『黒博物館 スプリンガルド』の感想



『 きれいな花を咲かせる人は
孤独な時を耐えなければいけない 』
 

<ご紹介>
19世紀の倫敦。 5本の爪、跳び上がる長い足、甲高い笑い声…。 女性ばかりが変死する事件に共通して現れる犯人の特徴は、3年前に突如姿を消した怪人・バネ足ジャックに酷似していた。 3年前に犯人と目されていたのは、警視庁も迂闊に手を出せない大貴族・ウォルター。 だが今回の凶行に痺れを切らしたジェイムズ警部は、ウォルターを問い詰める。 だが、「バネ足ジャック」の事件は、警部も想像しなかった展開を見せるのだった…。 犯罪の証拠品を展示する「黒博物館」に、ジャックの伝説が蘇る…!!


<感想>
私、思うんですけど、講談社『ミステリーランド』編集部は藤田和日郎氏にイラストを依頼すべきじゃないでしょうか!!(本気。『ミステリーランド』についてはこちら)  大人を意識しつつ子供心を忘れない、というコンセプトは、両者に通じる気がします。 そういう面白さがあった作品でした。 良いなぁ、好きだなぁ。


まず装丁が好き。 読み古された伝奇小説のように見える表紙デザイン(目次もですね)、わざとボロボロに見えるような色使いがニクいじゃないですか。 革張りの手触りを狙った紙質もいい(意外と湿気ない)。 開いてすぐのカラーページのイラストもまた凄いカットですね。 この構図、良いなぁ!!  何ていうか私、読む前にはもうこの「本」を好きになってましたよ。 うん。


あとは、メインとなる「バネ足ジャック」の造形だけで、もう勝ちなんじゃないかと…。 奇怪な立ち姿だけで絵になる。 跳躍するだけでどこか恐ろしく、どこかコミカル。 あぁ、良い絵だな、と思った次の瞬間から、ストーリーに惹き込まれていきました。


何ていうかですね、「大人になってからボーイミーツガールをやると、こんな感じなのかな?」って思いながら読んでました(笑)。 少年の頃なら、出会うだけで世界が変わるような物語も創れるんだと思う。 そうね、『交響詩篇エウレカセブン』のように。 でも大人はそうはいかない。 いろんなしがらみがあって、譲れないものもいつの間にか出来ている。
それでも、この人と出会って確実に何かが変わったのだという核みたいなものは絶対に有って、『スプリンガルド』はウォルターのそういうお話だった気がします。 傲慢で横暴な男として登場したウォルターが、マーガレットが入室してきた瞬間に見せたあの顔、あれがウォルターが新しく得たものなんだと思う。 そして、自分の力で勝ち得た切ないラストも。 う~ん、恋って良いなぁ(笑)。


併録の『マザア・グウス』は、本編よりどうも10年…以上?後のお話みたいだけど、いつの間にか警部と友人だったんだ(笑)、とか、本編ラストでウォルターが漏らした「新しい遊び」はどうやらまだ成功して無いみたいだ、とかの面白さもあったし、単純に少年少女の冒険活劇としても面白い。
ウォルターとマーガレットの出会い、警部との出会い、フランシスや姪との出会い。 いろんな出会いを通してウォルターがどう行動するのかを同じ高さの目線で楽しめる作品だった気がします。


<まとめ>
★★★でオススメ。 それにしても、私、藤田作品をちゃんと読んだの初めてなんだけど、面白かったなぁ。 今更『うしおととら』とか読めないから(長い…)、『邪眼は月輪に飛ぶ』を読んでみようかな。 これも表紙デザインが秀逸なんだよね!!(そこか)


<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・9/29『棒日記? All’s right with the world !』 『Play Room』
               『漫画読みの憂鬱』
●TB送信先サイト・・・『或る書店員の戯言』
●この本を買う・・・ 『bk1』 / 『Amazon』


 


Loading...
Secret

☆Web拍手ボタン

押して頂くとりるがハリキリます(笑)

☆カテゴリ

☆サブカテゴリ (タグ)

 

☆最新コメント

☆リンク(おすすめサイト様)

☆アクセスカウンタ

QRコード

QRコード

RSSリンクの表示

アクセス解析

関連記事Loader

[猫カフェ]futaha

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

☆検索フォーム

☆購読予定一覧

☆アニメDVDの人気ランキング

☆更新日カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

09月 | 2017年10月 | 11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -


☆オススメ