『鋼の錬金術師・23』の感想

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『鋼の錬金術師・23』

荒川弘
スクウェア・エニックス ガンガンコミックス
2009年8月12日初版発行/¥400+税






『 私は 大馬鹿者だ 』 (ロイ・マスタング)


<感想>
表紙としても、物語の山場としても、今回はロイ・マスタング大佐が抱える「闇」が大きなウェイトを占めていたことは確か。 でも、それでもやっぱり、「みんなが」カッコイイのがハガレンの魅力なんだよね!! アームストロング姉弟なんかもう、めちゃめちゃ痺れるぜ!!ってくらい素敵だったw  人にはそれぞれ生きる理由があって、死ぬ理由もある。 そしてその「理由」は恐らく、「一人」ではない故に 生じるものなのでしょう。 それが奪われるということは、最大の権利を奪われることなんだなぁ……と、しみじみ感じた23巻でした。
そしてアレです、個人的にはリザさんの衝撃発言(笑)に、私のラブコメ脳が正常に機能しなくなったくらいの打撃を受けました。 え、それ、嘘なのっ!? 嘘じゃなくってイイのにー!!(笑)


『どんな外見になったって 大事なものを守るために闘いたいんだよ。 こいつらにも闘わせてやってくれ』(ハインケル)
『・・・うん。 一緒に闘おう』(アルフォンス・エルリック)


冒頭から、いきなり泣かされたハインケルの覚悟。 そしてアルの決意。 22巻ではあっさりと賢者の石を使用したようにミスリードをさせておいて、実は、全ての躊躇いを乗り越えた上での「共闘」だったという、この熱さ!! もう、カッコイイとしか言いようが無いですよ!! そしてこの後を受けるように、 


『賢者の石があるとはいっても たったひとりで我々に勝てるわけが――』(プライド)
『ひとりじゃない!!』(アルフォンス・エルリック)


このアルの言葉が、前述の決意を全部表してくれてて、また泣きそうになった。 これがマルコーやハインケルのように「直接」戦いに参加した人を指している訳ではないことは明らか。 わざわざ賢者の石だけのアップのコマを描いたのも秀逸です。 「みんなで一緒」に戦って、何とか勝ち得た勝利。 これはきっと、この後の大きな勝利の先駆けなんだろうな。


『でも心配しないで。 君は私の中で生き続けられるのだから』(プライド)

びっくり!! キンブリー、ここでまさかの退場です…。 常に高みの見物のような視線を人間に送っていたキンブリーが、見下していたハインケルに喉元を噛み切られ、地べたに倒れたままプライドに食われるという皮肉。 何ともやりきれない。 でも、プライドは己の力が増すことに絶対の自信を見せているけれど、後々メイちゃんの『(その人形に)大量に来られるとやっかいですけド…あなた一人なら逃げるのも容易イ!!』っていう台詞を考えると、プライド一人に力が収斂される不利をも示唆しているように思えるんだよね。 どう考えても、プライド+グラトニー+キンブリーに一度に畳み掛けられる方が怖いもん。 さて、彼の選択は吉なのか凶なのか…。


『姉上 ご無事 かッ!!』(アレックス・ルイ・アームストロング)
『誰にものを言っている、アレックス!』(オリヴィエ・ミラ・アームストロング)


最強のアームストロング姉弟、ここに並び立つ!! 何ていうか、「23巻の表紙はこの二人でも良かったんじゃね?」と思わせてくれるカッコ良さでしたw(え、ロイさんの立場は…笑)。 スロウスの肩書きにびっくりしたけど、この姉弟の共闘を見るには最高の敵だったと思います。 口に杭を打ち込むシーンのインパクト、その血を弟のものかと心配する姉の姿…など、随所に見受けられる「信頼関係」がとにかく素晴らしかった!! っていうか、この二人は以前アームストロング家の継承権を争ってたけど、この闘いを見ると、少佐が姉に負ける要素は体力的にはないと思うんですよね。 対戦相手として不得手な相手なのは確かだし、わざと負けるような卑怯なことはしないけれど、やっぱり凄く強くって嬉しくなりましたw


