2007.09.08
『刀語 第九話 王刀・鋸』の感想
西尾維新/竹
講談社BOX/2007.9.3/\1100
講談社BOX/2007.9.3/\1100
ぶんぶん、と首を振る七花。
そして言う。
「全部忘れた」
そして言う。
「全部忘れた」
どんだけー?(笑)
<ご紹介>
12ヶ月連続刊行の大河ノベルも9ヶ月めに突入!! 表紙のラヴ度が上がってます(笑)。
否定姫の手前、明確な成果が欲しいとがめと七花は、次なる変体刀を求めて一路天童にある将棋村へ。 待ち受ける刀は、『王刀・鋸』。 所有者は心王一鞘流党首・汽口慚愧。 欲や毒気がなく気高い彼女に対し、とがめは「争いごとは将棋で決着をつける」という将棋村の掟を用いて戦いを挑み、見事勝利!! だが真打となる七花との戦いで、防具と剣を持つことを課せられた七花は逆にピンチ。 刀を使えない剣士・鑢七花と奇策士とがめは、この難題を乗り越えられるのか!?
<感想>
第九話にして遂にっ!!(笑) ←何が「遂に」なのかは読んで確認してニヤけようw
最初にイラストをぱらぱら見ちゃわないで良かった~(竹さんのイラストの魅力に負けて、たまに先に見てしまうことがあります)。 1冊ごとに確実にらぶいちゃ度が上がる二人を見守るのは、本当に楽しいです。
表紙の感じも良いですよね。 今にも・・・!!なところを「あ、見られちゃった☆」的に振り返るとがめさんが可愛いです。 あの、お脚元がとっても気になるんですけど・・・(笑。りるさんの病気がいろいろ出た!!)。
とまぁそんなことはどーでも良くて(いいのか)、9本目の変体刀は、木刀、でしたよ・・・。 王刀、というからには結構神々しいのかと思っていたのですが、至ってシンプル。 「切られる方かよ」というツッコミが素晴らしかったです(笑)。
でも、その分王刀には、四季崎記紀の毒が宿らない。 「王」と言っても、賢王かエキセントリクか凡王かいろいろタイプはありそうだけど、この刀の資質は賢王寄りってことですね。 姿形は地味だけど(何しろ木刀ですから・・・)、その在り方がきちんとしていれば持ち主もきちんとするんですね。
そう強く感じたのは、慚愧さんが王刀をとがめたちに手渡した後のセリフにあります。 彼女が「看板娘です」と微笑んだのは、そういう在り方を所有者にも強いる王刀の(ある意味)呪縛から放たれて、素の彼女の性質が表れたからなのかな?という気がしたのですよ。
それにしても今回は、女性陣が目立ってましたね。 とがめさんのあの!!行動はもちろん、対峙した慚愧さんもカッコ良く、否定姫は相変わらずで、そして何より!! 「まにわに」の真庭鴛鴦さんが、そりゃもぅ素敵でしたよ!!(笑) 脳内イメージ声は、井上喜久子さん(笑)。
でも冗談でなく、この作品で一番まともな人って実は彼女なのでは・・・?というくらい、普通の描写でした。 「まにわに」の中でほぼ唯一と言える、かませ犬ではない最期とか・・・。 王刀の影響なのか、作品全体的に何となく健全な雰囲気だった気がします・・・とがめさん以外は(笑)。
それだけに、右衛門左衛門が放った凶弾に、禍々しさを感じるのは私だけですか? この時代にある武道や常識に縛られた策では、あの刀に勝つことは出来ないわけで・・・そうなるとやはり、とがめの「奇策士」という肩書き(というか存在)が最大の武器になるってことか。
・・・・・・ん? 「刀」はあるけど、「弾」は? 数に限りがあるハズだよね。 限り無かったら死角がないもんねぇ・・・。
<まとめ>
刀としてではなく、人間としての七花が傍にいることで、とがめさん自身も随分成長しているようです。 次回、故郷奥州でどんな活躍があるのか、楽しみですw
<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・『Alles ist im Wandel』 『読書日記★PNU屋★』 『booklines.net』
9/24『読書とジャンプ』
●この本を買う・・・ 『bk1』 / 『Amazon』
●出版社・・・『講談社BOOK倶楽部・講談社BOX』
●西尾維新の過去記事→『ネコソギラジカル・下』 『DAETH NOTE ANOTHER NOTE』
『xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環 エアロゾル』
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