『Q.E.D. 証明終了・30』の感想

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『Q.E.D. 証明終了・30』

加藤元浩
講談社 月刊少年マガジンコミックス/2008.6.17/\400




『 しょーがないなぁ…。
古典的な方法だけど…やってみますか 』


<ご紹介>
『増刊マガジンGREAT』に掲載された2編が収録。 MIT帰りの天才だけど風変わりな少年・燈馬想がホームズ役に、そしてスポーツ万能で行動力抜群な水原可奈をワトスン役(?)に配したミステリコミックですw
都内2箇所で相次いで、マネキン人形がナイフで刺されて「殺される」事件が発生した。  着せられた服のポケットには、ある製薬会社のお偉方の名刺が入っており、テロの可能性を考えた内調の梨田は、燈馬に相談を持ちかける。 そんな中、今度は実在の人物が切りつけられる事件が発生して…。 手がかりはマネキン事件? これは、「器物破損」なのか、それとも「殺人事件」なのか…!?(『人形殺人』)
    ⇒『Q.E.D. 証明終了・29』の感想
    ⇒『Q.E.D. 証明終了・28』の感想


<感想>
祝っ!! 30巻ーw パチパチパチ。 と盛り上がってみたのですけど、あれ? 帯とかの扱いは意外とあっさりですね。 「ミステリーマンガの金字塔」って、もっと大きく謳っても良いのでは?という気がするけど…いいや、私がこの作品に、もっと大きなお祝いを送ろう!!

おめでとうございますーっ!!(≧▽≦)

この高いクウォリティを10年間届けてくれたのって、凄いと思う。 殺人事件のトリックはもちろん、理数の謎が人の謎を紡ぐ不思議や、コンゲーム的な面白さなど、ミステリの持つ様々な可能性、それから、いろいろな面白さを、たくさん見せてくれたんだもの。 素敵な作品を読ませてくれることに、ただただ感謝っ。 そして、今後も期待してますー(笑)。


●人形殺人
あらすじのお話。 え、あの、まさか梨田さんが再登場するとは思ってませんでした…(笑)。 この人、もっとシリアスな印象だったんですけど、あっという間にその影は消えましたね。 
人形というモチーフは、何度読んでも慣れません。 だって「人形」って「ひとがた」ですよ…怖いって!!(チキン・笑) ただ、慣れないけれど、綾辻行人『びっくり館の殺人』でも人形と人間の境界の曖昧さそのものがトリックになりえたように、今回もその辺りが描かれていて、ちょっと哲学的な面白さがありました。

特に、絵では気仙沼大臣と周囲を取巻く人を描写しておきながら、そこに燈馬くんが語る『ピュグマリオン』のストーリーを被せてきた演出とかが面白かったな。 「ときに間違った方向へ導く」という幻惑の過程を描いたんだと思うけど、「人ではないもの」と「人」を並列に見せるやり方が、ちょっと象徴的。 全体的にも、マネキンの破壊に人間性を見い出し、翻弄される人間たちが描写されていたので、テーマの統一性が凄いなと思いました。


で、そんな無機と有機の間を行ったり来たりするお話の中でも、やっぱり可奈ちゃんは輝いてましたね!! 梨田に一連の事件の関係性を突きつけたときのズバリ感とか、梨田のケーキ好き設定に白目をむくところとか(笑)、相変わらず生き生きとしてて大好きですw アリクイはどっから来たんだ!!(笑)。 どーでもいいけど、『スパイラル・アライヴ』でも大アリクイがどーのこーのやってるんですけど、もしかしてミステリ界のアイドルなの?アリクイって(笑)。 こんなお話だったからこそ、30巻の表紙で彼女の健康的な水着姿が披露されていることに、ちょっと安心します。 人間は、人形じゃないんだって。

そして燈馬くんも、最初から「あれは器物破損です」と言っている通り、幻惑されずに「人形」と「人間」の区別をつけているんですよね。 ちょっとラブコメ好きの発想をすると(笑)、彼の目の前には常に可奈ちゃんという人間味に溢れた女性がいるから、マネキンに人間性を見たり、ピュグマリオンのような哀しい道に足を踏み入れる発想は、初めから抱かないんだなーって思ったりしましたw 「万物を消耗品に変える子」の存在力は、凄いなぁ!!(笑)


肝心のトリックの方は、燈馬くんが指摘した犯人のあの台詞で私も気づいちゃったので、正直「うーん」という感じ。 でも、指摘を否定しようと粘る犯人を追い込む話術と、燈馬くんのノリノリな様子(笑)が面白かったので、まぁいいやw あと、個人的にどうしても、53ページ(二足歩行ロボの話を始めるところ)右下の、燈馬くんの上目遣いが可愛くてツボでした(笑。アホか)。


●犬の茶碗
催眠商法で高い布団を売りつけられた老人3人組。 将棋道場へ赴いた燈馬と可奈は、たまたま出逢った彼らのお金を取り戻す作戦を立てるのだが…という、得意の殺人のないパターン。 いきなり可奈ちゃんと燈馬くんのデート(なのかアレ)から始まるのも好き。 ぶつぶつ文句言いながら燈馬くんの将棋を待ってる可奈ちゃんが可愛すぎですw

お話としてはですね、とにかく爽快でしたw 粋、でもありました。 ラストのどんでん返しには全然気づかなかったので、気持ちよく騙された。 なるほど、巧い。 ツッコミどころはあるけど、あそこまでハマると無問題ですね。 そもそも最初の『じゃあ手段を選ばず合法的に取り戻すの!』っていうメチャクチャな可奈ちゃんの要求に、きちんと応えちゃう燈馬くんがもっとハチャメチャだし(笑)、「スカーレットローズ」のくだりの会話には、もう爆笑!! じゃぁさしずめ燈馬くんは、「エターナルブルー」ですか?(あ、我ながら巧い・笑)  素敵無敵なカップルだなホントに。

そして秀逸なのは、最後のひとコマ。 もうね、騙される人はどんな小さなことにも騙されちゃうんですよね、懲りないんだからホントに(笑)。 そんな人の良い彼らだから燈馬くんも動いたんだろうな。 あとは、「性格の悪い」といわれた犬が自分からペロっと舐めるシーンは、犬好きにはたまりませんでした。 気持ちよく読むのが、このお話の正しい読み方でしょう。


⇒次巻 『Q.E.D. 証明終了・31』の感想


<関連サイト様>
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オンライン書店【ビーケーワン】





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