『ロケットマン(全10巻)』の感想



『 行こう! 宇宙に! 』


<ご紹介>
『Q.E.D. 証明終了』と雑誌違いで同時連載していた作品。 完結済みですが、個人的に今でも大プッシュですよ!!
水無葉(みずなし・よう)の幼い頃の記憶は、とても曖昧だ。 むせかえる密林、湖畔に佇む美女、そして、いなくなった母…。 過去と現状に疑問を持ちつつ平凡に過ごしていたが、重症を負った謎の男・Rと出遭ったことで葉の日常は一変。 Rは世界の「情報」を「価値」に変える巨大組織『T・E』のエージェントであり、仕事の報酬として受け取る部品で宇宙を目指すロケットを作っていた。 同級生の弥生と共に、勢いでRの仕事を手伝った葉は、幼い頃の記憶の情報を得るが、何故かそれが『T・E』のトップ・アイエネスの逆鱗に触れるほど重要なもので…!! 葉の記憶の謎、巨大組織の真実、そしてRのロケットが暴く軍事スキャンダルを描く、冒険ミステリロマンです。


<感想>
…好きです、のひと言じゃダメかなぁ?(笑) そのくらい、好き。 「面白い漫画ある?」と聞かれたら、真っ先にオススメすることにしてる作品なのです。 私だってラブコメばかり読んでるわけじゃないのだ(笑)。

1巻の作者コメントで、「冒険があって、宇宙があって、謎があって、カッコイイ奴が出てきて、よくわかんないけどカッコイイ言葉が出てきて、世界中をかけまわる、そんなお話」とあるけれど、まさにその通りなのですね。 よくここまで詰め込んだなぁ!!としみじみ思います。 とにかく、スゴイ。 謎好きには堪りませんぜw


その「謎」部分を担当してるのが、主人公・葉。 彼の記憶が、「真実を売る」と言われる情報組織『T・E』の根幹に関わるというだけではなく、「情報」がどこからくるのか、本当の「答え」とは何なのか、といった「真実=謎」に迫る人物として設定されているからなんですね。
『Q.E.D. 証明終了』を彷彿とさせる金融のお話や、双子の謎なども扱ってるので、そこだけ見ると普通のミステリなんだけど、あくまでもメインは「情報」。 そして『T・E』が組織である以上、そこに「価値」が生まれてくる。 要はその「価値」を生かすも殺すも本人次第、ということで、葉はどんどんその魅力に惹き込まれ、知らないうちに「冒険」に巻き込まれていくわけです。 その展開が、巧いなぁと思うんですよね。 その場を乗り切る知恵の使い方とか、見ててホントどきどきして面白い。


で、個人的に「カッコイイ」部分を担当しているのが、葉の相棒・Rだと思うのです。 いきなり傷だらけで登場するんだけど(笑)、セリフがいちいちカッコイイんだよね。 「お前の欲しがっている答えってやつに、オレが値段をつけてやろう」と「情報」に「価値」があることを最初に葉に教えたのも彼だし。 人に頼らず自分で宇宙に行くと決め、実行する生き方とか。 何かもぅマネできないレベルでカッコイイ。 そもそもタイトルである『ロケットマン』は、彼の生き方を提示しているんですよ。


最後に、「ロマン」部分を担当してるのは、もう「宇宙」そのもの。 この作品に登場するみんなの願いの場として宇宙がある。 抱く思いは、そこに生の終着を願うビントさんや、集大成として打ち上げを願うアイエネスなどそれぞれ違う。 でも実は、「誰一人ロケット造りなんてしたくなかった。 皆、ロケットに乗りたかったのだ」とRたちを後押しする大人のカッコ良さに、私はもうノックダウンでした!! こんな純粋でロマンチックな大人、なかなか居ないよ。 良いねぇ、夢って良いよねぇ!!としみじみ思った9巻の大好きなシーンです。
『プラネテス』でも感じたけど、宇宙って暫らくは人類の夢であり、その夢が人と人を繋げていくんですね。


………なんかいろいろ書いたけど、結局は「好きです!!」ってことしか書いて無い気が(笑)。 いやでも、大人が魅力的に描かれた作品って、絶対面白いですよ。 小説だと、太田忠司さんの『狩野俊介シリーズ』とかがそうですね。 カッコイイ主人公を作るのは、カッコイイ大人なんです。 そういう意味でも好きだ!!(笑。もう重症)。 


<まとめ>
加藤元浩プッシュ企画最終版でした。 もっといろいろ書きたいけど、多分堂々巡りなんでもういいや(笑)。 そうそう、ちゃんとラブもありますよ(笑。完璧だっ!!)。 オススメですw





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にくさんへ

>にくさん

コメントありがとうございます!
またもや遅くなってすみません・・・(ぺこり)。

>楽観視とはちがいますよね。

違いますよね。 断固たる、明確な、前向きな・・・そんな力強い言葉で、私大好きなんですけど、なかなか己が追いつかない言葉でもあります。
葉が身につけた、最大の武器です。

