『GOTH』の感想


『初めて彼女に興味を持ったのは――
漆黒の裾から覗く 彼女の白い手首が 白磁のように淡く 
その“痕”を浮かび上がらせていたからだ』

<ご紹介>
『月刊少年エース』誌上で2002年~03年に掲載された(らしい)作品。 原作も未読の状態で読みました。 知らなかったのですが、邦画と洋画で映画化も決定済みらしいです(が、邦画は停滞中)。 全5話。

GOTH―殺人などの人間の暗黒部分に強く惹かれる性質を持つ「僕」は、適当な会話と笑みでそれを隠して生きてきた。 けれど、クラスメイトの「森野 夜」と出逢ったことで、二人は何故か猟奇的な事件に引き込まれていく。 
『リストカット事件』 人・動物・あらゆる「手首」を切除し持ち去る猟奇事件に興味をもつ「僕」。 学校のゴミ箱に手首が切り取られた人形を見つけたことで、犯人を推理し、ある計画を立てるのだが…。

    →関連記事 『銃とチョコレート』の感想(乙一・著)


<感想>
どこか病的な静謐さを持つ雰囲気と、大岩ケンヂ氏の綺麗な絵柄が、本来あるべき狂気をうまく「物語」に昇華した意欲作、ではないでしょうか!! いや、面白いです。 今更何さと言われそうだけど…だって、貸してもらったんだもん(ぉぃ)。


原作は、『夏と花火と私の死体』で「死んだ私」を語り手として物語を淡々と綴った乙一氏。 初めて読んだ時は結構ショックでした。 あぁ、この感性は私には絶対にないな、って。 付いていけない、理解できない、好きか苦手かで言えば苦手なハズなのに、目が離せない危うさが逆に素敵だったのを覚えてます。 


今回も、そんな感じ。 特殊な嗜好を持った「僕」と森野が、毎回何故か猟奇的な事件に遭遇し、しかも森野は誘拐される専門家か!!(笑)というくらい毎回拉致され危険な目に合うという不思議なお話。 その中で、「変質者を誘う何かがある」と語られる森野の奇妙な美しさは神々しいまでだし、森野への興味を「手が欲しい」という感情で表現する「僕」にしても、その異常性をたっぷり見せ付けるのにこんなにカッコイイなんて嘘!!と思わせるくらい魅力的。


その魅力を、大岩氏がまたすっごい+アルファ効果のある絵で表現していて…びっくりするくらい。 第1話『リストカット事件』ではまだ幼さを残す「僕」たちが、回を増すごとに外見も大人度を増していくんだけど、同時に彼らが抱える「異常性」までもが「成長」していくのが目に見えるんですよね。 漂わせる雰囲気や仕草、それから表情で。 第3話『土』で、フェンス越しに犯人を追い詰める「僕」とか、どっちが犯人だよってくらいの極悪顔なのに(笑)、やっぱり奇妙にカッコイイのですよ。 でも壊れてる。

 
「僕」にあるのは、暗がりを覗きたいという奇妙な情念だけ。ラスト、森野を救い嘘をつき、「僕が殺してあげるよ」という時に漂う静謐な雰囲気は、もうこの後どうしたら良いのか分からないくらい壊れてる。 でも素敵。 この矛盾がエンドレスに続くのが、『GOTH』の魅力なのかもしれないです。


<まとめ>
ストーリーはミステリ仕立てなのだけど、その異常性のおかげで(?)更に先を読ませない作りなのも上手なところ。 扱うテーマが特殊なので、雰囲気や際どい絵が苦手な人はいるのでしょうが、それでも敢えてオススメ。 実は、カバーを外すとカバー裏に仕掛けがあるところも、「二面性」を連想させるナイスな演出ではないでしょうか。


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