『エマ・7』の感想

『エマ・7』 img20060604.jpg
 森 薫 エンタープレイン 2006.05.27 ?680

 

<ご紹介>
編集部で「メイドの人」と呼ばれている(らしい)森薫が
『月刊コミックビーム』にて連載していた人気作の本編完結編。
今後はサブキャラによる番外編が雑誌掲載予定みたい。

ちなみに、アニメにもなったようです。 見てないけど(ぉぃ)。
(上記の↑『あらすじ』が素晴らしいので、詳細を知りたい人はご覧下さい)
19世紀末のイギリスを舞台とし、急勢力で地位を得たジェントリ層の坊ちゃんと、
彼の元家庭教師の家で働くメイドの、身分違いの恋物語。
なんだけど、それだけじゃない不思議な感じのする作品。



<感想>
本編完結とのことなので、全体的な感想を少し♪

とにかく、絵が上手い!!
キャラクタの体を上手に描ける人って、やっぱり全体的に絵が上手いですよね。
もちろん、背景も相当描き込まれている。 
逆に台詞は最小限に絞られていて、中には台詞抜きで2頁くらいコマが進んだり。
この作品のテーマである『上流階級』と『庶民』の差が、
キャラとか背景などの『絵』で一目瞭然に表現されてるところがホントに凄い。

これは多分、難しく作り込まれた設定の物語や世界観には使えない技だとは思う。
『エマ』は、物語も世界観もごくシンプル。
むしろ、ヴィクトリア王朝時代とか、メイドと貴族の身分違いの恋だなんて、
「どっかで聞いたような設定だよね」っていうくらいベタ。
でも、そのベタさを逆手に取って、厳選された台詞と豊富な描き込みで
長所に仕上げてしまっている
腕前が、めちゃくちゃプロフェッショナルです。
私も読む前は「う~ん、展開読めちゃうもんなぁ…」と消極的だったんだけど、
読み始めたら止まらなかった。
とにかく、絵で魅せる作品です。

なので、確かにストーリーは弱いことは弱い。
エマとウィリアムの出会いや、ケリー先生とのやり取りで進められる序盤、
身分違いから無理矢理引き裂かれ、紆余曲折の後再会へ向う終盤などは
劇的に動くから良いんだけど、元々難しくない話なので、どうしても中弛みしてしまう。
エマとウィリアムが会えない間の出来事に、コミックス約3冊分も費やす必要は
無かったのでは…??とは思ってしまうかな。

で、7巻。
どーでもいいけど、めちゃくちゃ厚いです、この巻(笑)。
値段見ないでレジへいって「714円です」と言われた時はかなりビックリ。
でもそれだけの内容はある。 
6巻を読んだ時に、あと1冊で本編が終わるとはとは思えなかったんだけど、
すっごく凝縮された濃い内容で、満足満足。
なんだか映画を見てるみたいでした。 前述した中弛み感はどこへ!?ってくらい。
キャラクタも多いのだけど、それぞれの特徴がしっかり出てるし。
ストーリーが凝縮されてるのにキャラの特徴まで表現されてるのって、
一体どんな技なんだろう…?? 
恐るべし、プロの力!!(笑)

ただ。 ただね。 
背表紙マニアの私の戯言なんだけど。
6巻だけ色を変える(=黒)のはやめて欲しかった。 並べた時に悲しいから(笑)。
いや、分かる!! ストーリー展開に応じた色なんだとは分かる!!
でも、じゃぁ7巻は薔薇色とか虹色にするとかさぁ…(何だソレ?)


<こんな方にオススメ>
・「ベタな恋愛話なんでしょ?」と引き気味のアナタへ!!
読まず嫌いは良くないんだなぁと、私が身を持って体験したので。
個人的に7巻は、★★★★★!!



『bk1』にTBさせていただきました。
TBP『コミック感想♪』にTBさせていただきました。
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