろう? でも彼がクレアに求婚したのはあれですよね、「レディ・アン・ジュエル」が欲しいっていうだけではなく、姉が生き返ったときの「器」としてクレアの肉体を使うつもりなんだろうなぁと。 う~ん、やっぱり意外とダークだなぁ(註・あくまでも予想ですw)。


という感じで、ついついミステリ要素に反応していろいろ考えちゃいました。 こういう考察っぽいのは好きなので、楽しかったですw  しかし、返す返すもセドリックが兄なのが勿体ないよっ!(笑) 何でジェレミーにいまいち萌えないかというと、クレアに惚れた理由が「自分を理解してくれそうだから」という点が納得いかないから。 たぶんそれが理由じゃないはずなのに、本当はもっとクレア自身をみて好きだと感じているはずなのに、そこに気付かないところが減点項目です(笑)。 セドリックはあれで意外と誤解を恐れずガンガン悪口を叩く=本質的に関わりを厭わない人なので、一方通行色が強い登場人物の中で無意識に相互通行をしようとしているところがポイント高い。 あと単純に見た目が好みです(コラ・笑)。 対人スキルでうまく立ち回ってるわりには、大事なものを見落としがちなジェレミーくんは、今後の成長が楽しみ・・・なんだけど・・・そもそもこれ、ホントに続くのかな?(そして感想の冒頭に戻る。笑)。







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