さき 『アルバート家の令嬢は没落をご所望です・2』 の感想

アルバート家の令嬢は没落をご所望です・2
『アルバート家の令嬢は没落をご所望です・2』



さき


角川ビーンズ文庫
平静27年8月1日 初版発行/¥600+税






<ご紹介>
Webサイト『小説家になろう』にて連載された小説の書籍化第2弾。 カラーピンナップ付。
大貴族アルバート家の令嬢として申し分のない人生を送ってきたメアリは、ある日唐突に「前世」を思い出す――そう、この世界が前世でプレイしていた乙女ゲームの世界であるということを。 その日からゲーム通りの没落人生を目指して邁進していたはずなのに、何故か迎えた結末は大団円。 最大の理解者である従者のアディと離れずに済み、ライバルのはずだったアリシアという親友(?)を得て、婚約を解消したパトリックとも良好な友人関係を築き、念願の大学にまで通える幸せな日々を送っていた。 けれど、メアリはまたも気づいてしまった。 この大学生活が、あの乙女ゲームの続編の世界であることに!! メアリ同様に前世の記憶を持つ少女が難関の逆ハーレムルートを突き進むことで、メアリの周辺はまたしても波乱含み。 しかも長年の初恋を拗らせていたアディがついにメアリに愛の告白をしてきて……!? ドタバタ主従の恋の行方は!?


<感想>
というわけで、2巻の発売を楽しみにしておりました! 1巻が楽しかったんです。 楽しすぎて思わずWebで続きを読破しちゃうくらいに楽しかったんです。 で、読破した結果「ラブコメは続編の方がすさまじいではないですかっ!」という結論を得たので、もう毎日のように「2巻が発売しますよーに☆」と祈ってました(笑)。 あとイラスト! 1巻で一目惚れしたと言っても過言ではない表紙イラストが、さらに艶っぽくなった2巻の表紙も素晴らしい。 初恋拗らせたまま20代も半ばを迎えた男性がこんなに色っぽいとか嘘だ!とか思いながら見惚れてました(ヒドイ・笑)。 表紙のメアリがドリル装備なのも嬉しかったです。 





前作でストーリーの根幹に関わっていた「前世の乙女ゲームの世界」という設定は、この巻ではさほど意味を持っていません。 もちろん、なくはないです。 ただ、1巻より薄目かなって。 メアリはゲームの続編には登場しないのだから当たり前、という見方もあるかもしれないけれど、個人的には前作でメアリがゲームの呪縛を打ち破ったからだと思ってます。 今の幸せは、メアリがアルバート家の令嬢として正しいと思ったことをやり遂げたからこそ得たものなわけで、これからの彼女の未来は自由で無限なんだって思えるから。 冒頭でドリルが消えたのも、その証なんじゃないかなーって。 なのでその設定は生かしつつもメインに据えられていないような気がします。


とはいえ、世界の仕組みを知る者としてメアリも「続編乙女ゲームの世界」に巻き込まれることになります。 でもあくまで「続編」。 なので、1巻の世界観を保ちつつもメイン設定ではないことに違和感もなく読み進めることができます。 続編の新キャラであるパルフェットさんはその打たれ弱さゆえにある意味存在感ありまくりだし、愛の狩人さんもなかなか強烈だったけど、でもやはりメインではないなっていう感じです。 そんな訳で、「転生モノに興味ないな」という方(ちなみに私もこのタイプです)や、「逆ハーレム系なんてハシタナイ」という方も問題なく読めると思いますよ。 だってやっぱりこのお話、特に2巻の展開って、メアリとアディのお話なのですよ! 冒頭から繰り広げられるメアリとアディの掛け合い漫才に、「これよこれこれ、このテンポ感やっぱり最高・・・!!」と楽しむのが正解なのだと思うのです。 ぜひすれ違いラブコメがお好きな方にこそ、この楽しさを味わっていただきたいものですー。


それにしても、毎度メアリさんの毅然とした在り方には頭が下がるばかりです・・・かぁっこいい! 私、こんな風になりたかった! いやアルバート家の後ろ盾がない以上あの態度を貫くことは不可能なんだけど、そんなことはメアリだって分かってるわけです。 ただきっと彼女なら、アルバート家の後ろ盾がなくたって(それこそ北の大地に飛ばされたって)、相手との正しい距離感を保ちつつ「メアリらしさ」を貫くんだと思うのです。 令嬢らしい潔癖さ、芯の強さ、凛とした立ち居振る舞い……メアリの魅力はたくさんあるけれど、個人的に感じているいちばんのメアリらしさは「寛容さ」。 どれだけアルバート家の使用人たちに無礼を働かれても、アリシアに何度打ち負かされても、パトリックに助けを求めてスルーされても、ツッコミを入れるだけで全部をゆるしてしまうメアリさんが好きです。 自分に厳しく、相手にも厳しいけど相手らしさを認めてあげるメアリさんが大好きなんです。 かと思うとガイナスとの見合いのように毅然とふるまえるのがとにかく素敵。 メアリの言動をずーっとみてても飽きない自信があるくらい、私は彼女にメロメロなのですよ。


