『テレキネシス・3』の感想



『テレキネシス~山手テレビキネマ室003』
東洲斎雅楽・作/芳崎せいむ・画/小学館ビックスピリッツコミックス/?505


<ご紹介>

『週刊ビッグコミックスピリッツ』掲載作品(多分、月イチペースではないかと…)。
山手テレビのお荷物部署を中心に繰り広げられる、会社で生きる人達の人間ドラマ。
詳しくは、こちらの過去記事をどーぞ♪
  →1巻過去記事
  →2巻過去記事

<感想>
今作を読むために、1巻から再読してみたんだけど…内容を忘れかけてたのか、
思っていた以上にしっかりした「会社モノ」だ、という印象を持ちました。
どーも私は親子ネタとか恋愛ネタに興味がいって、社会色から目を逸らしがちだけど、
3巻通読すると、かなり「会社」における自分とは?を考えさせられる内容でした。

しかも「映画」というモチーフが加わることで、会社社会の生々しさが程好く消え、
夢に賭ける人間の前向きさも強調されていて、辛いだけの会社モノとは趣が異なる。
読みやすい割に考えさせられることも多く、面白く読めました。
(っていうか、私の現状と偶然合うことが多くて不思議だった…)

1巻では、様々な人の行き方を描く読みきり作品の典型パターンで始まり、
2巻は崋山の父と、彼の遺作を巡る謎が提起され、
さて3巻はというと…崋山やマキノ自身の話がクローズアップされたようです。

・砂漠の戦場エル・アラメン
表題は、孤立無援の伊軍が奇策を持って英国軍に挑む、下品で元気な作品(崋山談)。
会社で短大差別にあう女性は、崋山の助言で「くだらない仕事」で残業させる上司に
ノーを突きつけるが、改心した上司が映画の伊軍とダブってしまい…という内容。
くだらない仕事は任せるだの、女は結婚して辞めるからどーのとか、
どこかで聞いた台詞が盛りだくさんで妙に共感できましたが、まぁ良くあることです。
問題はそれをどう打開するかで、崋山の「長く居るから居やすいように文句を言う」
という発想は、私、とても好きです。 辞めるなら黙って辞めれば良い。
なんだか自分の現状とダブってしまい、一緒に真剣に考えてしまいました。
その後の女性の行動は私的には甘い!!って感じですが、頑張る姿勢は好感持てました。
そして私、今日思わず実行して来ましたよ!!(笑) ちょっと改善されました。

・三十四丁目の奇蹟
表題作は、サンタは実在を巡る奇蹟のお話。再起のきっかけの作品、として紹介される。
試写会で傍若無人な老人を助けたマキノ。彼はかつての映画評論家で、
崋山の映画で人を勇気付ける、という考えに共感し、あるものを託してくれる…。
またもや崋山の異動話が急浮上。前巻でもあったわけで、どうしても異動を、
と考える人物の妄執が伺えます。 怖怖。
「情熱は常識に勝る」「信頼もまた常識に勝る」という老人の台詞が素敵。
社内でピンチになったとしても必ず守ってくれる上司、というのを知る私としては、
マキノの贅沢な立場をとても良く理解できます。そして、上司の辛いその後も…。
妙に身に染みるお話。 もしかして私、見張られてるのか??(笑)

・告白
映画の内容の紹介はほぼなく、ストーリー展開の一端としてのみ使われた印象。
話の主軸は、崋山の異動話(もうずっとコレばっか)。
今回、何よりもカッコいいのは崋山の一言。
曰く、「(そんな奴に)オレの大事な部下を任せられるか!!」。
実際のサラリーマン生活でこんな台詞を言える人は、きっと少ないのは分かってる。
その信念はマキノの異動希望を挫くものだった様だけど(笑)、前前作の崋山の
発言をみると考えなしで言ってるわけでもないので、余計身につまされる。
映画の良さを叩き込まれてもドラマに拘るマキノには、理由があるのか無いのか…。
そろそろ崋山への評価は、上げても良いんじゃないの??

・シェーン
崋山の「号泣映画ベスト5に入る」映画として紹介される。
仕事に生きるか勤め人として生きるか…というお話で要は、諂ってでも出世するか、
それくらいなら筆を折るか…ということで、当然後者の崋山。
分かりにくい崋山の友情だけど、だからこそ有難くて申し訳ない。
最後のシーンは、もう少しカッコよく描いて欲しかったな。

・アラバマ物語
今回一番のヒット作!! まぁ、例に漏れず親子モノなんだけど…(笑)。
映画は、「アメリカ史上最良にして最高の父親を描いた」作品。 ぴったりですな。
いがみ合う義理の親子が和解するきっかけとなった出来事、その裏には実の父の姿が…
というお話で、何ていうか、信じることを止められない人間の姿に感動しました。
許しを請う者、与える者…どちらかが欠けても「信頼」は成立しないのだと実感。
崋山の実の父親が会社の社長だったらしい、という何気にスゴイ情報が…(笑)。

・ふるえて眠れ
冤罪の女性の自立を爽やかに描いたホラー、らしいです。 どんなんだろ…。
生涯をかけたスクープをスポンサーの都合で潰された同僚のために頭を下げる崋山。
スポンサーに縛られる民放と、正反対の公共(国営ではないらしい)放送の対比をしつつ
報道もやっぱりサラリーマン社会なのね、と思わせるスクープ潰しがリアルだったり。
こうやって情報は淘汰されていくのね。マスコミの報道を全部信じてはいけないのだ。
今回、公共放送は必要か、という問いを暗に投げかけられているんだけど、
私個人としては、必要、だと思う。
不祥事続きのNHKも、自分達の特殊性を生かした番組作りだけは、忘れないで欲しい。
特殊性=公共。こう在ることが如何に難しいかを一番理解しているはずなのだから。

・パットン大戦車軍団
第二次世界大戦中、独軍が最も恐れた米軍の将軍・パットンを描いた作品。
崋山と檜山監督を嫌う山根常務と、前巻で飛ばされた加藤局長との一騎打ち。
う~ん、加藤さんカッコイイな…。
山根と檜山さんの過去話と交差する作りで話が進むので、正直多少読みづらいけど、
何故常務が崋山を目の仇にするのか、少し理由が分かりました。
要するに、妬みってこと? 妬みは憎しみより醜い、って何かで読んだ。その通りだ。
自分が寄せた憧れの分、切り裂かれたプライドが修復不可能なほど痛んでるのかな?
信頼を崩すのは一瞬だもんね…。

・シェナンドー河
南北戦争を背景に家族の絆を描いた「やたら泣ける話」。
偉くなってもサラリーマンは大変。出世しても上の都合で振り回される…。
「そんなアナタにこの映画を!!」とばかりに放送するのが崋山の仕事だけど、
社内的にドラマに再度力を入れる動きもあり、崋山への風向きも変わりそうな感じ。
人には涙が必要、という崋山の持論には賛成です。映画に限った話ではないけど。
作品は必ずしも一流である必要はなく、実際、どこか隙のありそうなB級ものに
惹かれたりする。人は結局、そういう不安定な部分に人間性を見い出し、魅力として
捉えるのだと思う。 さて、山根常務は、崋山の仕事をどう見るのか…?


<まとめ>
映画映画言ってますが、相変わらず取り扱いの映画を私は一切知りません(笑)。
何となく思うのは、映画好きの人と洋楽好きの人って、何か似てる…(笑)。

<関連サイト様>
・出版社・・・『小学館オンライン』 『SPINET(スピリッツ公式HP)』


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