『DDD・2』の感想

DDD 2 (講談社BOX)
講談社BOX / 奈須きのこ / こやまひろかず
発売日:2007-08-10



『――そうだ。 まだ、フルカウントだ』



<ご紹介>
文芸誌『ファウスト』に連載された『DDD・1』の続編は、講談社BOX用書下ろし作品。 映画化される『空の境界』とは一味異なるものの、「ミステリ+伝奇+青春小説」から為る独特な世界観は健在。 表紙は日守秋星、BOXの中は赤表紙、フォントも独自のタイプを使用して書かれています。 『S.vs.S-1』『S.vs.S-2』『/FOMALHAUT.』『/Vt.in day dream.』の4話構成。

精神と肉体に異常な変貌をきたし、「悪魔憑き」と呼ばれるほど人間離れした存在になるA(アゴニスト)異常症患者。 その悪魔憑きとなった妹に左腕を獲られた石杖所在(アリカ)は、肉体から四肢を欠く美貌の少年・迦遼海江と知り合い…。
後輩・霧栖の依頼で、最近流行しているSVSという野球ゲームに参加したアリカ。 だがそれが、悪魔憑き「シンカー」との死のゲームの幕明けで…。


    →過去記事『DDD・1』の感想
    →過去記事『ファウスト vol.6 sideA』
    →過去記事『ファウスト vol.6 sideB』


<感想>
せ、青春小説ですか今回っ!? というのが、読書中の素直な感想でした(笑)。
う~ん、夏に野球、と単語が並ぶだけで青春を連想してしまう致命的な野球好きでゴメンナサイ。 悪魔憑きだろうが悪魔払いだろうが悪魔を食べようが(ぇ)、私の中でSVS編は青春小説です!! イラストだって、各章の扉絵以外で挿入されたのは、見開きの野球の絵。 「この異常な状況で真っ当なイラスト勝負ですかっ!!」と、もう私、大絶賛(笑)。 というわけで、面白かったです今回もw


『S.vs.S-1』『S.vs.S-2』
時系列的には1巻『J the E.』より少し前に当たる、アリカの「悪魔払い初体験」物語(うわー)。 アリカとカイエの出会いにもグッと踏み込んであるし(ファーストネームを呼び合うまでのカイエの犯罪的魅力が凄まじい…)、当時掴み辛かった「悪魔払い」という設定も分かりやすくなっている(何故ならアリカ自身も初めて目線だから)。
ただ、この章の中でも時系列がいじってあったりするので、ちゃんと読まないと置いていかれそうになる雰囲気はいつも通り。 面白いからこそ出来る力技ですね。 いずれにしろ、今なら1巻をも少し違う角度で読めそうです。


あ、今回3人の少年に悪魔の囁きをする自称悪魔さんがいるじゃないですか。 その悪魔を「ありふれた名前だった気がする」的表現があったんだけど、そう言えば1巻でも「山田」という奴が悪魔の囁きしてるんですよね? もしかして、同一人物?? っていうか、敵?

野球のルールへの解説があったりして、「珍しく読者に優しいな」と思っていたら(失礼!!)、ここに案外大切なヒントがあったんですね…。 見事に「シンカー」のトリックにひっかかってました。 いや、彼はちょっとキャラ違うよな~?と不審ではあったのですが、そんな明確な答えがあったとは…。 とまず感心して。


そのあとはひたすら、悪魔払いと野球対決という合わせ技を鮮やかに決めた手腕に、拍手拍手。 野球を愛する気持ちは変わらないのに、愛し方が両極にあった親友同士の、気迫溢れる対決振り!! 変則的な状況なのに、相手に届く球を投げ、それに応えるという想いは、むしろ健全すぎて直向きすぎて泣けそうなほど切なかったです。 この一見軽そうで実は気持ちをちゃんと描ける文章表現が、ホント見事です。 嵌るんだよなぁ。


『/FOMALHAUT.』
1巻から名前だけきっちり登場してた日守秋星がメイン。
SVS編での初登場もめっちゃ怪しげで良かったっスね(笑)。 ますますはっちゃけてます。
キメ台詞を決めるって……え、これ、『刀語』ネタ??(笑) そういえば、「ちぇすとー」も有ったし!!(笑) でも、七花以上にカッコイイ名前もマトさんの迫力の前には無力。 いやぁ、やっぱりラスボスはマトさんかなぁ?? 
あの久織巻菜らしき人物(また得意のフェイクかも?)や、月見里朋里ちゃんも登場してました。 マキちゃんはともかく、ツキリちゃんは秋星さんから逃げおおせたのに、どうやら『/Vt.in day dream.』でカナタちゃんの毒牙にかかったようです・・・どっちが幸せだったんだろう??とか思っちゃいましたが、余計なお世話かな(笑)。


『/Vt.in day dream.』
おおお、夢オチかと思いきや、現実オチでした。 奈須きのこがよく使うフェイクが、ここでも上手く機能したオチ方ではないでしょうか。
読者は、カナタが「病院を全滅させた」という事実をもう知っている。 ので、夢の部分を本当にあったんだなと思いながら読んでいるわけです。 けど実際は夢オチ。 「えぇぇぇ!?」と一瞬喚いた後で、現実は夢以上のピンチ度を迎えていることを知るわけです(何しろカナタは既に突破済み!!)。 いやぁ、展開的に上手いなぁとしみじみ。 やっぱり奈須きのこは、普通じゃないです!!


<まとめ>
いわゆるライトノベルとは、やっぱり格が違う面白さ。 ただ、読み手を選ぶのは確かだと思います。 とりあえず、主人公が表紙に来るのがいつなのかは、非常に気になるところ(笑)。


<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・『booklines.net』 『MOMENTS』
●この本を買う・・・ 『bk1』 / 『Amazon』


空の境界 上  (講談社ノベルス) 空の境界 下 (講談社ノベルス) DDD 1


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