『懐かしい場所だな 中尉。 君の泣き顔が思い出される。 またああいう素直な涙が見たいものだね』(ロイ・マンタング)
『水分は大嫌いなんじゃないですか? 無能になるから!』(リザ・ホークアイ)


め、珍しい立場逆転の図に、思わず大興奮っ!!(笑) ちょっと気まずく照れるリザさんが、めっちゃ可愛いw 大佐が思わずからかいたくなる気持ちがよく分かります(えー)。 この気安い空気のなかに含まれる絆が、後にあのような形で発露するとは…!! このひとコマの存在は、とても大きいと思います。 荒川さんの構成力は、ホント素晴らしいなぁw


『誰にって? 笑わせないで。 大佐はね、二人きりのとき私のこと「リザ」って呼ぶのよ』(リザ・ホークアイ)
『ちいっ あんたらそういう仲かよ!』(エンヴィー)
『ウソよ』


だから、ウソじゃなくって良いのですけど!!(笑) でも、ここでリザさんが「正体」を見抜いた理由は、やっぱり…ねぇw(←ラブコメ脳発動中につき以下略)。 全く容赦なく、正確無比にエンヴィーを撃つアクションがカッコよくって、何度も見直してしまいましたw 


『お願いです 大佐。 貴方はそちらに堕ちてはいけない・・・!』(リザ・ホークアイ)

大佐の後頭部に、銃を突きつけるリザさんが悲しく、そして素敵です。 この直前、大佐に化けたエンヴィーに銃を向けたときとは、手の振えの一つでさえ全然違う。 『やっとだぞ!!』というロイさんの想いの全てを理解して、でもそれ以上に、ロイさんが理想としてきた「ロイ・マスタング」を大事にしているリザさんだからこその行動。 そしてそれは、ロイさん自身も大事にしてきた「絆」なんだよね。 何だか読んでる私もやりきれなくって、人の命を奪うことに何のメリットもないんだってことだけを、はっきりと感じ取るだけで精一杯でした。 それでも。 止めてくれる人がいる、それだけがきっと、唯一の幸せ。


『しかもよりによって そのクズの中でも更にクソみたいな…こんなガキに理解されるなんて・・・っ!!!』(エンヴィー)

もう、一緒に大号泣!! 私は、エンヴィーの最大の秘密というのは、彼の「本来の姿」のことだと思ってたんです。 少年の姿も怪獣の様に己を大きく擬態するのも、実はちっぽけな虫のような存在だったというコンプレックスの裏返しで、それが彼が周囲を嫉妬する一番の理由だと思ってた。 
でも違ったんだ。 彼は、誰よりも人間に憧れて、だから悔しくて……ただ、それだけだったんですね。 『屈辱の極みだよ…』と泣くエンヴィーの涙にはいろんな感情が詰まっていたと思うけど、一番大きなものは「嬉しさ」だったんじゃないかな。 永くはないとはいえ、まだ生きられるはずだった己の中から「賢者の石」を引きずり出したのは、諦めたのではなく「理解されたことで生きる理由がなくなった」からだと思うのです。 理解されたかった。 それが、彼が生きた理由。 理解された。 それが、彼が死を選ぶ理由。 初めて涙を流し、「おチビさん」ではなく「エドワード・エルリック」と名を呼んで消えていったエンヴィーを、私は決して好きではなかったけれども、きっと忘れないだろうな。


『え… あれ… うそ… この声… まさか…』(デニー・ブロッシュ)

ハガレンFA(新アニメ版)で、マリア・ロスさんの声が名塚さんだと決定した時から、個人的にはファンだけど役としてはどうかな…?と思っていたのだけど、このシーンを見て凄く納得しました。 死んだはずの人間の声がラジオから生き生きと聴こえる、という場面の説得力に、名塚さんの声はぴったりだと思うんですよね。 って、そんな意図があったかどうか不明だけど、何かすごくしっくりきました。







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