『恋のドレスと秘密の鏡 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』の感想



『きらわれたくない、だなんて言いづらいもんな』
『・・・・・・。』
見抜かれてます、シャーロックさん(笑)。


<ご紹介>
「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」シリーズ第10弾にして本編9作目。 「恋のドレス」を仕立てるクリスと、彼女を気に掛ける青年貴族シャーロックが、「闇のドレス」の謎に迫る恋物語。 どもまでも愛しくてでもじれったい気持ちを届けてくれる、当ブログ1お薦めの少女小説ですw 詳細は 『恋のドレスとつぼみの淑女』レビュー等の過去記事をご覧下さいませ。
クリスを誘い、反故にした約束を謝るシャーロック。 クリスは受け入れてくれるが、その素直さが逆にシャーロックを不安にさせる。 そんなクリスに舞いこんだ、公爵令嬢・コーネリアからのドレスの依頼。 コーネリアは、親のすすめで自分の恋人を異母妹・アップルに近づけるような複雑な心理を持つが、クリスは彼女の本質を優しく理解する。 しかし、コーネリアはアップル用のドレスを「闇のドレス」と作る噂の『夜想』に依頼し、クリスを『夜想』の縫い師・コルベールに引き合わせる。 それを知ったシャーロックは…?
    →関連記事 『ヴィクトリアン ローズ テーラー』シリーズの感想一覧はこちら


<感想>
この物語と出逢って、約1年。 発売のたびにいつも一番楽しみで、1年ずっとドキドキしっぱなしの作品です。 いつ読んでも、何度読んでも、クリスとシャーロックが互いを想う気持ちのじれったさが、涙が出るほど愛しくて堪りません。 あぁもう、何で君たちはそんなに可愛いのっ!?と、声を大にして言いたいっ(笑)。 大好きだ!!(笑)。


閑話休題。 えー、さて本編。



「秘密の鏡」ということで、あきさんの表紙イラストがまた素敵。 前作『恋のドレスと大いなる賭け』の表紙では、クリスとシャーロックのすれ違いを示すように、二人の左手が触れそうで触れない距離にあったのに比べ、今回はシャーロックがクリスの右手をしっかり握りこんでいます。
…イイっ!! もう最初から素敵ですあきさんっ!!(笑。落ち着こうよ…)。
シャーロックはラスト、人前でもクリスをかばうために手を握った。 その強い意思と、「秘密の鏡」を覗きこむクリスを支える様子が表されているんですもの。 相変わらず、グッジョブですあきさん♪


今回、クリスの純情ぶりに逆に翻弄されてしまうシャーロックが、ホントに可愛くて仕方ありませんでした(笑)。 クリスに謝罪したりやきもち焼いたりするのに、あくまでも控えめなクリスの反応がもの足りないなんて…もう、「好き」が溢れてますよねw 冒頭でいつもの、「シャーロックさま…」「シャーロックでいい」のやり取りのあと、「シャーリーって言ってくれ…」が増えたのが悲しいほど微笑ましいです(笑)。 

その溢れる気持ちを考えると、やっぱりエドの邪魔が私も許せません!! あとで反芻してまで「あの子どもが…!!」と怒るシャーロックが不憫で堪らないじゃないかっ!!(笑)。

それに、雨のシーンの囁くようにささやかなキスも。 あぁクリス、良かったねって思いました。 クリスを怯えさせないように配慮しつつも、触れるのを躊躇わなくなったシャーロックの想いが、どこまでも深くて純粋で、本当に気持ちが良いです。 こんな風に思われて良かったね、クリス。 シャーロックは恋を知って、どんどん良い男になっている気がします。 


それに比べ、クリスがいまだに内向的すぎるのは、彼じゃなくてもやっぱり気になります。 「闇のドレス」の壁を乗りこえないと、もうお互いに身動きできないところまで来てるのではないでしょうか。
クリスが今回、正反対の性格をもつかに見えたコーネリアの本心を理解できたのだって、「闇のドレス」や母親と向き合わず逃げてきた過去があるから、なんですよね。 そして作ったドレスの名が「虚構の鏡」だというのなら、クリス自身だって「虚構」なのです。 

アップルは、異母姉に「闇のドレス」を着させられるという疑念を抱きながらも、姉を信じてドレスを着た。 その強さは確かに、「真実の鏡」というドレスにふさわしいし、反対にその強さはクリスとコーネリアにはない。 だからクリスはコーネリアの虚構を指摘できずに「真実の鏡」と嘘の名を告げたわけで、その弱さと心の傷を直視できないクリスが、悲しかったです。 大好きな人から嫌われないために逃げた二人が、とても繊細で、悲しい人でした。 

「虚構の鏡」は、コーネリアのもの。 「真実の鏡」は、アップルのもの。
そして、「秘密の鏡」は、クリスのもの。
早く真実を見せてあげないと、シャーロックが可哀想だよ、クリス。 コーネリアは最後、ビアードの手をとらないで一人で立った。 それはクリスのドレスのおかげだけど、悲しい結末でした。 だからこそ作り手のクリスには、そうなって欲しくないと思う。  


さて、パメラちゃんとイアン先生の恋は順調そうだけど、ユベールの動向が本気でおかしい。 彼がシャーロックに役職を超えて「(クリスは)おまえを好きなんだ」と忠告したのは、クリスがリンダのようになってしまうのを恐れているからじゃないかな。 そう考えると、ラストでリンダから贈られた「鏡」が、めっちゃ気になる。 だって、「おやすみなさい、美しい夢を」って、まんま「夜想」ですよね!? ゆっくり微笑むクリスが、何となく不安です。 闇に取り込まれなければ良いのだけど…。
『夜想』へのドレスの依頼の仕方が「雨の日の夜、人の死んだ場所」というのがまた意味深。 「闇のドレス」への謎がどんどん深まるお話でした。 


