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小林ユミヲ 『にがくてあまい・12(完)』 の感想

にがくてあまい・12(完結)
『にがくてあまい・12 (完)』



小林ユミヲ


マッグガーデン ブレイドコミックス
2016年5月29日初版発行/¥648+税




『 江田は 俺にとって奇跡なんだよ 』


<感想>
家事力ゼロの美女・マキさんと、女に興味のないイケメン・渚との、食ライフラブコメディ、12巻で寂しいことにめでたく完結となりました。 ずっと好きだ好きだと言い続けてきた作品なので 「もう続刊は出ないのか・・・」 と前述したとおり寂しい気持ちでいっぱいですが、それでもやっぱり、おめでとうございます! そして、ありがとうございます!! この作品からは、何だかたくさんのことを教えてもらった気がします。 下世話なネタへの耐性が強くなったのもこの作品のおかげな気がする(笑)。 今回も陰●が欲しいとか、相変わらず酷かったです(褒め言葉♪)。  あ、ちなみに 「どんな作品なの?」 っていう人は、私が6年前に書いた1巻感想が今読み返してもなかなかの出来栄えだったので(自分で言うな・笑)、ご参照くださいませ。
 ⇒小林ユミヲ『にがくてあまい・1』の感想





そういえば、まず、タイトルに引っ張られたんですよね。  「あまくてにがい」 じゃなくて、 「にがくてあまい」 っていうのが好きだなって思って。 「好きだけど嫌い」 と 「嫌いだけど好き」 が大違いなように、どんなににがくても最終的に 「あまい」 と感じられるところで折り合いをつけることが出来たら、それは素敵なことなんじゃないかなって思わせてくれる言葉だったから。 実際、作中でマキさんや渚が直面することはけっこうなシリアスっぷりで、私のように日々のんびりと生きている人間にとってはまさに激動といっても過言ではない 「にがさ」 がある。 そんな中、マキさんが躓けば渚が、渚が堕ちればマキさんが、それぞれ相手に手を伸ばして、二人でもがきながら前に進んでいく姿をずっと見てきたので・・・何ていうか、いつか二人が二人でいることを 「あまい時間だな」 って思える日が来るこをずっと待ち望みながら、読んできた感じです。


このお話のテーマはずっとブレることなく 「家族」 でして、そこがとにかく好きなポンントでした。 70話で、愛娘(マキ)にパーティーの存在を忘れ去られて大ショックを受ける豊さんを、渚が必死になだめるシーンがすごく好き。 だってここ、どうみたって義理の親子だよ(笑)。  「ぼ、僕でよければ明日伺います・・・!」 という渚の気遣いも、普段他の人には嘘なんてつかないくせに豊さんのために必死で嘘を重ねるのも、 「お母さんばかりで寂しかったのか」 と思い至るのも、彼がきちんと豊さんを理解しようとして、理解した結果だと思うから。 ふつう、どうでも良い存在には悪酔いするほど心を砕いたりしません。 でもって、そんな渚の想いが確実に豊さんにも伝わっているんだなって思えたのが、病院で目覚めたばかりの豊さんが、渚に向かっても手を伸ばしたシーンでした。 まだ義理の息子ですらない渚に伸ばした手からは、愛する妻と娘に向けるのと同じ愛情が感じられて、あぁ一方通行じゃないんだなって。 血のつながりも戸籍上の手続きも全然関係なくて、この人たちはもう「家族」なんだって思えて・・・見ているこちらまで幸せでした。


とはいえ、渚が漠然と感じていた 「家族」 への憧れに、いつか決着をつけなければならない日が来るわけで。 そのきっかけがばばっちだったのも、嬉しかったなー。 彼はずっと渚の近くにいてくれて、最後まで渚のいちばんの秘密に気付かなかったけれど、でもそんな風に鈍いばばっちだからこそ、誰もが気を使ってしまった渚の暗部にメスを入れることが出来たんだと思うのです。 72話で渚がずーっとため込んでいた気持ちを一気に吐き出す様子が、ホント辛くて。 でも、あそこまで強い気持ちをマキに対して持っていてくれたことが、すごく嬉しくて。 男とか女とかの一般的なセクシャルは全然関係なくて、今だって押し倒すなら目の前のばばっちで、マキのことは押し倒すどころか触れることだってままならないのに、それでも大切なのはマキの方だっていうのがもう・・・。 ――「奇跡」 だって渚が言うのが、とても好きなんです。 そんな風に想える誰かに出会えたことも、そんな風に誰かを想える渚のことも、とても素敵だと思う。 大切だから傷つけたなくて悩んできたけど、裏切りだってって分かっていてもマキたちが欲しいんだってやっと思い切った渚のこと、すごく好きだ。


それから、その渚の選択に対して、 「縁を切る」 って言いきったマキさんのこともやっぱり大好きで。 今までの彼女なら、絶対ここで甘えていた。 泣いてすがりついて行かないでって嘆願したんじゃないかと思う。 たぶん渚だってそういう反応を覚悟していたと思うんだけど、でも、そんな彼の予測を常に斜め上で返してくるのがマキさんなわけで。 そして、そういうマキさんに変えていったのも渚と家族の存在なわけで。 ・・・8か月っていう長い時間を、ホントに会わないですごした彼女のことを私は尊敬します。 たぶん渚も同じ気持ちだったから、すぐに連絡できなかったんだと思うけど・・・長屋で渚たちの声を聞いた時のマキさんの顔! ひどすぎるから!(笑)。 小林ユミヲさんはこういうときにヒロインを全然可愛く描かなくて、むしろ 「引く!それ引くから!!」 という表情をさせるんだけど、でも実際自分がこの場面を体験したらこのくらい怖い顔するだろうなっていう妙な説得力もあるから不思議です(笑)。 


でも、それほど怒っていたってマキさんは 「やっぱり渚の料理はサイコー!」 ってそれこそ最高の笑顔で彼を許すし、渚は渚でそんなマキさんに許されることで癒されるんですよね・・・。 ずっと一貫して 「江田」 と呼び続けてきたマキさんのことを、ラストで初めて違う形で呼ぶ渚の表情は、気負いもなくさっぱりしていて、泥だらけなのに今までで一番カッコよく見えました。 一般的な結婚とはだいぶ違う 「家族」 だけど (そもそも結婚したのかどうかも謎ですしね) (思わずマキさんの薬指見たけど指輪なかったしな…) (でも 「家族」 だから良いのだ♪)、片づける片付けないの話題も並んで歩く姿も最初の時から全然変わっていなくて、途中のいろんな出来事は確かにあったけれど、この人たちは案外最初からちゃんとした自分たちだけの 「家族」 の形を選んでいたんだなっていうのが一番の感想です。 のんびりとした時間の流れる家で、自分の悪いところをさらけ出して、それを相手がフォローして、新鮮なお野菜を食べながら 「おいしいね!」 って笑顔を見せあう――そんなふうにちょっとだけ、 「あまい」 家族の形を。



*『にがくてあまい』は2016年9月10日から、川口春奈さんと林遣都さん主演の実写映画が公開となりますよ~*

●Kindleでは1巻が25%引きです(2016.5.23現在)


●気付いたら料理本も出てました!菜食の参考に♪
にがくてあまい公式レシピ
小林 ユミヲ
河出書房新社
売り上げランキング: 20,506




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