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小椋春歌 『月と夜の物語1 魔神の王と祝福の乙女』 の感想

月と夜の物語1 魔神の王と祝福の乙女
『月と夜の物語1 魔神の王と祝福の乙女』



小椋春歌

KADOKAWAビーズログ文庫
2014年7月15日電子版ver.1.0発行




シャールカーンは不遜な従者を叱り、両の拳を強く握った。
「ザイン、お前、め────────────────────っ……っっっ」 
ぐっと極限まで力をため、カッと目を見開いた。
「──────────っっちゃくちゃライラのこと気に入ってるだろ!?」
「気に入ってますね」 
非難めいた主の視線に微笑み返し、腕の中で眠る少女の黒髪に触れる。
「だって可愛いじゃないですか。初めて会ったときなんて怯えて泣いてたんですよ? それを見たときにあー可愛いなぁと思って」
「お、お前は最低だ……」


<感想>
少女小説で表紙は大切! ということで、この作品も表紙に一目惚れして出逢いました。 だって可愛くないですか? 何だか本当に無防備で「え、何々?何で抱き寄せられてるの!?」的なライラちゃんと、ちょっと不遜な表情で彼女を奪い寄せるザイン。 そして魔法のランプ。 瑠璃色に染め上げられた世界で、輝く月と半月刀がなんとも神秘的です。 ただでさえ私はアラビアンな世界観に弱いのに、こんな魅力的な表紙見せられたら気になっちゃうじゃないですか! ということで、一目惚れした瞬間に「購入する」ボタンクリックしましたからね(笑)。 読後に思いましたけど、この獲物を逃がさない勢いはちょっとザインっぽい……知らないうちに感化されてたかもしれません(笑)。 ちなみに電子版で読んでます。 上の書影も電子版ですのでご注意ください。





お話は、辺境の平和な村で薬師として生活していたライラの元に、魔神が封じられているといういわく付のランプが持ち込まれたことから始まります。 魔術の心得が一応あるものの使う機会がなかったライラは、不慣れな魔術で何とかランプの魔神と話をすることに成功。 でもその夜、突如現れた剣士ザインにランプ共々連れ去られてしまう。 連行された先は南国の王子・シャールカーンのテントで、ライラはそこでシャールカーン達とランプの魔神が知り合いであること、魔神の伴侶であるはずの姫が悪い鬼神にかどわかされてしまったことを知らされる。 最初の出会いとは打って変わって優しげに接してくれるザインに説得され、気付くとライラも姫救出の旅に加わることになってしまい──!?・・・という、魔術と恋と冒険の物語でした。 結構本格的に冒険ファンタジーだったので、ラストバトルとか手に汗握りました!


魔神やランプと聞いてイメージするのは『千夜一夜物語』だと思うのですが、作者さんもあとがきでそのオマージュだと書かれていました。 ちなみに私も大好きです! もっとちなんじゃうと、作者さんは『千一夜物語』と記載されていましたが私個人としては『千夜一夜物語』の表記が好きです(笑)。 いやでもどっちでもイイんですよこれ。 そして原題は「アルフ・ライラ・ワ・ライラ」と言いまして、そう!アラビア語で「ライラ」は「夜」という意味なのです。  ヒロインの名前がライラなのはまさに作者さんのオマージュの結果なんだろうな。 作中でも唯一神を崇めたり、挨拶として必ず神と人をたたえる言葉を述べたりしていて、作品の中東風なイメージを強めてくれます。 かといって、そういう世界観を説明文で押し付けることはなく、会話などから自然にひきこんでくれるとても吸引力のある文章でした。 初読みの作家さんでしたが、読みやすいし登場人物同士の会話もとてもテンポ良く進むしで、一目惚れして良かったなぁと自分の見る目の高さに惚れ惚れしましたよw(そこっ!?・笑)。


