『恋のドレスと黄昏に見る夢 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』の感想

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恋のドレスと黄昏に見る夢 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』

青木祐子・著/あき・挿画

集英社コバルト文庫
2008.4.10/\476





『どうしてもっと早く言ってくれなかったの?』
…ホントだよ!!(笑)


<ご紹介>
「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」シリーズの11冊目は、本編節目の第10作目でしたw(途中番外編が1作有り)。 「恋のドレス」を仕立てるクリスと、彼女を気に掛ける青年貴族シャーロックが、「闇のドレス」の謎に迫る恋物語。 個人的に一番大切にしたい小説です。 物語詳細は『恋のドレスとつぼみの淑女』レビュー等の過去記事をご覧下さいませ。
    ⇒関連記事 『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』過去記事一覧

シャーロックを想い、恋を煩うアディル・オルソープ伯爵令嬢。 『薔薇色(ローズカラーズ)』のパメラから「恋のドレス」の制作を断られショックを受けたアディルは、完璧なドレスを作るという『夜想(ノア)』に趣く。 『夜想』が「闇のドレス」に関わる店だとは知らずに…。
一方シャーロックは、アディルとの婚約の破談を明言し、「闇のドレス」について調べる。 死んだというクリスの母が、『夜想』の仕立人なのか? クリスは昔、「闇のドレス」を作ったのか…? だが、クリスに会いたい気持ちばかりが募る。 そしてクリスの元にも『夜想』から手紙が届き…。



<感想>
いつも冷静ではいられないほどドキドキしながら読むこのシリーズですが、今回に限っては、入手出来ないかもしれないという恐怖の方が大きかったです(笑)。 詳細は4/2の日記でも読んでやってください…本当に、買えて良かった!! そして、読めて良かったですっ。 よくやったシャーロック!!


今までずっと、クリスもシャーロックも、そして私も待ち望んできた今回のラスト。 そこに至るまでクリスは寂しい気持ちを抑え、シャーロックはそんな彼女が繕う想いに気づかずにすれ違ってきたけれど、ようやく恋が成就したあのシーンには、思わず涙ぐみました。 あきさんの挿画がまたナイスなのです…!! あのイラストは、表紙と対になっているのですね。 狂おしいほどの気持ちが伝わる素敵な一枚でした。 もう感涙!!


前作『恋のドレスと秘密の鏡』でシャーロックは、同じくエイボン川のほとりで「雨にぬれるのがきらいじゃない」と言っています(133頁)。 理由は、「ちょっと自由になるから」。 今回彼が見せた性急な告白には、アディルとの婚約を破談した安心感もあるのだろうけど、それ以上に、辛うじて抑えてきたクリスへの想いが「自由になる(=雨に濡れる)」ことで解放されたような感じに見えます。 貴族であることにプライドを持ち、そのために自縄自縛に陥っていたシャーロックが、初めて個対個としてクリスに捧げたシンプルな告白は、乗り越えたものの大きさゆえに、とても大切に聞こえてきました。


ただ怖いのは…この作品のタイトルが『黄昏に見る夢』だということ。 やっぱり夢、なのかな、現状では。 確かに障害の多い恋だけれど、だからこそ実現して欲しいのに。 実はこの「夢」が、同じく黄昏時に展開したエピローグのパメラとイアン先生の恋もかかっているようで、何だかちょっと怖いです。 「今日だけは」ってどういうことパメラちゃんっ!? 次も、あるんだよね…?とちょっと不安になりました。 


それにしても、多くの登場人物の「想い」を今回もきちんと綴ってあって、私は本当にこのシリーズが好きだなぁと思ってしまいます。 クリスはずっと「秘密」を抱えるためか内向的だったけれど、パメラに恋の相談が出来るほどに成長したことに驚きました。 そしてそれ以上に、パメラのクリスに対する愛情にも。 『扉を開けるマリア』の感想でも書いたけれど、クリスはパメラの希望そのものなんですね。 理解していたようで、実感しきれていませんでした。 微笑みあう二人のイラストはとても可愛らしかったけど、そのことでパメラが恋を諦めたりしなければ良いのだけど。


それから、シャーロックの想いにも。 「闇のドレス」を巡り、ケネスがどんなにクリスを疑っても、シャーロックは一回ずつ否定するんですよね。 本当は自分でも信じきれなくて自問自答しているくせに、クリスの名誉のためにそれを撥ね退ける気力は、クリスへの想いから生まれる力。 自分も傷つきながら彼女を守る彼の、とても大きな「愛情」の表れだと思いました。


アディルとクリスは、立場こそ正反対なのに、シャーロックに向ける想いはとてもよく似ているんですよね。 アディルもクリスも、一人でいるときはずっと相手を想っている。 感じようとしている。 でも、いざシャーロックと二人きりになっても、立場が邪魔をして本心を伝えられない。 そのもどかしいほどの真摯な想いが、身分や立場を全部取り払って愛を伝える難しさを表してて、でも、だからこそ尊いんだって思わせてくれる。 読んでいると、どんどんみんなのことが愛しくなってきます。 もうホント、大好きだっ!!(笑)


話の「核」となる「闇のドレス」についてかなり踏み込んできてて、クリスとリンダの関係も気になるところ。 リンダがクリスにした「贈り物」は、絶対間違っていると断言しますが、この危うい親子を本当の意味で救えるのは、シャーロックとパメラしかいない。 特に、もっと頑張れ男の子っ!!(笑)って感じで、次巻がとっても楽しみですw 何度も言うけど、大好きですっw 


●関連記事
・次作 ⇒『恋のドレスと約束の手紙』の感想
・前作 ⇒『恋のドレスと秘密の鏡』の感想


<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・4/8 『狭間の広場』 4/27『屋根裏物置』 『Sincerity』
オンライン書店ビーケーワン

           ⇒bk1で『恋のドレスと黄昏に見る夢』をチェックw





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