『別冊図書館戦争・2』の感想

img20080831.jpg

『別冊図書館戦争・2』

有川浩
アスキー・メディアワークス
2008.8.9.初版/¥1400







うわああ、と自分でもびっくりするほどの子供のような泣き声が漏れた。
「大事にして――大事にして大事にして大事にして! あたしもあんたのこと大事にしたい!」


<ご紹介>
本編が完結した有川浩さんの人気小説、『図書館戦争』シリーズの番外編第2弾。 本編で描かれなかったあんな二人やこんな人に加え、いつもの二人のお話も収録された最終作らしいお得な構成。 勿体無いけど、これにて幕引きです。


<感想>
いやもう、楽しすぎて読み進めるのにめちゃめちゃ誘惑の多い『別冊・2』でしたっ。 あのですね、1話目の1行目に、『そろそろ三正という階級が板についてきた頃』という文章があるんだけど、それを読んだ瞬間に、「しまった!!三正になったときをもう一回読みたい!!」と思って、『別冊・1』とか読み始めちゃうんですよ(笑)。
で、そっちを丸ごと読了して、いざ!!って感じで再び『別冊・2』に取り掛かるんだけど…今度は2行目に、『堂上に替わったことにも周囲が馴染んできた頃』という表記を見て、「しまった!! 新婚な描写をも一回読みたい!!」とか思い至って、『革命』とか読み始めちゃうわけですよ。 もうベタ甘エンドレス状態(笑)。 先に進まない。 結局既刊分を全部再読(というか再々々々々読くらいの勢い)してから取り掛かることになりました。 この魅力、ものすっごいです!!


そんな危機(笑)を乗り越えて、やっと読んだこの『別冊図書館戦争・2』。 郁と堂上のバカップル主人公コンビを、糖度300%の激甘モードで描いてくれた『1』とは違い、本編で仄めかされていた緒方さんの過去話(第1話)、堂上と小牧の新人時代話(第2話)、そして柴崎と手塚のじれじれコンビの恋の行方話(第3話~5話)を、時にコミカルに、時にシリアスに描破してくれました。 っていうか、きっとずっと泣きながら読んでました。 だって、みんな真っ直ぐなんだもん…。 「本」を守ること、「大好きな人」を守ることに、それぞれ真っ直ぐなんだもん…!! そんなの、大好きに決まってるじゃないか!! 彼らの生き方そのものを見せ付けてくれたこの『別冊・2』は、私の宝物です。 読めて、本当に良かった。


●一、「もしもタイムマシンがあったら」
ずっと気になってた緒方副隊長の過去話。
読みながら、何度泣いたことか分かりません。 まずは、緒方さんと「おしまい」にする時の加代子さんの涙。 悔しかったと思う。 大好きな人との絆を自分の手で断つために、予めどれだけ泣いてきたんだろうと思うと…ね。

それから、緒方さんの面接をした稲嶺司令の「善い出会い」という言葉。 失ったものの大きさをきちんと理解した上で、同じように「今」ここに這い上がってきた同志への最大の賛辞を贈れる稲嶺司令に、涙が止まらなかったです。 私、ホント稲嶺司令には泣かされっぱなしです。 もう、生き方への尊敬が止まりません…!! そして何より、緒方の潔癖な生き方が、失いそうだった進藤さんや加代子さんの信頼を取り戻す過程に、泣かされました。

誰かを想うこと、愛することは、決して「誰か」からの想いや愛情を期待するからではないんですよね。 けれどもし、その思いが「誰か」から還ってきたら…もう絶対離して欲しくないっ!!、そんなラストにまた泣けました。 苦いからこそ愛しくて、実は一番好きなお話。
…でもって、皆の戻りたい時の話でイチバン爆笑したのは、もちろん小牧さんのスマートな毒舌にでした(笑)。 良いな、あの技を習得したいです(笑)。


●二、「昔の話を聞かせて」
堂上と小牧教官の新人時代の昔話であると同時に、郁と堂上の『別冊・1』クラスの破壊力を持った激甘話でもありました。 郁ちゃんを可愛くて仕方ない堂上の言動に身悶えてましたが、「俺はけっこうお前にいろいろ弱いぞ」には本気で撃沈しました(笑)。 くぅぅ、殺し文句の百貨店は言うことが違うぜ!! 私にも言ってください…(コラコラ)。

今でこそお互いを理解しあってる小牧と堂上が意地を張り合ってる姿は、郁ちゃんじゃないけど意外な感じでした。 でも郁と堂上の最初の頃の姿だって、萌絵ちゃんが聞いたら驚くばかりだと思うし。 何ていうか、そういう「人間関係を積み上げてきた姿」が描かれた、良いお話だったと思います。
それにしても、どこまでも毬江ちゃん至上な小牧さんが、なんだか愛しかったです(笑)。 堂上も郁ちゃんの存在がきっかけで。 小牧の行動の根幹にも毬江ちゃんがいて。 この二人ってやっぱり似てるんだな、と微笑ましくなるお話でしたー。