なのでやっぱり、そんな彼女には幸せになって欲しくてですね!(唐突・笑) というか、メアリとアディに幸せになって欲しかったんです。 一人留学していても、常にコップを2個用意しちゃうメアリさんを見るたびにそう思ってました。 なので、中盤の展開――結婚へのドタバタのくだりはもう、心臓がドキドキしすぎて胸が苦しくなって指先までじわじわと痺れてくるくらいに(大病かよ!・笑)ときめきました! アディと結婚する理由が分からないのに迷いがないメアリさんが愛しいし、結婚の手段として欲した爵位を得るはずがなぜか結婚が成立しちゃったアディの戸惑いも楽しいし、今までの感謝とか友情とかのさまざまな感情をぶち込んで計画を推し進めたパトリックがカッコイイしでもう大変です! 


アディの恋心に気付かないままのメアリとアディの関係も楽しくって大好きでした。 アディの不憫キャラぶりは板につきすぎていてむしろ楽しくて(何しろ初恋期間=お嬢の年齢ですしw)、何度スルーされてもきっちりアピールするし、でまたスルーされるし・・・の繰り返しは傍で見てる分には最高の酒の肴です(笑)。 彼の純情を見せつけられるたびにニヤニヤが止まらなくて、パトリックじゃないけど彼の肩をぽんと叩きたくなるってもんです。 メアリなんて恋の自覚がないくせに、行動原理が「アディと一緒にいる」ってことなんだからもう・・・もう・・・っ、何この可愛い生き物たまんない!!ってなるんですよ。 


でも。 それでもやっぱり、想いが通じ合ってからの二人の方が何億倍も素敵でした。 結婚してから告白とプロポーズをされて初めて恋に気付くだなんて、何もかも順番が普通とは違っていて、でもそれがすごくメアリとアディらしくて微笑ましくて。 あのメアリが逃げ出したことには驚いたけど、アリシアちゃんとの深夜の密会で深まる友情がものすごく温かくて、「王女様みたい」っていう最大級の褒め言葉がメアリの口から飛び出したのも嬉しかった。 メアリは恋と同時に友情にも気付けたんだなって思うと、あの夜会で彼女が得たものは一生の宝物なんだと思うんです。 アディにしても、やっと恋が実ったと思ったら屋敷中に言いふらされて真っ赤になる姿はやっぱり不憫で楽しくて、でもそれすら幸せなんだろうなーって思うと愛しくて。 ここから結婚披露パーティーへのくだりはどこを読んでも本当に幸せで微笑ましくてキラキラしてて、読んでいる間ずっと私まで幸福感でいっぱいでした。 アディ報われてよかったね!!と涙目になりながら祝福してました(笑)。 アリシアとパトリックが触発されてしまうのも無理はないです。 幸せの波及力ってものすごいんだな!と思わされた、大好きなシーンでした。 

 
ラストページの双葉はづきさんのイラストも本当に素敵で作者さんも感謝されてましたが、その気持ちすっごくよく分かる! あの落差がメアリとアディなんですよね♪ 1巻の感想に書いた通り、私がこの作品と出会えたのは表紙イラストのメアリさんに一目惚れしたからなんだけど、始まりも、終わりも、はづきさんがしっかり決めてくれた感じです。 実はWEBの方ではこの後……つまりメアリとアディの初夜(!)のお話とか、パトリックが求婚をした後日談、続編登場人物のその後のお話・・・などもあったりします。 これらも例にもれずドタバタしつつも糖度のあるお話になっているのでオススメですよ。 少なくとも私はこの感想を書くにあたって2巻を読み返したら後日談も読みたくなってしまったので、これから3度目の読み返しに行ってまいります! ではでは。




○Kindle版あります○





Loading...
Secret

☆Web拍手ボタン

押して頂くとりるがハリキリます(笑)

☆カテゴリ

☆サブカテゴリ (タグ)

 

☆最新コメント

☆リンク(おすすめサイト様)

☆アクセスカウンタ

QRコード

QRコード

RSSリンクの表示

アクセス解析

関連記事Loader

[猫カフェ]futaha

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

☆検索フォーム

☆購読予定一覧

☆アニメDVDの人気ランキング

☆更新日カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

08月 | 2017年09月 | 10月
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30


☆オススメ