『恋のドレスと大いなる賭け ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』の感想

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『恋のドレスと大いなる賭け ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』
青木祐子/あき
集英社コバルト文庫/2007.10.10/\476




『俺と逢いたくなかったのか。 
     俺は――逢いたかったのに』



<ご紹介>
『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ第9弾は、本編の8作目。 「恋のドレス」を仕立てるクリスと、彼女を気に掛ける青年貴族シャーロックが、「闇のドレス」の謎に迫る恋物語。 どこまでも愛しくて切なくてじれったい気持ちを味わいたい方に強烈にオススメですw 詳細は 『恋のドレスとつぼみの淑女』 レビューをご覧下さいませ。

シャーロックに想いを打ち明けたクリス。 その想いはクリス自身の世界を輝かせ、シャーロックの頭から離れることはない。 そんな時に依頼された、名門・オルソープ家からのドレス製作。 クリスは緊張しつつも令嬢・アディルに隠された心を仕立てようと奮起するのだが、アディル自身も気づいていない恋のお相手というのは…。 揺れるクリスの前に、再び「闇のドレス」が忍び寄る。 シャーロックとクリスの未来は?
    →関連記事 『ヴィクトリアン ローズ テーラー』シリーズの感想一覧はこちら


<感想>
読了後、こんなに心臓をバクバクさせる作品も珍しいです。 あぁもう、興奮したっ!!(笑)。 私はどちらかというとページを繰る手は早いんだけど、この作品は別。 常に別格。 作品のもつ「じれったさ」を堪能するために、そして、クリスとシャーロックの繊細で深い想いを共感するために、何度も辿り返しながら読みます。 一歩間違うと、ストーカーみたいよ(笑)。 二人の抱く恋心は、それくらい、私には尊く素敵なものに思えるのです。 この二人はお互いのことをずっと考えてるので、一緒にいるシーンが短いことに気づきにくいくらい。 そんなところも大好き。 今回も良かった…。


表紙と人物紹介欄のあきさんのイラストがまためちゃくちゃ素敵…!! あきさんのイラスト無しでは語れませんね。 表紙は、触れ合えそうで触れ合わない手が作品全体の内容をよく表現してる。 人物紹介欄の見つめあうクリスとシャーロックは、勝手に後半の木立のシーンだと思ってます。 だって、二人ともそんな表情なんだもん。 伝えたいのに、何かをぐっと堪えて、それでも目を逸らせない、みたいな。 あのシーンは、珍しくシャーロックが素直に行動してくれた場面なので、私のどきどきも最高潮でした。 もちろん、一生懸命弁解するシャーロックを面白がってたわけじゃないですからね(笑。言い訳するから疑われるのだ)。 もちろん、一度クリスに拒絶され異様に傷ついてたのが可愛かった、なんていうのはナイショですからね(笑)。 


とはいえ、そこはタイトル『大いなる賭け』が示す通りの大波乱。 「闇のドレス」的にも、クリスとシャーロックの恋愛的にも、ラスボスが登場なさったようです。 アディル嬢と、ついにあの人が…!! ユベールの動きも気になるところです。 


さてさて、あちこちで展開していた登場人物たちの『大いなる賭け』に、本場イギリスの競馬を持ってきた展開が、めちゃくちゃ巧いです青木先生っ!! そう、『賭け』をするオークス(競馬のレース)をラストシーンの決戦の舞台に配しているんですよ。 ハクニール家が競馬に携わってきた名家で、シャーロックはずっとそれを嫌ってきた、という事実がこのための伏線でもあったのなら凄すぎます。 


この舞台で行われた『賭け』は、
・イアン先生のパメラへの告白
・シャーロックの父への宣言
・アディル嬢のシャーロックに対する挑発
・クリスとシャーロックの恋
かな? 全ての『賭け』がここで繰り広げられ、何らかの結果を残している。


イアン先生はちょっと勝ち。 保留中とはいえパメラには正式な申し込みをしたのだから、オークスに来てもらえただけで勝ちでしょう。 パメラは、本来の意味で賭け(競馬)に勝ってた(笑)。 シャーロックの宣言は父と権力の前に崩れて負け。 せっかく振り絞ったクリス最大の決意も、なし崩し的に負け。  

そして、最大の勝者はやはりアディル嬢。 嫣然と微笑み、シャーロックまでも魅了した彼女の最大の武器がクリスの作ったドレスだというのがまた皮肉です。 今までシャーロックもたくさんのドレスを見てきたんだから、免疫つけとけよ…と思いません?(笑)  二人にとっての「最大の壁」は「身分の差」だと思ってたけど、もしかしたら「クリスのドレスの力」こそがそれだったのかも・・・とちょっと怖くなってしまいました。 本命馬(エイドリアーナ)が負けた、というのも暗示的・・・。 シャーロックにとっての本命馬は、明らかにクリスですから。 
同じことは「闇のドレス」側にも言えます。 目の前で恋を失いそうになったクリスが「彼女」に見せた恋の弱さ。 クリスのドレスが「闇のドレス」に引きこまれないと良いのだけど…。


いずれにしろ、『賭け』の行方はどうやらラスボス側に有利。 現状ではクリスとシャーロックの分が悪いです。 今回最終的にクリスを泣かせたシャーロックには減点100+パメラちゃんの鉄槌を与えたいです(笑)。 あぁもう、幸せになって欲しいのに……今後どうなるんだろう!! せっかく芽生えたクリス自身の「努力したい気持ち」、潰れないよう、潰さないよう、育んでいけるといいのにな。
⇒次作 『恋のドレスと秘密の鏡』の感想
⇒前作 『恋のドレスと運命の輪』の感想
⇒番外 『あなたに眠る花の香』の感想


<まとめ>
読み手は選ぶと思いますが、個人的には一番楽しみであり、かつ冷静ではいられないほど好きなシリーズ。 コンスタントに発刊されるのも魅力です。 ★★★でオススメ。


<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・12/19『Sincerity』
●この本を買う・・・ 『bk1』 / 『Amazon』
●出版社・・・『Webコバルト』 



   →関連記事 『ヴィクトリアン ローズ テーラー』シリーズの感想一覧はこちら




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