>「Rというヒーローはいかにして生まれ得たか?」という謎に、葉を題材に謎解きした一編のミステリーなのかもしれませんね、この作品は。

昔、ミステリ小説は「生身の人間が描けていない」という一点で否定されていた時期がありましたが、そんなことはないですよね。

確かに現実に居難いかもしれないけれど、こうありたい、こうなりたい、というパワーを秘めたヒーロー像を描いてある作品だってたくさんあります。

『ロケットマン』も、にくさんが仰るとおりだと思います。人生は謎めくほど魅力的です。

>かなりゆうきまさみ直撃世代です。

たぶんご存知だと思いつつ、念のためでしたがやっぱり不要でしたね(笑)。
私はパトからですねー。『あ~る』は後読みですが、今も好きです。

No title

>ポジティブなことは最大の武器だ、と思わされたシーンでもあります。単なる楽観視とは違って、
最近「ポジティブ」「前向き」という言葉が「希望的観測」と区別せずにいい言葉として乱発されているキライがあるんですが、そうですよね、楽観視とはちがいますよね。

>葉が、その純粋な強さを身に着けるまでのあれこれを思い出すと、今でも泣けてきます。
ですよね。葉が「うん」というために10巻(この時点では9巻か)あったと、しっかり読んできた読者にはわかるようにできている。
「Rというヒーローはいかにして生まれ得たか?」という謎に、葉を題材に謎解きした一編のミステリーなのかもしれませんね、この作品は。

>ロボット(レイバー)をみて
お心遣いありがとうございます。
大丈夫、パトレイバーも最初のバーディーも連載で読んでいた世代ですからわかりますよ。かなりゆうきまさみ直撃世代です。
サンデーは離れちゃって大分経つので、今はもうわかりませんが。

にくさんへ

>にくさん

コメントありがとうございました!
お返事が大変遅くなってすみません・・・。
ご心配もしてくださったんですよね。
うまく生かせなくて申し訳なかったです。

> このセリフを表題に使うりるさんのセンスが大好きです。

・・・//>ω<//(照)
だって、10巻総括しようとしたらこのセリフしかないと思って。
なので、

> 俺もこのシーンが一番好きなんです。

って、すごく嬉しい! やっぱりそうですよねー!!

> 日常に帰るとかなんとか言ってた葉が、宇宙への誘いを一瞬の躊躇もなく、「うん」と言い放つ。
> なにより凄いのは、世界の救世主じみたお母さん、その無二の伴侶のお父さん、カッコイイの家元であるR、この3人の超人たちが、この葉の言葉に呆気にとられた。彼らの予想を遥かに上回る純粋さで、葉が応えたんだなと解る演出が見事です。

相変わらずにくさんの仰ることが「そうそう、それなのよ!」ってくらい完璧なコメントなので、私これだけでもう幸せです(笑)。

あとは、ポジティブなことは最大の武器だ、と思わされたシーンでもあります。単なる楽観視とは違って、前面的な相棒への信頼と自分への自信があって初めて成立するその武器は、こんなにも綺麗に胸を刺してくる。刺された方の胸中からは、不安などは綺麗サッパリ消えているんじゃないかと思うんです。葉が、その純粋な強さを身に着けるまでのあれこれを思い出すと、今でも泣けてきます。

> このマンガは少年がカッコイイアニキに当てられて大人になっていく物語の類型を示していたのに、この一瞬で「大人」を通り越して一気に超人になってしまった。
> これがあるから、葉は狂言回しでなく、もう一人のヒーローとして、永遠に俺の心で輝くんですよ。きっと

『起動警察パトレイバー』の1巻目でロボット(レイバー)をみて「これは趣味の世界だ」とヒロインが呟くんですが、その趣味の世界に乗り込んで地に足をつけて頑張る姿はどうみても「現実」で、趣味が現実となっていく強さを感じさせられたんですが、『ロケットマン』にも同じものを感じます。

本来憧れですませてしまうロマンの世界を、自分の力でグッと「現実」に引き寄せることにいかに挑むか。そしていざ「現実」となったときにどう向き合うか。そんな恰好良さを見せ付けられた作品です。

行こう! 宇宙に!

このセリフを表題に使うりるさんのセンスが大好きです。

俺もこのシーンが一番好きなんです。
日常に帰るとかなんとか言ってた葉が、宇宙への誘いを一瞬の躊躇もなく、「うん」と言い放つ。
なにより凄いのは、世界の救世主じみたお母さん、その無二の伴侶のお父さん、カッコイイの家元であるR、この3人の超人たちが、この葉の言葉に呆気にとられた。彼らの予想を遥かに上回る純粋さで、葉が応えたんだなと解る演出が見事です。

このマンガは少年がカッコイイアニキに当てられて大人になっていく物語の類型を示していたのに、この一瞬で「大人」を通り越して一気に超人になってしまった。
これがあるから、葉は狂言回しでなく、もう一人のヒーローとして、永遠に俺の心で輝くんですよ。きっと
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