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橘裕 『眠れない夜のおはなし』 の感想

眠れない夜のおはなし
『眠れない夜のおはなし』


橘 裕

白泉社花とゆめコミックス
2014年8月10日 第1刷発行/¥429+税




『 あたしはあんたと違って 身体張れる価値あるものを知ってるからね 』


<ご紹介>
白泉社LaLa系作家では大ベテランな橘さん。 最新作は、ご本人念願かつ最初で最後の(らしいです)ホラーコミック! 読みきり5編を収録した、残暑の夜にぴったりな1冊です。
夢を見る。 とても恐ろしい夢。 髪の長い血塗れの少女と、無表情に少女を引きずる男の夢。 その次は、大声で泣き叫びながら身体のあちこちを切り落とされていく女性の夢。 切り落としているのは――私!? 世間を揺るがしている、ロングヘアの女性ばかりを狙う猟奇殺人を案じするかのような夢を、なぜ自分が見続けてしまうのか……。 そう思い悩む菅原の前に、ある日突然、藤井まどかは現れた。 「忘れもの。菅原さんのでしょ?」 そう手渡されたカメラは確かに自分のもの。 でも、いったいいつカメラを忘れたの? 私はいったい、何を忘れているの……?(REPLAY)


<感想>
というわけで、ホラーです!! このブログでホラー作品を扱うのはたぶん初めて。 ・・・なんですけど、もしかしたら作者さんがっかりしちゃうかもしれないけど、私の感覚的には 「ん?ホラー??たしかにいつもの橘作品よりホラーだけど、でもやっぱり橘作品だよ。大好きだよ!」 って感じでした。 ホラー苦手な私的には最大級の賛辞です! でもそれが作者さんが欲しい賛辞とは違うんだろうなってことも分かってる……せつないです。 





コミックスの帯にも、「橘裕の新境地」 ってあるんですけど、違うんですよ、橘さんは元々作品の随所でホラー要素を取り入れてるし、私みたいな長年ずっと橘さんが大好きで大好きでストーカーみたいになってるファンからすると (嫌なファンだな・笑)、新境地でも何でもないんですよ! むしろ、真骨頂っていうんですって主張したいっ!! こういうのがずっとやりたかったんですよね。 念願叶って良かったです、おめでとうございます!!


それにしても、白泉社のカラー的な問題なのか分かりませんが、ホラー作品を描くって難しいんですね……主に作家と編集部との戦いという意味で。 今までのコミックスのあとがきなどからも漠然と感じてましたが、今作を読むとその難しさの具体例がよく分かります。 1/4柱コメントやあとがきでは、血液量や肉体の切断面の見せ方などを編集部にチェックしてもらいながら描いた経緯や、コミックスタイトルにまつわる 「えぇぇ?」 な話がけっこう赤裸々に書かれていて、読んでるこちらが 「橘さんそれ書いて平気なの・・・?」 とドキドキするほどでしたが、そこ書いちゃう人だから私は橘さん好きなんですよねー。 


そんなバトルを経て誕生したホラーコミックスを 「ホラーじゃないよ」 とか思っちゃうのは大変心苦しいんですけど……いやホラーテイストなんですけど、それ以上にやっぱり 「橘作品」 なんですよ!!(力説!)。 あらすじにも書いた 『REPLAY』 という作品は、ホラー特集号っぽい雑誌 『赤LaLa』 に掲載されたときに読んだのですが (ちなみにその時の感想はこちら⇒『赤LaLa』 の感想 ・その1)、そこでも 「橘さんらしい」 って書いてますね。  ちなみに私が挙げる 「橘さんらしさ」 は、綺麗な絵柄、(良い意味で)お下品なエロ、背徳感、ホラーテイスト、処女性、そして強力なラブコメ。 今作ではラブコメとエロを封印してますが他は健在ですし、ホラーをちょっと強めた感じに仕上がっています。 


ただ、それ以上に私が感じたのは、むしろミステリ的リードの上手さ、でした。 ラストに向かうための伏線の仕掛け方が、とてもスマートで無駄がないのが素晴らしい。 今回コミックスで再読したときに、藤井さんが 「大切にしてたでしょ?もう失くさないようにね?」 と語るシーンで泣いてしまったのですが、これも伏線なんですよね・・・。 藤井さんは、 「大切にしてた」 んだ、自分の 「想い」 を。 そして、 「想い」 が向かう対象のことを。 彼女は確かに、大切なものをもう失くすことはない。 だって、彼女が守ったから。 でも、失くさないようにし続けることは、もう出来ないんですよね……。 そう思うと、せめて菅原さんには、ずっと大切にし続けて欲しい。 彼女が守ってくれた、菅原さん自身のことを……。 


