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『海の底』 の感想


海の底 (角川文庫)
有川 浩
角川グループパブリッシング
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「 私のことは忘れてください 」


<ご紹介>
有川浩さんの自衛隊三部作の完結編。 突如出現した 「怪獣」 によりもたらされた、壮絶な悲劇――。 非日常的な5日間を描く、パニックサスペンスです。
米軍横須賀基地で催されていた桜祭り。 華やかで楽しげな祭りは、ある 「怪獣」 の出現で、一転して恐怖の場へと変貌した。 ――巨大なザリガニのような 「怪獣」 が人間を襲い、食い散らかしはじめたのだ。 基地に停泊中の海上自衛隊潜水艦 『きりしお』 に乗船していた夏木と冬原は、艦長の命令により、逃げていた子供たち13人を 『きりしお』 内に保護。 救助が見込めない中で、不本意な共同生活を強いられることになる…。 一方警察も事態の収拾に努めようとするが、圧倒的な 「怪獣」 に手も足も出ない。 そんな中、米軍が爆撃を仕掛けるという報が届く。 このままでは市民の犠牲が増える。 警備のプロ・明石警部は烏丸警視と共に 「怪獣」 の特定を急ぐのだが――!?


<感想>
いやもう、めちゃくちゃ面白かったです!! ページを読む手が止まらなすぎて、衣替えをする予定をあっさり却下しちゃいました(笑)。 冒頭からいきなりパニック状態になる展開の早さは、さすが有川さん、という感じ。 読者は夏木や冬原と同じタイミングで怪獣の 「唐突さ」 を味わうわけで、 「一体何なの!?」 という恐慌状態が訳の分からないまま進んでいくのとか、読んでてすごくドキドキする。 そんな中で描かれる人間ドラマは必然的に熱気を帯びるので、物語がずっとクライマックス状態で疾走しているような印象でした。 実際、何だか泣きっ放しで読んでた気がする…。 個人的に、有川作品の中で一番バランスの良い作品だと思いました。


物語は大きく分けて二つの視点で進んで行きます。 一つは、夏木と冬原が子供達と過ごすことになる 『きりしお』 側。 もう一つは、怪獣対策に追われる警察側の視点。 密閉状態下での人間ドラマが中心となる前者と、自衛隊や米軍とのしがらみに考慮しながら如何にして市民を守るか…という広い視点を要求される後者。 ミクロとマクロが交互に描かれるけれど、どちらが尊くてどちらが矮小とかそういうことはなく、非日常的な様相のなかで、みんなが必死に生きていることが伝わってきて、いろんな感情が刺激されました。


まず後者から。
巨大甲殻類に人間が襲われて、まず対応しなければならないのが警察。 けれど、警察の装備には限界があるから自衛隊を出したいのに、現在の日本の法規はそれをカンタンにやらせてくれない。 政府は事件の名称を考えるのに必死だし、しかも外交にも配慮しなければならなくて…というドタバタに、 『先人(=ゴジラ・笑)に倣って』 奮闘するのがね、もうめっちゃカッコイイ。 インターネットの 『釣り』 や怪獣の 『専門家』 の登用など、ハッタリが次々に的を射ていく爽快感。 そして、機動隊の熱い使命感は、私の最大限の敬意をも上回るほどとにかく熱くて、こちらまで大泣き。 ・・・けれど実際は、そんな頑張りも全て、自衛隊を出動させる為の砂被りに過ぎないという現実。 圧倒的な軍事力をあっさり出動させる国はイヤだけど、ここまで建て前を通さなきゃいけないのか、という理不尽さが妙にリアルで、ひたすら感心です。 明石さんと烏丸さんのコンビも 『有事の人材』 なんだなぁ。 今こんな警察官、いてくれるのかなぁ?


そして前者。 個人的には、有川作品の最重要項目であるラブコメが、最強のインパクトで描かれていてもうメロメロです!!と先に言っておく(笑)。 


それにしても、よくぞここまで外側の非日常性を感じさせないミクロな世界を構築しましたよね。 町内会っていうのが、もうもの凄く狭い。 その狭い世界の人間関係を、極限状態の密閉空間でさらに狭いものとして描いているのに、夏木と冬原と触れ合うことで次第に広い視点を持つようになる過程にドキドキしました。 友だちって何。 家族って何。 人を好きになるって、どういうこと? そして、自分って何。 容赦なく現実を突きつけてくるんだもん。 圭介の傍若無人さに憤りつつも、最後に全部泥をかぶる成長っぷりには完敗です。 初恋は実らなかったけど、いい男になれて良かったw ところで、夏木と冬原の態度が大人気ない、という感想を見かけたけど、私は夏木以上に人間が出来ていないので、むしろ 『夏木三尉はよくやった!』 という同僚に大賛成です(笑)。 極限状態下にいるのは二人も一緒。 見習い中の20代がカンペキに行動出来たら凄すぎます。 彼らの不完全さも含めて、私には愛しい部分でした。


そして、紅一点の望ちゃんの 『女の都合』 には拍手でしたよっ。 女の子の体は大変なのに、そこをきちんと描いた作品には初めて出会ったもん。 通常でも大変なので、脱脂綿で乗り切る辛さに思い至らなかったのは私も一緒。 そうか、優秀だったのか日本製!!と感心しきりです(笑)。 望ちゃんを救ったのは優秀なナプキンと夏木の叱責。  『ごめんなさい』 じゃなくて 『ありがとう』 に合格点をくれる人を好きになるなんて、望ちゃんはホント偉いと思うのですよw  望ちゃんに意識されて、夏木まで意識してしまうという連鎖ならぬ 『恋鎖』 に、私もうメロメロが止まりません!! 読了した勢いで、二人の番外編 『有能な彼女』 (『クジラの彼』収録) を読み返してしまったのは当然の成り行きかと!!(笑)  「血迷っただけだ」 という夏木の不安も、5年越しの執念ならそうでないことは明白。  「初めまして」 で仕切り直した恋が、夏木の予言どおり 「幸せ」 で、本当に良かったですw


最後に。 『有事の人材は平時にはいびつなものです。 我々は有事の人材をこそ育てるべきです』 そう言い切った艦長さんの信念に、敬礼。




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<『図書館戦争』シリーズ感想一覧>
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<他作品感想>  
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