『C.M.B.森羅博物館の事件目録・7』の感想

C.M.B.森羅博物館の事件目録 7 (7) (月刊マガジンコミックス)

『C.M.B.森羅博物館の事件目録・7』

加藤元浩
講談社月刊マガジンKC/2008.2.17/?400



  『からくり人形も仕掛けを隠し 謎であることが命なんだ』
(『ザ・ターク The Turk』より)


<ご紹介>
講談社『月刊少年マガジン』で07年8月号から11月号に掲載された、4つの読みきりを収録。 大英博物館が認める「知を象徴する3つの指輪」を持つ少年・森羅と元気印の高校生・立樹が、自然誌の謎に挑むミステリコミック。 兄弟作に『Q.E.D.証明終了』があり、こちらは理数系ミステリを特徴とするシリーズです。
     ⇒関連記事 『C.M.B.森羅博物館の事件目録・6』の感想
     →関連記事 『Q.E.D. 証明終了・28』の感想
     ⇒関連記事 『ロケットマン(全10巻)』の感想
     

<感想>
前巻にあたる『C.M.B.』第6巻は、『Q.E.D.』とコラボした『カノプスの壷』編で1巻を使い切り、大掛かりな見せ場を作ってくれたけど、今回は4つの読み切りを用意して、違う味わいを示してくれた感じ。 『C.M.B.』らしい博物学色の強いものばかりではないので、「小難しくて苦手」という人も入りやすいかもしれません。 あ、5巻で登場したマウちゃんが再登場で、ひたすら大喜びのりるです。 女の子キャラは、多い方が良いに決まってますw(笑)。


●Op.11 『飛蝗(ひこう) Locust』
ある村で突如発生したイナゴの大群。 殺虫剤で駆除するか自然を守かで、村の意思は割れていた。 そんな中で珍しい色の鳥を見かけたサトシは、殺虫剤から鳥を守るため森羅に助けを求める。 何故イナゴの大量発生が起きたのか。 そして「鳥」が導く村の未来とは!?

たまにテレビで見かけることがある、イナゴの大量発生。 このメカニズムを森羅が解き明かすのが「推理」部分のメイン。 なるほどなるほど!! とても興味深かったw 一方「ストーリー」の主軸は、「鳥」を守るために体を張る少年と、村の利益のためにその純真をあしらおうとする大人の対比にありました。 ひたすらに「鳥」を追い求める少年に泣きそうになり、その「鳥」に石を投げる汚い大人に悔しくて泣きました。 私にはどうしても、お金のために生物に石を投げる気持ちは理解できないんだもの。 それが同じ大人の行為だということが悔しくてたまらない。 ボロボロになったサトシが、この上なくカッコ良かったです!! 失わなかったものは何でしょうね。 「心」かな?
で、私的には重要だけど本筋とは関係ないツッコミを一つ。 立樹ちゃんと森羅、旅館の部屋は別々なんですね(笑)。 あと、扉絵の森羅が可愛いのだw


●Op.12 『鉄の扉 Iron Door』
闇のブローカー少女・マウの依頼で防空壕を調べることになった森羅と立樹。 300キロもある鉄の扉を開けると、中には人が死んでいて…。 何故彼は死んだのか、そして本来防空壕にあるはずだった「宝」とは一体…?

という訳で、マウちゃん再登場w 夜、博物館で森羅と忌憚なく言い合うシーンとか、かなり好きだなっ。 相変わらず生き生きと裏稼業にはげむ姿(笑)が超可愛いし、森羅も立樹ちゃんと一緒だと幼い部分が強くなるけど、マウといるときは素で辛らつだったりするし(ん?シャレか?)。 こう、理解しあいながらも共感しない関係なんですよね。 その分、立樹と森羅は理解できなくても共感できる何かがある。 この対比、良いですね!! ただ、マウが出るとどうしても立樹ちゃんの影が薄くなっちゃいますね。 
は!! 内容について話してない!!(笑)。 終わらない戦争の闇につけいる人間こそが闇なのか。 でも、一見関係のない仏像の行方を捜すという行為も、人の救いを探す代替のようにも思えました。 


●Op.13 『イン・ザ・市民プール In the Civic pool』
市民プールを舞台に、様々な人のごたごたを描く小話。 立樹の友人のチケットの行方、何かを悩みながら泳ぎの練習をする男性、いるはずのない同級生の影、そして、東京では絶滅したはずのゲンゴロウ。 すべての糸が森羅の手で紡がれるが、その先にあるものとは…。

答えが出ても、解決はしない。 そう、解決の道を見つけるのは、人間が自力でしなければならない作業なんですね!! おお、ちょっと哲学的なのに、お話は妙にコメディテイスト(笑)。 そのギャップこそが面白いです。 
ここで、水泳の練習をしていた男性が「息継ぎが必要だ」と気づくのも、なかなか深いですよね。 立樹の友人も塾に通う子供も、考え方が固くなっていたからこそ、親や友人とすれ違ってしまった。 でも、生きる為には「息継ぎ」も必要だということ。 小さく、一歩ずつ、一呼吸挟みながら、じっくり進んでいくべきなんですね。 うん、好きなお話ですw


●Op.14 『ザ・ターク The Turk』
博物館で、「考える人形」の異名を取る「ザ・ターク(トルコ人)」とチェスをすることになった森羅。 だが、その間に何と美術品の盗難事件が発生していた!! 「トルコ人」は何故考えるのか。 そして盗難事件の犯人は!?

去年上野で見た『大ロボット博』、江戸東京博物館にある大きなからくり人形。 作られた時代も性能も違うけれど、人型の中で誰かの意図が組み込まれ、模型が動くという素晴らしさに圧倒されたのを覚えてます。 今回の「ザ・ターク(トルコ人)」は、コンピュータの原型とも言われた人形だそうだけど、その時の気持ちを思いだしながら読みいってました。 謎にまさる魅力はない。 ラストで森羅がいう台詞が全てですね。
「トルコ人」が手品なら、犯罪のトリックも手品的でした。 ちょっと趣向が違って面白いかったなw


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