●三、「背中合わせの二人」(1)
柴崎ストーカー被害に遭う、その1。 私は当然のごとく被害に遭ったことはないんですけど(美貌がない・笑)、友達にはやっぱりいる。 もの凄く卑怯なことだと今でも憤りがあります。 ただ、これは明らかに犯罪級の行為だけど、相手に素直に真っ直ぐに行動することが難しいことも、分かる。 柴崎も手塚も、お互いに想い合いながらも認めることが出来ないのも、そんな感じなんだよね。 じれったい感じは、彼らのペースなのでしょう。 大事に刻んでいってくれればそれで良いです。 と思ってたのに4話5話の展開が…!! ちょっともう許せないよ犯人たちっ!! それにしても、奥村と水島さんのキャラが本当に厳しかった…!!。 私なら、郁ちゃん寄りの脊髄反射でとっくにキレてたと思う(笑)。


●四、「背中合わせの二人」(2)
●五、「背中合わせの二人」(3)

柴崎ストーカーに遭う・その2。 だけどそれだけじゃない。 大きな犠牲の上に大切な存在を得た柴崎の勇姿に、めちゃめちゃ泣いてしまったよ…。 休憩時間に柴崎が眠ってしまう、その事実だけで、充分犯罪者を嫌えると思いました(怒)。 『図書館戦争』シリーズでは何度もすれ違う人間の感情を描いてきたたけど、今回が一番ビターというかシリアスというか、「人間の悪意の恐ろしさ」を見せ付けられた気がします。

図書隊と良化委員会のように、思想が違ってしまうのはもう仕方ない。 それが信じる道ならば、進むしかない。 けれど。 相手を意のままに操りたいというのは、ただの驕りからくる悪意は、本当に怖い。 柴崎が最後まで立っていられたのは、彼女が思い知ったように、周囲の支えがあったからに他ならないのでしょう。 手塚を心から信じることが出来たからに違いないんだろう。 姿の見えない理不尽な暴力を、結果として撥ね退けることが出来たけれども、だからといって受けた被害が、傷が、なくなることは無い。 だからこそ、柴崎と手塚に贈られたみんなからの祝福が、とても眩しかったです。 毬江ちゃんとの両方向のサプライズ、本当に素敵でした!!

何ていうか。 1話で描かれた郁と堂上の結婚式で、二人の結婚に難色気味だった郁母が「王子様」ネタで一気に態度を軟化させたと書いてあって。 もの凄く微笑ましいなと思ってたら、柴崎と手塚の式でも、手塚家の関係が良化するという素敵な出来事があって。 家族として、これからの様子が目に浮かぶようです。 きっと、難題が起きても夫婦で協力し合って乗り越えていくのでしょう。 今まで、さまざまな感情の機微を描いてきたからこそ、この集約が生む終焉が愛しいです。 ごちそうさま。 これからも、私の憧れでいてください!!
追伸。 どうせなら小牧+毬江ちゃんのお式も見たかったなー。





●関連記事 
<『図書館戦争』シリーズ感想一覧>
『図書館戦争』 ⇒『図書館内乱』 ⇒『図書館危機』 ⇒『図書館革命』 
『別冊図書館戦争1』 ⇒『別冊図書館戦争2』 
⇒『アニメ版DVD初回特典小説』1巻 ⇒2巻 ⇒3巻 ⇒4巻 ⇒5巻 
⇒白泉社コミック版『図書館戦争LOVE&WAR』1巻 ⇒2巻 ⇒3巻 ⇒4巻
<他作品感想>  
有川浩作品感想一覧  
「その他アニメ」カテゴリにアニメ版の1話ごと感想もあります


<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・『booklines.net』  9/3『空色ウイングス』 11/27『神保町の片隅で』
オンライン書店【ビーケーワン】・・・『別冊図書館戦争・2』をbk1でチェック!!


    




Loading...
Secret

☆Web拍手ボタン

押して頂くとりるがハリキリます(笑)

☆カテゴリ

☆サブカテゴリ (タグ)

 

☆最新コメント

☆リンク(おすすめサイト様)

☆アクセスカウンタ

QRコード

QRコード

RSSリンクの表示

アクセス解析

関連記事Loader

[猫カフェ]futaha

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

☆検索フォーム

☆購読予定一覧

☆アニメDVDの人気ランキング

☆更新日カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2017年08月 | 09月
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


☆オススメ