『クレィドゥ・ザ・スカイ』の感想

クレィドゥ・ザ・スカイ

『クレィドゥ・ザ・スカイ』
森博嗣
中央公論社/2007.06/?1890

『ここにあるのは、
空気、
二機の飛行機。
そして、
見つめあう目だ。』


<ご紹介>
2001年に刊行された『スカイ・クロラ』から続いたシリーズの最終巻。 本の本体に写真を使ってあり、その上の透明カバーにタイトルなどを印刷した装丁が、この作品の繊細なイメージを上手に表現していると思います。 『スカイ・クロラ』は押井守監督で映画化決定。


<感想>
大人にならない子供たち「キルドレ」が、如何に大人になり、大人にならないでいられるか。 そして、そんな不安定な存在を、本物の大人が大人気なく扱おうとする矛盾。 これは、そんな矛盾を地上と空との間で淡々と描いたお話…なんだと思います。

いつも結構頑張って、無い知恵を絞ってあらすじ書いてますが、これは駄目。 この作品は書けませんでした。 実は、どう書こうかと躊躇っているうちに、感想を2ヶ月近く温めてしまったというヘタレっぷり(笑)。 開き直って、そのまま書きます(しかし激しく忘却してますので簡易版で)。


『スカイ・クロラ』を初読時の感想って、「うわ、詩みたい!!」でした。 作品の持つ繊細な世界観と、硝子と鋼鉄で出来たみたいな意思の羅列が、「小説」とはちょっと違うように思えたからので。
でも、その感覚は巻が進むごとに薄らいでいき、代わりに物語性が台頭してきてもの凄くドラマチックに登りつめて……そして最終巻ではまた、詩的な世界へ誘われました。 この浮遊感が心地よく、そして残酷です。


「存在する」って、どういうことなのでしょう…?
パイロットは、飛べれば良いの? メカニックは、機械があれば良いの? 人間は、ただ生きていれば良いの? ……違う、でしょ?
違うよ、という「答え」をくれるお話です。 どう違うのかは、登場人物それぞれが体現してくれる。 自由にならない心と体とそれぞれの立場。 そんな中で大切なものを見逃したり諦めたりしながら、それでも生きる人たちがいる。 綺麗なものを目指しながら、空へ舞う人たちがいる。
私たちは必ず彼らから生き方を学ぶことができる。


発行順は、『スカイ・クロラ』『ナ・バ・テア』『ダウン・ツ・ヘヴン』『フラッタ・リンツ・ライフ』→『クレイドゥ・ザ・スカイ』となるこのシリーズ。 けれど作品としての時系列は、『クレイドゥ・ザ・スカイ』の後を見ると、『スカイ・クロラ』が最後になっている(つまり『ナ・バ・テア』が最初)。 『スカイ・クロラ』に始まり『スカイ・クロラ』へ修練される作品なのだ。
実は、語り手となる人物についての考察は、まだまだ出来ていません。 自分なりの答えをここに書くのも、ちょっと自信ないです。 でも、正解って何だろう?と問いかけてくる作品なので、自分の中でゆっくり消化しながら楽しんでいきたいと思ってます。


<まとめ>
S&Mシリーズで森博嗣に慣れてしまうとちょっと異質な世界観。 でもやっぱり根幹は同じなんだと見せ付けられる作品。

<関連サイト様>
●この本を買う・・・ 『bk1』 / 『Amazon』


スカイ・クロラ
『僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。』
この一文でもう、ノックアウトをくらった作品です。


ナ・バ・テア
『ここで生きているんだ』
空の底に眠るのは、誰のどんな意思なのか…。


ダウン・ツ・ヘヴン―Down to Heaven
『真っ黒な澄んだ瞳。 その中に、空がある。 そこへ堕ちていけるような。』
天から堕ちるのではなく、天へ堕ちる。 その物語は、どこまでも透明。



フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life
『ただ、飛び続けたい。 僕が僕であり続けたい。』
生きるのは、人のためだけではなく、自分のため。







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