<まとめ>
クリスの混乱に引っ張られて、私も混乱中。 そんな中、p123のパメラとシャーロックのやりとりに癒されました。
パメラ 「あたしだってあんたが思っているほど乱暴じゃないのよ、本当は」
シャーロック 「本当か!?
・・・哀れ、シャーロック(笑)。
⇒次作 『恋のドレスと黄昏に見る夢』の感想
⇒前作 『恋のドレスと大いなる賭け』の感想


<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・『狭間の広場』 『暇人 ~ひまびと』 2/14『繙読の栞』 4/26『Sincerity』
●出版社・・・『Webコバルト』
●この本を買う・・・『bk1』

    →関連記事 『ヴィクトリアン ローズ テーラー』シリーズの感想一覧はこちら




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>ミナモさん

こんにちは!! 
うおー、ミナモさんからこの作品のコメントを頂けるなんて、すっごく嬉しいです!! 好き、私、ミナモさんが好きですっ!! (待てコラ・笑)

>面白いくらいにわたしの頭の中、ヴィクロテで詰まっていますw

ニガテなジャンルだと分かっていつつ、この作品を手にしてくださってありがとうございます。 私、関係者でもなんでもないけど、ファンとして嬉しいw

ミナモさんも仰ってますけど、4年の歳月は必要だったんだと私も思いますよ。 人との出会いもそうですけど、タイミングってどうしてもありますよね。 

私もですね、このシリーズと出会うまでは結構本を読むペースが早かったんですよ。 それが特技だと思ってたけど、何故かこのシリーズだけはそれが出来ない。 行をたどるように丁寧に目で追って読んでしまうし、少し進むとまた戻って、シャーロックやクリスの心情を感じなおしたり…そういう「読み方」をするようになりました。 今は他の作品もそう読むようになったので、まさに出会うべきタイミングだったんだと思ってます。


>前回の「恋のドレスと大いなる賭け」のラストで結構心が折れてしまったのですが

うん、あれは折れる、折れますよね!! シャーロックがダメすぎますよね!(笑) でも、ここで折れた時の気持ち、最新刊で嬉しく変化します。 ご期待くださいw

>そしてあきさんのイラストにも、毎回視界が開ける思いでウットリしていますw

本当に素敵ですよねw うっとりするし、あとがきは笑えるし(笑)、最高です!!

>先程、難解に思えたと書きましたが

実は私も初読時は混乱してました。  コーネリア・アップル・クリスとそれぞれの母との関係が見えにくいので、ちょっと入り組んでるなぁという印象です。 

>でも今度はクリスの気持ちに同調してもっと切なかったような恥ずかしかったような

切ないですよね。 私はどちらかというとシャーロックに同調してしまうので、ひたすら「クリス可愛い」とか思いながら読んでました(笑)。 クリスは湖のように深い何かを持っているので、正直、私にはまだちょっと踏み込めない部分があるのです。 だから余計にその心を覗きたい・・・って、ホラ、シャーロックと一緒なんですよ(笑)。 魅了されすぎですね。

>読み終わった感想は

私の感想に共感してもらえて嬉しいですw 何ていうか、そういうお言葉のひとつひとつがこの作品への愛情を増してくれるような気がするのです。 こちらこそありがとうw

>すみませんっ!

いえ、長文コメント大好きなので大歓迎っ!! それをいうなら、このお返事も相当長いですしね(笑)。 ありがとうございました。 

こんにちは!
リアルタイムで読まれているりるさんにはまだまだ追いつきそうにないんですが…ここ4日間、このシリーズだけを読み続けてようやくこの巻まで辿り着きました!(笑) わたしには若干苦手なジャンルだったのですが…時間を置いてから(4年も経ってしまったけれど)読んだのがよかったのか、面白いくらいにわたしの頭の中、ヴィクロテで詰まっていますw 旬なネタに食いついていませんが(汗・すみませ…)、この巻、少しわたしには難解に思えてしまったのでこちらにコメント失礼させて頂きますね。

前回の「恋のドレスと大いなる賭け」のラストで結構心が折れてしまったのですが、今回はその分ラストのシャーリーに「よしっ!」と思わずガッツポーズをしてしまいました(笑) そしてあきさんのイラストにも、毎回視界が開ける思いでウットリしていますw

先程、難解に思えたと書きましたが、りるさんの感想を読んですとん、と理解できたかも…。というのも、わたしがコーネリアさまと彼女の母親の関係ばかりに着目を置いていたせいか後半部分に入ってコーネリアの回想(気持ち?)か母親の独白か、それともクリスもその中に入ってきてる…?といろいろと考え込んでしまったんです。
もう一度、クリストシャーロックを中心に読んだら考えすぎだったの…かな、と(苦笑) でも今度はクリスの気持ちに同調してもっと切なかったような恥ずかしかったような。。

読み終わった感想は、りるさんの感想が代弁してくれるみたい…と錯覚するほどほぼまったく同じでした^^*
まさか自分がここまではまるとは思わず…もうちょっと早く読み返していれば…と思う反面、やっぱりわたしには時間を置いて読んだのが良かったのかもしれないと思っています。

…削ったのに、何だか今までにないくらいの長文をしたためてしまいました…;(あわわわわ)
すみませんっ!
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