『蛇王再臨  アルスラーン戦記・13』の感想

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『蛇王再臨 アルスラーン戦記・13』
田中芳樹
光文社カッパノベルス/2008年10月10日/¥838




     『アルスラーン』
     『何だ、いってごらん』
     『いいたいことがいっぱいあったけど、もういい』
     『・・・』
     『逢えたからもういい』




<ご紹介>
田中芳樹の長編シリーズの第13弾。 中世ペルシア風の異世界英雄譚です。

魔将軍・イルテリシュが捕らえた青年・ジャライル。彼はチュルク国王からアルスラーン暗殺の密命を受けていた。チュルクの内情を知ったイルテリシュは新たな野望を思い立つ。一方、ヒルメスは客将軍としてミスル国を掌握するも、ナバタイ王国侵攻の報を受ける。急遽、出兵するヒルメスだが……。王都へ向かう女騎士・エステルの一行が雨のため足止めされた町に、魔軍が襲来する! だが窮地に現れたのはパルス精鋭軍であった! そこには軍師・ナルサスの恐るべき策謀が……。(裏表紙あらすじ)


<感想>
エ、エステル…っ!!(大泣っ!!)

『アルスラーン戦記』は学生時代からずっと読んでいるシリーズですが、今回ほど号泣したことはないです…。 そもそもこのシリーズは感想書いてなくて、今回も書く気なかたんだけど、ダメだ…凹んだ…(泣)。
以下盛大にネタバレのため、閉じます。






前巻から予感はあったけど、私がずっと大好きだったルシタニアの女騎士・エステル卿の命が、ここで途絶えてしまいました。 大好きだったのよ!! 初期の頃から密かに、このままアルスラーンと…と二人の未来を望んでたんですよ!! 多分それはないだろうと、頭では理解してたけど、でもせめてアルスラーンにとって唯一無二の「対等」な友人として、互いが健やかに暮らせる未来のために手を取り合えたら…、と願ってたんですよ!! でも、その願いはここで潰えてしまいました。 …最期まで、エステルがエステルらしいままでいてくれたことだけが、私の救いです。 そして、アルスラーンにとっての救いだったと思うな……。  
 

これでアルスラーンとしても、自分のことを国王でも上司でも英雄でも敵でもなく、ただのアルスラーンという少年として接してくれる人は、いなくなってしまったわけで。 ドン・リカルドが『おれの人生はこれで、一度終わった』と、まるでエステルと自分の人生を重ね合わせた感想を漏らしたのと同様に、アルスラーンにとっての少年時代というのも、彼女の生と共に終わりを告げたのでしょう。 彼はちゃんと泣けたかな。 一人の時に、泣けたら良いのだけど。

ただ。 出来ることならば。 今は盛大にエステルの死を悼んで欲しいけれども、未来のアルスラーンには、エステル以上の女性を見つけて欲しいとも思う。 ヒルメスの危機をフィトナの想いが救ったように、アルスラーンも信頼を寄せて、寄せてくれる人と出逢えると良いなって。 王妃とか跡継ぎとかそういうことではなく、ただアルスラーンのために、そして『逢いたかっただけなんだ…』だけで自分の気持ちを飲み込んでくれたエステルのために、そう思いましたよ…。


ドン・リカルドがエステルに捧げてくれた祷りと、アルスラーンに軍下に請われた時の返答は、とても綺麗で純粋なものでした。 何て言うか、人は、こんなにも純粋に一人の人の気持ちを受け取って、恩を感じ、それを相手に全力で還そうと願えるんだなぁ。 そのために生きられるんだなぁ。


そんな訳で、今回はエステル一色になってしまったので、前半に登場した新キャラとか名前も覚えてないし(笑・ゴメン!!)、ナルサスの権謀術数が他国に与える衝撃に対する想像とかが、まだ全然出来てません。 あぁ、ザラーヴァントさんまで!! とかいろいろあるんだけど、読み返そうと思っても今はまだ泣いちゃうので(止まらないのだ…)、少し落ち着いたら再読しないとダメですねー。 っていうか、ペシャワール放棄っていうナルサスの策が、どこまで蛇王の現状を捉えてるの!?ってくらい完璧な布陣をひいてて、もうホント味方で良かったとしか思えません(笑)。 次回も楽しみ…なんだけど、出来れば年1回の刊行ペースでよろしくお願いしたいです、先生っ!!(熱望)


<関連サイト様>
●田中芳樹公式サイト・・・『有限会社らいとすたっふ』
オンライン書店【ビーケーワン】・・・『蛇王再臨 アルスラーン戦記・13』をbk1でチェック!!


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かよ さんへ

>かよ さん

初めまして! コメントありがとうございます。
それなのにお返事が遅くなって本当にすみませんでした・・・(ペコリ)。

>最近になって光文社から続巻が出ているのに気づき、エステルの死に衝撃を受けました。
ですよねー・・・最初に読んだら衝撃を受けますよね・・・。
っていうかですね、私も頂いたコメントを読んで当時の衝撃を思い返して泣きそうになりました。エステル、良いお嬢さんでしたもんね…。

>架空の話なのに、もう涙が出て、2人の今生の別れを思うと胸が苦しいなんて、この歳で。
歳は関係ないです。私もです。エステルのことを想って泣いているかよさんはとても素敵な人だと思いますよ!

>人生はやはり寄り添ってくれる人が必要だと、もう知っています。
ほらやっぱり。とても素敵な気持ちをお持ちの方です。そうですね、私も同じことを思います。エステルが飲み込んだアルスラーンへの気持ちと一緒に、もっと幸せになって欲しいです。

>読み直そうと思います。
私もいろいろと読み直したい本がたくさんあります。田中芳樹作品はどれもキャラクター・ストーリーともに引き込まれますよね!自転地球儀とか好きだったんですけど・・・っていうか創竜伝・・・(涙!

エステル・・・(´;ω;`)ブワッ

初めまして、今さらなんですが・・・
高校生のときに夢中になって読んでいた角川文庫「アルスラーン戦記」

最近になって光文社から続巻が出ているのに気づき、エステルの死に衝撃を受けました。
初登場からエステルが一番、好きだったんです。
アルスラーンの未来の伴侶と期待し、田中先生の「アルスラーンは風の便りでエステルの死が云々、ないから笑」を信じ・・・ええ、確かに。

架空の話なのに、もう涙が出て、2人の今生の別れを思うと胸が苦しいなんて、この歳で。

昔の潔癖な私ならアルスラーンに生涯独身を貫いてほしいなんて思ったでしょうが、人生はやはり寄り添ってくれる人が必要だと、もう知っています。

もう最近ではそんなに感情移入しないんですけど、夢中になっていた当時の感覚を懐かしく思います。
田中先生の描く魅力的なキャラクターと臨場感溢れるストーリー、久しぶりに「マヴァール年代記」「西風の戦記」「銀英伝」など読み直そうと思います。
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