小椋アカネ 『彼女になる日』 の感想

彼女になる日
『彼女になる日』


小椋アカネ


白泉社花とゆめコミックス
2013年7月10日 第1刷発行/429+税





今迄と違うのは この柔らかい身体だけ
ただそれだけで浮つく気持を 果たして恋と呼べるのだろうか


<ご紹介>
花とゆめコミックスとしては初の「描き下ろし」コミックスのうちの1冊 (丸ごと描き下ろし、とありますが、実際には1話目のみ雑誌掲載され、続きの部分が描き下ろしというスタイル)。 性転換ラブコメディです。
三芳と間宮は幼馴染。 何でもそつなくこなす間宮に対し、女嫌いな三芳はスポーツでも勉強でも勝負を挑んでは負け続ける日々。 いつか勝ってやる、と思っていたある日、突然間宮が倒れてしまう。 しかも、目覚めた間宮は「羽化」と呼ばれる自然現象により、女性の身体に転換してしまったのだ! 顔と性格は変わらないのに、長く伸びた髪も、膨らんだ胸元も、細い腕も――弱い力も、全てが昨日までとぜんぜん違う。 事実をあっさりと受け入れた間宮に対し、三芳は戸惑いっぱなし。 なぜか動悸も治まらないし、一体どうなる、この関係!?






<感想>
すごくドキドキしながら読みました! 三芳と間宮のぎくしゃくした関係が堪らなくときめきくっ! いや実は私、性転換モノってあんまり好きじゃないんですけど、これは設定とお話が無理なく結びついて独特の空気感を生んでいて、違和感を抱かせないのが本当にお上手。 白泉社の少女マンガって、1話目の冒頭3~4ページで世界観・設定をきちんと表現する技術が素晴らしいなといつも思うんですが、このお話も例に漏れず、もしくは例を上回る完璧な導入だったんじゃないかと思います。 


お話としては、女性の数が減ると男性が女性へ転換する「羽化」という仕組みが出来上がっている世界が舞台。 その部分だけがSFというかファンタジー要素なだけで、あとは現代日本と変わらないんだけど、「羽化」は通常幼少期にしか起こらないので間宮はレアケースであるとか、そのため身体に負荷がかかりやすくなるとか、最終話の「繭」だとかの、物語を展開させていく要素が生まれているので、土台をこの設定にしたのがまず正解だと思います。 三芳側にも「女嫌い」という要素があるおかげで、二人の関係がぎくしゃくしてしまうことにも説得力が増してました。 でもだからこそ、ぎくしゃく→気になる! に移行するときの気持ちの移り変わりは胸に迫るものがあって、最初にも書いたとおり、本当にずっとドキドキが止まりませんでした。


そんな舞台の中で、お話のほとんどが三芳と間宮だけで展開します。 これが二人の特殊な関係を際立たせているので、結果ニヤニヤ度が増す素敵な仕組み。 基本的には三芳目線で語られるので、お話がとても純情路線なんだけど、ちょうど中間の3話目だけが間宮視点で色っぽいです(笑)。 この辺、性格の違いもよく分かって楽しいですねw 生理っていう身体の仕組みを取り入れたのも、分泌されるホルモンが変わることで間宮の気持ちにも変化が生まれる → 恋が動く、に繋がるので、展開上手いなぁと思いました。 


まぁ生理の反動で三芳が間宮に押し倒されちゃう(笑)訳ですが、真っ赤になってる三芳がこれまた可愛くてですね! もう完全にヒロインだろ、と思いながら読んでました(笑)。 かと思うと、最終話で気持ちが通じ合った時に、「このまま抱きしめても?」と尋ねるときの色っぽさったらないです! どこにその色気隠し持ってた!?と私は焦りました(なぜ・笑)。 「羽化」ってそもそもは「さなぎから成虫に脱皮する」って意味だけど、そういう点では三芳も「羽化」したんだなぁと。 間宮とは違う意味で、単純に恋を知って、それまでのヒロインポジションから「男」へと「羽化」したんだろうなって。 間宮をまっすぐ見つめる視線は、見ているこちらが恥ずかしくなるくらい純粋で、素敵でした。 間宮を支えられるようになりたいと彼は思ってたみたいだけど、たぶんとっくに、それ出来てるよ。 土壇場で思い切りが良いのは、三芳のいちばんの強みだと思います。


まぁそんな感じで成長はしつつも、二人の関係においては、間宮の性別が変わったしまったことは間違いなくて。 物語のポジションとしてのヒロインは間宮だけど、それは三芳への恋が物語を動かしていたという点だけで、キャラクターに違いはないまま。 なので、作者さんも書いてますが、性転換モノとはいえ精神的にはBLの関係・・・なんですよねー。 でも、女の肉体がなければ生まれない恋であることも事実。 その辺の面倒くさい部分が、二人の気持ちを通すと互いを思い合うじれったい感情に昇華され、結果としてときめきの増幅効果に繋がっるからスゴイ! 何ていうか、BLでもあるし、BLじゃない要素もあるから、その分二人の気持ちの揺れ幅も大きくなっているし、両方の恋心を味わえる仕上がっているんだと思います。 そのバランスが絶妙だっていうのが、いちばんの魅力で、ときめきポイントでした。 コメディありつつの実はシリアス系なお話で、しっとりした雰囲気で締められたのも良かったと思います。 





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