『邪眼は月輪に飛ぶ』の感想

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『邪眼は月輪に飛ぶ』
藤田和日郎/小学館ビッグコミック/2007.5.2/?524
黒木香+ベイブリッジ・スタジオ(デザイン)




   『その掟は 一つだけ。
<ミネルヴァ>に見られた者は みな死ぬ。』



<ご紹介>
『週刊ビッグコミックスピリッツ』の掲載された作品。 全1巻。

むかし、むかし、あるところに――眼を見ただけで生き物を殺せる恐ろしいフクロウがいた。 名前はミネルヴァ。 一度はミネルヴァを撃ち落とした猟師・鵜平だが、隙をついたアメリカ軍にミネルヴァを連れ去られてしまう。 そして13年後、大量の米軍兵士の死骸とともに、ミネルヴァが再び現れた!! CIAとデルタフォースのエージェント、ケビンとマイクから打診を受けた鵜平は、娘の巫女・輪とともにミネルヴァに挑む!! 
    →関連記事 『黒博物館 スプリンガルド』の感想


<感想>
表紙デザインがめちゃくちゃカッコイイ!! それでずっと気になってました。 綺麗な元イラストが中表紙にあるんだけど、数段表紙向きなデザインに昇華されてます。 背表紙も良くて、個人的にはこれだけで文句無しに優評価w 『獣神演武』(→感想はこちら)・『黒博物館スプリンガルド』に引き続き貸してくれたIさんに感謝(笑)。


お話は、ミネルヴァに様々な思いを抱く4人を中心に展開。 そして、全員がミネルヴァを通して自分を見ている。 ミネルヴァにより妻と犬を失った鵜平、母を殺したと思い込む輪、仲間を殺されたマイク、ケビンは仲間と共になくした一体感を得るためにミネルヴァを見る。 その面をしっかり描くことで、ミネルヴァだけが悪者なのではなく、人間の醜い部分もきっちり表現されている。 その上で、人との繋がりを大切にする話に展開していくんだから、何ていうか、物語の持つ力に圧倒されながら読んでました。


フクロウと言えば、古来から様々な比喩や啓示によりその身に畏怖をうけ続ける生き物。 本作でも、眼から血(=毒)を撒き散らしながら人間を見やる様子は、とてもおどろおどろしい。 その分、ミネルヴァが求めた「当然の幸せ」が辛く、痛かったです。 そう生まれたのはミネルヴァのせいではないはずなのにね。 しかもその宿命を、人間が利用しようとするなんて、もっと恐ろしい。
鵜平だけが立ち向かえた理由が、「何で、自然の前でかしこまれねえんだ?」という鵜平の言葉に集約されると思うんだけど、その気持ちを持ってミネルヴァに挑めるプロが他にいないという事実が、ホント悲しかったです。


『邪眼は月輪に飛ぶ』というのはミネルヴァのことかと思っていたけれど、ミネルヴァにとってみれば鵜平のことなんだ、というラストが圧巻。 「後記」でアシスタントさんがあのページに修正を入れてくれなかったというのも、物凄く分かる気がする(笑)。 あれはもう、鵜平の気迫勝ち。 ミネルヴァを悪者だと思わず、自分と重ね、それでも撃った鵜平の覚悟が勝ったんだと思う。


個人的に親子モノに非常に弱いので、鵜平親子にもミネルヴァにもめっちゃ感情移入してしまって大変だった(私が・笑)んだけど、「とうちゃんの娘だもんな」と笑った輪ちゃんに救われました。 『黒博物館スプリンガルド』でも感じたけど、藤田先生はヒロインの設定がもうめっちゃ上手ですね!! そりゃ鵜平もケビンも従うよ、って感じでした(笑)。


<まとめ>
「むかし、むかし」の語り手が最後に明らかになるくだりもカッコイイです。『スプリンガルド』も同じ趣向があるので、そんな楽しみ方も良いかも。ヒントはゴンブリッジにあったってことですね。 気づかなかった~。


<関連サイト様>
●この本を買う・・・ 『bk1』 / 『Amazon』
●出版社・・・『小学館オンライン』





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