どこまでもお人よしなライラちゃんですが、この子がこれまた可愛くてですね……っ!(笑) どのくらい可愛いかと言うと、この記事の冒頭で引用したザインとシャールカーンの会話からも分かるように、日ごろ己の腹黒さを敬語と笑顔で軽減するどころか増強してるようなザインさんが、彼女の怯え顔で一気にテンション上がるくらいに可愛いのです!!(いやそれ犯罪臭プンプンですから・・・笑) ライラの反応がいちいち可愛いので、あたふたする様子を眺めて愛でたくなるザインの気持ちがものすごくよく分かるという新しい扉を開きました(笑)。 

それはともかく、ライラの「まずやってみよう!」という心意気が、一番好きなところかもしれない。 ライラは、ランプやら王子たちに何度か魔術を使うよう懇願されるわけですが、そもそも相手とは初対面だし何だか失礼な人たちだしいろいろ強引だしで(男性陣サイテイだな・笑)、「関係ない」って断ったっていいわけですよ。 もちろん断ってるけど、どちらかというとそれは自信のなさゆえだし、最後には「やってみよう」って思える度胸がある。 途中ずっと魔術書を読んで勉強してたのもそうだけど、いろんなことにいつも一生懸命で好印象でした。 少し気になったのは、シャールカーンに脅されてルーダイナの封印を解いたシーン。 「言いきると同時に、何かが身体の中で弾け飛んだ。」という表記があるんだけど、これってルーダイナの封印と同時にライラの封印も解かれたってことなのかなぁという気がしました。 彼女が魔術に不慣れだったのは、使う機会がないせいと、何らかの封印故なのかなーって。 憶測ですけど、ちょっとインプットしておこう。


で、ヒーロー役のザインさんですが。 さらりとした笑顔と腹黒さをにじませた敬語で、意外とキザなことも出来ちゃうっていう、とてもりるさん好みのキャラクターでした。 何よりも、ライラのことをちゃんと好きなのに、その「ちゃんと」の方向が歪んでるっていうところが大好きです!(笑) 一旦別行動をすることになったライラのことを思い出して、「(ライラが)珍しいものを見ては喜んでくれたり、砂漠の獣に怯えてくれたり、疲れて眠ってしまったり、弱ってぐったりしたり」する姿が見たいって思うシーンがあるんですけど、どう考えても思考の後半が歪んでる(笑)。 でも、彼的にはそれがデフォルトの愛で方なんですよね。 良い方向に考えれば、好きな子だったらどんな状況でどんな顔してても可愛い、ってことなのかも……しれない……(書いてて自信がない・笑)。 むしろライラ以外見てないくらいなので愛情深いことに偽りはないんですけどね、問題は方向性でして、でもその歪んだ純愛が楽しかったです。 しかも、こんだけ押しといて結局プロポーズの答え貰ってないっていうね!!(爆笑w)  その他にもシャールカーンとザインの下克上トークや、ヤンシャー王のラブバトルも楽しかったし、この人ホントおいしいです。


物語のクライマックスとなる鬼神ラーフとの戦いも盛り上がったなー。 描写がしっかりしているからか、人物の立ち位置や魔術などが映像っぽく伝わってくるんですよね。 ルーダイナとライラが敵の先を読む攻防戦とかも、アニメで見てるみたいな説得力がありました。 個人的には、ザインが鬼神の炎を気にしないで突っ込んでいくシーンが好き。 あれって、ライラが守護してくれるっていう絶対の信頼があるから出来るんですよね! さっきまでさんざんザインの愛情の方向性に疑問を呈してましたが(笑)、愛情と信頼の深さはゆるぎないものだって信じさせてくれます。 ジャスミン姫と出会ってからのルーダイナは敵なしの強さと美しさを、シャールカーンもザインとヤンシャーとの間でツッコミ調整役として苦労してきた鬱憤を晴らすように(笑)恋人を守る意思をそれぞれ見せ付けてくれたので、作者さんがあとがきで書かれていた「全力で最高のハッピーエンド」にぴったりでした。 登場人物の造形面でもストーリー面でも満足のいく作品に出会えて良かったです! 続編あるみたいなので、また電子書籍になったら読むですよ☆




●紙媒体はこちら。続編も出てます!

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