こうち楓 『LOVE SO LIFE・17(完)』 の感想

LOVE SO LIFE・17
『LOVE SO LIFE・17(完)』



こうち楓


白泉社花とゆめコミックス
2015年9月25日 第1刷発行/¥429+税





『 俺達に必要だったのは 完璧なベビーシッターさんではなくて
中村さんだったんです 』


<感想>
双子が静岡へ引っ越す前日。 松永家に初めてお泊りする詩春に、双子は大興奮♪ 翌日、竹川さんが迎えに来たら、本当にさよなら・・・。 いざ静岡へ出発の時間。 茜ちゃんと葵くんは・・・!? そして詩春と松永さんの恋の結末は・・・!? 詩春と双子のハートフルDAYS、感動の最終巻!!(裏表紙あらすじ)

というわけでこの17巻が最終巻でした。 ここまで読ませてもらえてとても嬉しかったです。 ありがとうございます!と何度感謝を口にしても足りないくらい、この作品が好きでした。 だって作品のあちらこちらにたくさんの「愛情」が詰まっていて、どこを読んでも気持ちが温かくなるんです。 前巻からつづいて別れというものが描かれていたので、せつなさも含まれています。 でもやっぱり、それ以上の愛情を感じるのです。 お花見のシーンで詩春ちゃんがとても可愛いお弁当を作っていましたが、私にとってこの作品はあのお花見弁当みたいなイメージだったりします。 一つ一つ形の違う愛情というものが、いろいろな種類の具材に形を変えて、さらなる愛情を注いで作られて、きれいに可愛く収められてて……だから食べてもぜったい美味しい、みたいな。 本当に心ゆくまで堪能させていただきました。 ありがとうございます!(ほら足りなくてまた言っちゃった・笑)





17巻はですねー、いろいろとお話したいことがたくさんあるんですけどここはやっぱり葵くんでしょうっ! あんな小っちゃかった葵くんが、詩春ちゃんの愛情を(茜ちゃんと一緒に)一身に受けて育ったことで、人間らしさだけでなく「男らしさ」まで学んでいったのかと思うと…思うと…何かもう、恋ってすごいなって。 静岡に旅立つ日、泣いて駄々をこねる茜ちゃんを「いこ・・・」と立たせるシーンは何度見ても泣いてしまいます。 だって、ぜったい葵くんだって茜ちゃんと同じ気持ちだったはずだもの。 行きたくない、詩春ちゃんや松永さんと離れたくないって気持ちに差異はなかったはずなんだもの。 ――それでも。 それでも、大好きな詩春ちゃんが泣いている姿を見て、自分の弱さが彼女を泣かせてるんだということに気付いて、ぐっと涙をぬぐう強さは本当に恰好良くて……これ書いてても泣けてくるくらい素敵でした。 

自分から「ぎゅーってして」と詩春ちゃんに甘えられる茜ちゃんとはちがい、葵くんは詩春ちゃんから手を伸ばしてもらって、それでも戸惑いながら抱きついていく。 本当は、こんなに早く「男の子」にならなくても良かったのかもしれないって思うんです。 もっとずっと子供らしい我がままを言える子でいても良かったのになって思うのです。 でも、葵くん自身がそれを拒んだんだなーって。 大好きな詩春ちゃんを困らせたくなくて、一番いい方法を考えて、ひとり先に大人になった葵くんの勇気が本当に愛しいです。 カッコイイよ葵くん! きっと、詩春ちゃんと離れている間も別れ際の彼女の笑顔と「大好きだよっ!」って言葉を胸に秘めて温め続けて……結果、どんどん初恋を拗らせていく様を想像するだけで楽しいってもんです(←鬼か!・笑)。 私も大好きだよっ。


でもそれじゃぁ茜ちゃんの子供らしさが悪いのかといえばそういうことでは絶対になくて。 唐突に我が家のことを話しますと、うちの妹はそれはもう可愛くて甘え上手で爛漫さも小悪魔さも兼ね備えた(姉とは違って)ハイスペックな娘さんなのですが、意外と茜ちゃんもそんな風になるんじゃないかなって(笑)。 私も妹が先に泣いてしまうから我慢したことは多々ありますが、そこで自分も強くなれたと思うし、妹はより素直な子になれたような気がするんです。 茜ちゃんが先に泣くことで、元々すなおに泣けない葵くんの気持ちも代弁できているのだと思うと、やっぱりこの双子は超絶に可愛い。 茜ちゃんはこのまま、他人の思惑には気付かなくても善意をまるごと受け入れられる女の子でいて欲しいと思うばかりです。 かわいい、かわいいよ・・・!!


