『当世白浪気質 東京アプレゲール』の感想

秋田書店 ボニータコミックスα
杉山 小弥花(著)
発売日:2007-06-15 \514






『身を滅ぼすというなら それもまたよし――』



<ご紹介>
『マンガ一巻読破』様のパワープッシュに応えて購入w お尋ね者っぽい表紙通り、美術と風俗を味方につけた泥棒虎之助と生き神?千越のドタバタ逃亡劇。 連載は秋田書店刊行『ミステリーボニータ』

先の大戦後の東京で泥棒稼業を営む(?)虎之助は、元華族のお宝目当てで山住村を訪れる。 が、いきなり昏倒してしまい、目覚めた家で今年嫁入りするという美しい少女・真神千越(ちお)出会う。 一見のんびりした村の様子を楽しむ虎之助だが、忍び込んだ蔵で千越に見つかってしまい、挙句の果てに「一夜の情けが欲しい」と訴えられる。 だが虎之助には確信があった。「ヤマズミ」「マガミ」は狼を示し、千越の「嫁入り」とはつまり、生贄になるということで…放っておけない虎之助は、千越を連れて逃亡を試みるが!?


<感想>
読みきり連作の理想形とは、このことだっ!! すごい、面白かった…!!

毎回一つの美術品とそれにまつわる日本の風俗を描き、しかもそこに千越の成長と虎之助との関係の変化を絡めていく展開だけでも上手いのに。
構成が、すごいカッコイイ。
まず各話の冒頭にその回のキーとなるセリフなどが提示され、中盤は思いっきり紆余曲折ドタバタさせておいて、最後は提示されたものをきちんと回収・解決する構成。 これがめちゃくちゃ上手い。


例えば第1話だと、「どこだかの神様が言った」らしい悲観的な言葉を虎之助が呟き、ラストは「虎之助が言った」生きるための言葉を千越に捧げて締めている。
これはストーリー連載では出せない構成力であり、読みきり連作にする意義というのを考えさせられる作品ではないでしょうか。


千越と虎之助の関係も、安易に恋愛方向に持っていかない(いや、微妙にうろうろしてるのだけど)ところもクールで良い。
生贄として大切に育てられた千越のキャラクタは、老人のような諦観と子供らしい無垢で無知な面、そして神懸り的な鋭い感性が同居する複雑な様相で、とにかく魅力的。 そこに虎之助と出会って女性の部分が芽生えていくあたりがまた可愛くて仕方ない…w


虎之助は虎之助で、突発的に攫ってしまった千越の存在に戸惑いながらも、なまじ美術品を愛するがゆえに彼女の神々しさからも目が離せず、かといって女性とも思えず、でもなくてはならない存在で…というジレンマがあり、そこが千越にはない「大人」の象徴のようで、見ていて共感できてしまったり。


この二人が戦後という特殊な時代の中で、互いを理解しあおうとする生き様がカッコイイ。
美術品泥棒という職業?も蘊蓄を読ませるものではなく、戦後世界の象徴性とか千越の神懸りを際立たせるためのもの。 あくまでもストーリー中心に配置された心地よさ。 セリフも絵の描きこみも多いので、私は読むの早い方ですが、それでもかなりの読み応えがあったくらい。 是非じっくり読まれることをオススメします。


⇒『当世白浪気質・2 美少女は悪党の愉しみ』 『当世白浪気質・3 美少女こそ我が悦び』の感想


<まとめ>
『当世白浪気質』は「今どきの泥棒の心意気」みたいなニュアンスか。 副題の『東京アプレゲール』は、戦後の東京で従来の思想に拘束されずに行動する若い人々、の意味。 タイトル通りのお話です。

<関連サイト様>
●感想拝読しました・・・『マンガ一巻読破』 

10時半までに購入⇒その日に届く!(関東一円)読みたい本を見つけたら、すぐ【bk1】!!
『当世白浪気質・1 東京アプレゲール』杉山小弥花/秋田書店



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