『アネットと秘密の指輪―お嬢様と謎の貴婦人』の感想

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『アネットと秘密の指輪―お嬢様と謎の貴婦人』

雨川恵(著)/風都ノリ(挿画)
角川ビーンズ文庫/2008.10.1/¥457







「でも、いいこともあるわ。 もし、あたしが貴族にならなかったら――あんたにも、会えなかったはずだもの」
失ったものばかりではない。 新たな場所へ来て、新たに手に入れたものも確かにあるのだ。 それが解っていれば、辛くない。 たとえ、世界がどんなに変わっても。
「あんたに会えて良かったって思うわ。 だから、貴族も嫌じゃないわよ」



<ご紹介>
『アネットと秘密の指輪』シリーズの第2弾。 何とかお嬢様らしくなろうと奮闘するアネットにふりかかる騒動と、恋とお嬢様修行(笑)を描いた物語です。
「継承の指輪」を巡るトラブルを経て、何とか無事に、けれど強引に、下町の元気娘から伯爵令嬢へとステップアップしたアネット。 密かに想いを寄せる執事・リチャードのスパルタ教育により、お嬢様修行に励んでは悩む日々を送っていた。 そんな時、顧問弁護士のユージンが持ち込んだのは、王宮の接見会への参加。 大仰な舞台をまえにさらに忙しくなったアネットは、息抜きで訪れた公園でブランシュという貴婦人に出会う。 故国に帰るお金がないというブランシュに、アネットは自分の侍女となることを許可するけれど、それは大変な騒動の幕開けで――。


<感想>
今回も表紙が可愛く綺麗で、とても気に入ってます。 アネットがめちゃめちゃ可愛いよぅw メインカラーのワインレッドは私の大好きな色なんだけど、彼女の温かさとか、リチャードの血脈の秘密とか、いろんなイメージがよく表現されてるんじゃないかな。 そういえば、1作目の表紙でも、アネットが被る帽子の色でした。 もはや個人的イメージカラーです(そんな勝手な!!・笑)。


さて、お話。 リチャードのスパルタ指導のもとでお嬢様修行に励むアネットの前に、謎の貴婦人が現れるという、タイトルそのままな物語でした。 ブランシュがその「謎の貴婦人」であることは最初から確かなので、彼女の動向を気にしつつ、アネットとリチャードのかみ合わない会話(笑)を楽しめるので、とても読みやすく面白かったです。

『…リチャード、ちょっと聞きたいんだけど』
『はい』
『今のあたしを見て、どう思う?』
『とてもお元気そうにお見受けします、お嬢様』
『………。 ……やっぱりカボチャなんだわ…』

ちなみに、寝起きで薄着のアネットと、彼女を起こしに来た時のリチャードとの会話。 ほら、全然かみ合ってない!!(笑) そこは気づいてあげようよリチャード、と思う一方で、カボチャはいつか綺麗に熟して美味しく食べられちゃうんだよーと、アネットにオヤジ的な発想をしてしまったのは内緒の方向で(笑)。 でも、かみ合わないと思って油断すると、リチャードの無自覚に甘い言葉が突然矢になって胸に刺さってくるのでこれまた大変っ。
 
『私のお仕えするお嬢様に、問題などあるはずはありません』
――私もアネットと一緒にドキドキです(笑)。


ブランシュの狙いが指輪なのはお約束だけれど、第1作目ではその厄災がアネットの爵位継承に絡んだものだったのに対し、今作はリチャードの出生をめぐる部分に絡む、という展開の違いも良かった。 まぁ、どちらの騒動もアネットの「人を見る目のなさ」がきっかけとなっているんだけど(笑)、裏切られても他人を信じちゃうアネットの性格は、やっぱりとても愛しく尊い。 ユージンがアネットの嘘を看破しつつも助けてあげちゃうのは、彼女の不遇に同情してるからではなく、ポジティヴな資質を認めているからだって伝わってくる。 アネットを見てると、人を愛せる人は、人からも愛されるんだって良く分かります。
 
『ここに来た時からは考えられないほど、君は淑女らしくなった』
『……本当?』
『ああ、猛獣が野良猫くらいにはね』
『うんそうよね! そんなことじゃないかと思ったのよね!』
……珍獣的な扱いだって、愛がなきゃ出来ません(笑)。 秘密を抱く権利はあるけど、嘘は駄目だと身をもって諭すユージン優しさも、温かく素敵でした。  


まぁそんな訳で会話を楽しみつつ、ブランシュの狙いにドキドキしながら読んでたけど、リチャードが一端「指輪」に思考が向けると、いまだにアネットなんてどうでも良いと言わんばかりの態度になってしまうことに、ちょっと途惑います。 それは多分、アネットから無条件の好意を向けられることに、誰よりも彼が途惑っているから、なんだよね。 指輪の為に彼女を切り捨てたり、かと思うと「人を傷つけない」という「約束」に縛られてしまったり…自分でも制御出来ない感情の揺れを見ると、アネットの好意は全然無駄じゃないことが嬉しいです。 どうすれば今後、リチャードにも「信じられる人がいる」って自覚して貰えるるのか、アネットがどうやって彼にそれを教えてあげられるのか。 指輪が招く騒動とともに、感情の流れにも注目して行きたいと思います。 次回も買うぞー!!


⇒次作 『アネットと秘密の指輪 お嬢様と花のワルツ』の感想
⇒前作 『アネットと秘密の指輪―お嬢様のおおせのままに』の感想



<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・『booklines.net』
オンライン書店【ビーケーワン】・・・『アネットと秘密の指輪―お嬢様と謎の貴婦人』をbk1でチェック!!


  





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