『伯爵と妖精 月なき夜は鏡の国でつかまえて』

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『伯爵と妖精 月なき夜は鏡の国でつかまえて』

谷瑞恵
集英社コバルト文庫
2009年8月10日第1刷発行/¥533+税






「きみを失いたくないから、冷静でいられなくなる。 でもそのせいで、ひどいことをしてしまったよね」
少しずつ距離を縮めて、やっと結ばれたのに、昨日の彼は、積み重ねてきたものを壊してしまいかねなかった。
気にしないでというように、リディアは微笑んでいる。 ここには、エドガーが傷つけたリディアだけがいないのだ。
「昨日のきみを取り戻したい。 そうしてきみが笑って許して、僕を求めてくれるまで、抱くわけにはいかないんだ。 ……そうだよね、リディア」
腕に力を込めれば、リディアも同じようにしてしがみつき、彼の胸に頬を寄せた。



<ご紹介>
妖精が見える少女・リディアと、複雑な運命を経て 「伯爵」 となったエドガーとの冒険を描くロマンチック・ファンタジー。 シリーズ19冊目、本編としては16作目です。 
新婚生活がスタートしたものの、すれ違いの日々が続くリディア達。 ある日リディアは黄金に輝く石を手に入れる。 彼女の持つ、妖精国への地図が記されているというペンダントと同じ石だと妖精が届けてくれたのだ。 見覚えはないものの、妖精国への手がかりを求めて調べ始めるリディアは、とある屋敷に辿り着く。 一方、別の方法で調べを進めていたエドガーは、幽霊屋敷のオークションに参加することに。 思いがけず幽霊屋敷で再会した二人は、当初のすれ違いをひきずったまま、リディアだけが鏡の中に引きこまれてしまい…。


<感想>
という訳で、感想です。 5日間も読みふけっていたんだから、何も書かないんじゃ勿体ない!! ということで、無謀にもシリーズ19冊目から感想書き始めます(笑)。 いや、だって面白かったんだもん…。


お話としては、フェアリードクターとして人間と妖精を結びつけることを天職とする少女・リディアと、一度地の底まで落ちながらも彼女の協力で運命を切り開いた青年・エドガー(ただし、口説き魔・笑)との、恋と冒険の物語です。 凄惨なエドガーの過去と、その過去から脱却する為に手に入れた 「青騎士伯爵」 の地位が、リディアとエドガーに妖精や魔法といった不思議な力との結び付きを求めさせ、冒険をするうちに心を通わせていく様子は、まさに 「ドキドキワクワク」 といった感じで、とても楽しかったです。 ヴィクトリア朝のイギリスという舞台や、可愛らしくも小憎らしい妖精たち、重要なアイテムとして描かれる宝石 (というより鉱石) の描写など、ファンタジー要素を盛り上げるモチーフも満載で、頭の中で想像する楽しさもありました。 ニコの毛のフサフサ加減とか、想像するだけで気持ち良さそうなの(笑)。


激動する物語とは違い、リディアとエドガーとの恋は、至って牛歩です。 恋に積極的なエドガーと、臆病なリディアの関係は、びっくりするほど進展が遅く、そんなところもじれじれ好きな私の好みにはぴったりでした。 ずっと(諸事情で)婚約状態でありながら、実際の結婚まで17冊かかるあたり、もはや天晴れじゃないかと(笑)。 エドガーもリディアも、初めて手にした 「大好き」 に途惑い、その隙を突くように敵さん達が余計な横槍を入れてくるせいで、二人は何度も何度も引き離される運命に曝されるんですよね。 でも、それを上回る勢いで、また出逢う。 また惹かれる。 どうしようもなく離れられなくなる…。 この繰り返しです。 それでも確実に、繰り返す度に二人の想いが強くなっていくところが、私には魅力的でした。  


そんな二人がハネムーンで手に入れた、 「妖精国」 への地図。 地図とは言えども白紙だったその秘密を探る為に、リディアとエドガーは別々の方法であるお屋敷に辿り着いたことから騒動が起こる…というのが今回のお話。 表紙を見た時に、 「きっとリディアが鏡の中に閉じ込められて、エドガーと引き離されちゃうんだろうな」 と予想してたら、その通りだったので面白かったです(笑)。 


鏡の中のリディアと、自我を奪われた体だけになってもエドガーを愛している外側のリディア、その間で揺れるエドガー…という構図がまたイイじゃないですか!! なんていうか、エドガーはもっと揺れれば良いと思いますよ(笑)。 恋への向き合い方も価値観も、何もかもが違う二人だからこそ感じる齟齬を、もっと実感して良いんです。 だってその 「違い」 をも乗り越える 「幸せ」 を、彼は手に入れているのだから。 鏡像だけのエドガーとの再会だけでも元気になれるリディアを見てると、つくづくそう思いました。 彼らにとっては、すれ違う幅さえもが、お互いを想う気持ちの大きさんだろうな。 そんな事を考えながら見た281頁のイラストがあまりに美しくて、ちょっと泣きそうになりました。


ただ、私の心を捉えて離さないのは、二人の恋愛以上に、レイヴンとニコの奇妙な友情だったりします(笑)。 何だあの可愛い生き物同士は…!! 『おれに頬擦りしようとするんだぞ!』 『それは誰でもしてみたいと思ってます』 と言いつつ出来ないレイヴンが可愛すぎる!! (でもって、この会話が後々にもきちんと効いてくる展開上手はさすが) 彼らはお互い以上に大事な存在がいるけれども、それでも一緒にいたいと思える関係はとても微笑ましいです。 しっかり育んで欲しいなw あとはアレです。 ケルピーが活躍すればするほど不憫に思える不思議…(笑)。


それにしても、妖精国への手がかりを見つける作業も牛歩だったので、もう少しお話が進むと良いなと思った次第です。 あと、謎だった月の復活シーンは、もっと派手でも良かったような気もしました。 そこだけ勿体なかったかな? 次回からはきっとリアルタイム購入することになるので(笑)、その日が今から楽しみですw
<追記> 「読本」を混ぜると20冊目でした。 えーと、混ぜてカウントすべき?




<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・『時間旅行~タイムトラベル』様  『はなのみ亭』様  『独裁switch。』様  『- `)。oO(少女小説読みの日記)』
(シリーズ全体としては『Happy Tomorrow』様)
オンライン書店【ビーケーワン】・・・『伯爵と妖精 月なき夜は鏡の国でつかまえて』をbk1でチェック!!





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