●クマさんと一緒
ウィルスによって人が生きながら死ぬ――ゾンビ化した日本が舞台。 ゾンビとクマさんと可愛い幼女と強いお姉さんをメインに、親子愛と男女愛と自尊心を描いたお話です。 クマさんとゾンビの組み合わせってオカシイですよね・・・でもそれで世界観が成立するんだからスゴイです。 お姉さんの最後の決断がカッコ良くてせつないんですけど、ちゃんと会いにきた彼氏さんもせつなくて・・・。 ただ、まったく救いのない世の中でも、 「救い」 は自分で見つけるんだ、というメッセージみたいなものが強く伝わってきました。 二人きりの奇妙な親子も、実らなかった恋も、それでも信じられる人がいてくれることの幸せって、本当に尊いんだと思います。 内容的に次の 『R-15ホラー』と対照的な作りになっているのが巧い構成でした。


●R-15ホラー
この1冊から一番のホラーを選べ、と言われたらやはりこの作品です。 世界観はたぶん 『クマさんと一緒』 と同じで、人がゾンビ化するようになってしまった日本。 幸せな花嫁だったはずなのに……というショートなんですけど、ショートだからこそ光るというか怖いというか。 ただこの場合の 「怖い」 は、ゾンビが怖いんじゃなくて、人間の欲望が怖い、ってことです。  『クマさんと一緒』 では人を愛することが生きる強さにもなるし、死ぬ理由にもなることを前向きに描いてましたが、実は同じことをこの 『R-15ホラー』 でも描いているのに結末が間逆なんですよね。 愛するがゆえに死を望んだ旦那と、生きることを望んだ妻と、恋する人のために精神的に人間であることをやめてしまった男と。 怖いのはゾンビではなく、人の欲望です。 でも、それがあるからこそ、人間は生きていけるのです。 失ってしまったから、この作品には死者しかいない。 それがやっぱり、恐ろしいのです。 これがホラーか。


●あの森に沈む月
2005年の作品かぁ、懐かしいです! 合コンのセッティングばかりやって彼氏を作る気配のないヒロインと、たまたま合コンに参加した男の人を巡るお話で、そこはかとなく漂う背徳感が好きな作品でもあります。 ただ、それ以上がないのがちょっと残念なんですよね……個人的にはもっと描いちゃえば良かったのにって思いますけど(笑)難しいんだろうなぁ。 あれだと、分からない人は分からないまま終わっちゃう気がします。

●欲望列車
エロとラブで構成されたショート。 個人的にはやっぱりこのお話がいちばん好きで、ラブコメ万歳って思っちゃいます(笑)。 私は基本的に一目惚れって信じてますが、上手くいかないことだってありますよね…特に疲れがちな日本人ですもの、都合の良い夢を見たくなるヒロインの気持ちだって分かります!! 幸せな妄想をしたっていいじゃないですかぁぁぁぁぁ (←何があったりるさん・・・笑) 今回の一目惚れは失敗だったけど、でもそれ以上にドラマチックな結末がヒロインを待っててくれたのが嬉しくって仕方ないです。 これぞご褒美ですから! 個人的には、年下彼氏モノのラブコメがこの世でもっともドキドキすると信じてるので(笑)、おばかな高校生男子くんにぜひ頑張って欲しいです!! あ、痴漢はマジだめですよ。




⇒橘作品ではこちらの作品が私のナンバー1です。
天然癒し系な保険医・千鶴ちゃんと、彼女にメロメロになってしまう秀才高校生・久我くんとの、ちょっとえっちな(?)ラブコメディ。 千鶴が一途に思い続けた初恋を乗り越えていく展開には涙が止まりませんでした・・・!! でも、なんかこの表紙の久我が幸せそうで、それはそれでちょっとイラっとしますw(でもそこが好き・笑)。
Honey 第5巻 (白泉社文庫 た 2-13)
橘 裕
白泉社 (2012-01-17)




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