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『星降り山荘の殺人』の感想

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『星降り山荘の殺人』

倉知淳
講談社文庫
2006年3月24日 第12刷発行/¥752(税別)





<内容>
若気の至りで上司を殴ってしまった杉下和夫は、尊敬する社長からとあるタレントのマネージャー見習いを命じられる。 タレントは、「スターウォッチャー」という肩書きの優男・星園詩郎。 ロマンチックな話術と優美な外見で、世の女性に大人気なのだ。 杉下は星園の気障たらしい雰囲気を嫌悪しつつも、取引先に招かれた冬山の山荘へ同行する羽目になる。 そこで杉下は、山荘の開発会社の社長や、有名なUFO研究家、人気美人作家に女子大生たちと合流して、山荘を売り出すための企画作りをするはずだったのだが、社長の岩岸の死体が発見されたことで事態は急変して…。 雪で閉ざされた陸の孤島で起きた、連続殺人事件。 果たして真相は?


<感想>
倉知作品は、東京創元社刊の 『占い師はお昼寝中』 をずーーーっと昔に読んで以来です。 その時、 「面白くなくはないけど、地味だなぁ…」 と思ったのを今でも覚えてますが、 『星降り山荘の殺人』 も、地味といえば地味でした。 キラキラしてるのは星園の台詞くらい (笑。キライじゃないぜ、あぁいうのw)で、あとは登場人物も物語的展開も、至って淡白。 主人公が上司を殴った心境も盛り上がらず、所々で挿入されるUFO談義もテンプレ過ぎて、なんていうか、敢えて全体的に特色をつけないように描かれている印象でした。 なので、 「物語」 としてはインパクトに欠けるなぁという印象です。


それでも、ミステリとしては、やっぱり面白い!! 王道である 「吹雪の山荘」 は、もうその設定だけで俄然燃えるというものですw  「雪上の足跡」 とか、燃える燃える!! 同様の症状を引き起こすものに、 「陸の孤島」とか 「館モノ」 とかがあって、私は前者なら 『双頭の悪魔』 、後者なら 『十角館の殺人』 を挙げるんですけどそれはちょっと置いといて(笑)、 「雪山、連絡不能、脱出不可能!!」 というベタな状況下で起こる連続殺人事件には、全身全霊を込めて挑みたくなるというものです。 まぁ、挑んでもいつも負けるのですが(笑)。
 

で面白いのが、この作品には 「吹雪の山荘」 以上の魅力があるという点でしょう。 各章の冒頭に設置された、3~4行の 「注意書き」。 読者への挑戦とも違い、 「事実」 だけを淡々と書いたこの短い文章こそが、この作品の核なんだよね。 トリックや読者の思考に大きな影響を与えるのにウソは書いていない…という、ある意味もの凄い大胆なやり方。 こーゆーの大好きだ!! この部分をどう読むかだけでも、読者の印象は随分変わるだろうな。 好き嫌い分かれそうだけど、私は 「フェア」 だと思いました。


例えば、私は作中でミステリーサークルを扱った意味をイマイチ納得いかなかったんだけど、125頁の注意書きを後で読み返して、 「あっ!!」 となりました。 ちゃんとここに書いてある…。  『部屋割りに関しては犯人の意図は働いていないので深読みする必要はない』  …うん、確かに意図は働いてない。 それは正しい。 でも、意図が働いていなかったからこそ犯人はミステリーサークルを作るしかなかったわけで、 「犯人の意図」 は深読みする必要はなくても 「部屋割りに関して」 は深読みすべきだったのか!! と思い至りました。 うわー、フェアだ、有りだ!! 思考が操られるとはこのことか…w


ただ、 「フェア」 であるということはとても難しくて、幸か不幸か私もその恩恵で、犯人だけは早い段階で分かっちゃいました(笑)。 なので、驚愕のはずのラストシーンに驚けなかったよ!!(笑) 気づいたのは、ここ。  『探偵役が事件に介入するのは無論偶然であり 事件の犯人では有り得ない』  …そう、ここで大事なのは 「偶然」 というところ。 このシークエンスで杉下に 「偶然」 関わった主要登場人物は、彼女しかいないのです。 だとすれば、その後の彼の活躍はミスリードに他ならないよな…と思い至ったわけです、珍しく(笑)。 


でも、 「糸」 や 「立ち聞き」 の意味には最後まで気づかなかった…。 中でも一番悔しかったのは、財野が戻ってくる扉が出た扉と違ったことに気づかなかったこと!! うわぁ、それもちゃんと 注意喚起されてたのになぁ!! 思わず自分に幻滅です(笑)。 気づかないといえば、 「まさか嵯峨島にそんな特技が!!」 的な部分もあったけれども(笑)。


そんな訳で、ミステリ的にはとても 「フェア」 で、それゆえに面白かった作品でしたw 物語的な盛り上がり、もしくはキャラクターへの好感度があれば、もっともっと楽しめたのに…と思うと惜しいくらいです。 いずれにしろ、1996年に講談社ノベルスとして刊行された作品を、2009年になって出会える幸せ。 私一人ならきっと読まずに終わっていたであろうこの作品を紹介してくださったにくさんに、多謝w





<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・『黄金の羊毛亭』様 『まじょ。のミステリブロ愚』
オンライン書店【ビーケーワン】・・・『星降り山荘の殺人』をbk1でチェック!!
●Amazon
ほうかご探偵隊 (ミステリーランド) 日曜の夜は出たくない (創元推理文庫―現代日本推理小説) 猫丸先輩の空論 (講談社文庫)





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