さて。 あと残すは詩春ちゃんと松永さんですね。 何ていうか、二人で一緒にいるのがとても自然で素敵だなって思わせてくれるカップリングです。 双子との別れの後、もっと大人のベビーシッターなら上手なお別れができたかもしれない・・・と後悔する詩春ちゃんに、「大人」なはずの松永さんが「俺たちに必要だったのは中村さんです」と答えるシーンが好きすぎます。 詩春ちゃんにしてみれば、自分が未熟だという自覚があるから、そして双子のことが大好きだから、もっとこうなればよかったのに・・・という理想があるんだと思うんです。 もっと成長したひとの方が「上手くやれた」のにって。 でも、大人だからこそ分かることもあって、もし詩春ちゃんがそういう上手さを駆使するような人だったら、人間不信っぽくなっていた松永さんたちの心には響かなかったんだろうなって。 じゃぁどうすれば良いんだって話の結末が、「中村さんがいい」っていう松永さんの名言だったので、もうこの二人どこまでラブラブなんだよ!と(笑)。


このあと詩春ちゃんは号泣してしまうわけですが、ここで私が「あぁこの二人が本当に大好きだな」と思ったのは、二人の間の「距離」でした。 他の少女マンガなら感極まって抱き合ってもおかしくないようなシーンで、詩春ちゃんと松永さんはお互いの手を握り合うだけでした。 いやもちろんラブコメが盛り上がって抱き合ってそれ以上いちゃいちゃしちゃうような恋人も私は大歓迎なんですけど(笑)、そうしないのが二人らしくていいなって思うのです。 つないだ手の温かさをたよりに更なる涙を流してしまう詩春ちゃんと、そんな彼女を見守り続ける松永さんのあいだには物理的な距離があるけれど、それが不思議と心地よい。 べたべたしなくてもちゃんと繋がってる――そんな関係が素敵で、切ないシーンなのにときめいてしまいましたよ。 まぁ詩春ちゃんの泣き顔が可愛いのでそれだけで私ときめけるんですけどね(笑)。


そしてやっぱり最終話の追いかけっこが可愛くてですね!(力説) 靴はかないまま逃げちゃうとか、どれだけ松永さんのこと好きなんだ詩春ちゃん!って思いながら読んでました。 びっくりしすぎてどうしたら良いか分からなくなっちゃうくらい、好きなんですよね♪ 松永さんに捕まったと思ったら、普段の詩春ちゃんならぜったいに言わないような「松永さんが悪いんです!」というセリフが聞こえてきて驚きました。 でも同時に、安心もしたのです。 いつも方々に気を遣いまくる詩春ちゃんも、松永さんになら本音を言えるんだなって。 逃げて、責めて、泣いて、松永さんを困らせることが出来るんだなって。 そして松永さんはその可愛いワガママを受け止められる男性なんだなって。 今までとは二人の関係が変わったことが伝わってきて、ちょっとだけドキドキしました。 ちょっとだけですよ? ぜんぜん、松永さんこのままお持ち帰りしちゃえばいいのに!とか、本当にぜんぜん思ってませんから!(笑) そして詩春ちゃんから目を離してしまったこのトイレタイムを葵くんが後々悔やむんだろうなーって思ってニヤニヤしたりしてませんから!!(←鬼か・笑) 


なんかねー、103話とか直くんがナイスアシストしててこいつホント良い奴だよなーって思いましたし、さり気なく詩春ちゃんと双子に気を使ってくれる竹川さん夫妻も素敵だよなーって思いますし、何よりもしみじみと「みんな大好きだ!」って思います。 102話で詩春ちゃんが「ず――っと 大好きだよ!」って言ってるのですが、私の感情としてもそれが一番近いかな。 穏やかで深い愛情と、優しい赦しに満ちた物語、だった気がします。 最後はやっぱり、「ありがとう」と言わせてくださいね。




●Kindle版1巻はこちら




Loading...
Secret

☆Web拍手ボタン

押して頂くとりるがハリキリます(笑)

☆カテゴリ

☆サブカテゴリ (タグ)

 

☆最新コメント

☆リンク(おすすめサイト様)

☆アクセスカウンタ

QRコード

QRコード

RSSリンクの表示

アクセス解析

関連記事Loader

[猫カフェ]futaha

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

☆検索フォーム

☆購読予定一覧

☆アニメDVDの人気ランキング

☆更新日カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

03月 | 2017年04月 | 05月
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -


☆オススメ