2010.03.26
アニメ『こばと。』の感想/第24話『あした来る日…。』(最終話)
こばと。限定版 第6巻 [DVD]
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角川エンタテインメント (2010-06-25)
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●第24話『あした来る日…。』
『 私の行きたい場所……一番側にいたい人の、いる所… 』
2本立ての最終回でしたが、一挙放送してくれてホントに良かったです。 23話ラストのドキドキのままで一週間を過ごすなんて拷問だったよ…。 でも本当に、素敵な最終回でした。 ベタです。 お約束です。 でも、 『こばと。』 はそれをまっすぐに表現してあるところが魅力なんです。
うしゃぎさんによって、一度はこばとちゃんに関する記憶を消された藤本。 何かが足りないと思いながら呆然と生活してたけれど、そんな夢の世界から彼の目を覚ましたのは、こばとちゃんが残したコンペイトウの欠片。 …23話で存在を抹消されそうだったこばとちゃんを救ったのが藤本のコンペイトウだったけど、今度は逆。 繰り返される 「必然」 に、もう泣きそうです!! CLAMP作品的には 「必然」 は、抗えない 「運命」 だもの。 どうやっても惹かれあう二人が素敵すぎます。 ここから怒涛の勢いで彼女を探し始める藤本の一生懸命さも愛しかったし、私、 『こばと。』 を好きになって良かったなw 絶対になくしたくない、純粋に誰かを想う心が、本当に大好きだ!!
『何でだ…? どうして、誰もアイツのことを覚えてないんだ…』 (藤本)
途方にくれた藤本が、切られた大銀杏をみて気付いた一縷の望み。 それは、琥珀に話を聞くこと。 そしてその導きが正しかった…という展開を見て、また泣きそうになってしまった。 だってまさか、こんなところで大銀杏が活躍するとは思わなかったんだもの。 とても長い間人間を見守りつづけた大銀杏が、その生を終えても人 (藤本) を助けるなんて……。 まるで、最後に 「歌」 を届けてくれたこばとちゃんへのお礼みたいじゃないですか。 どれほど人を愛してくれたんだろうって思うと、心が温かくなる。 ありがとう銀杏さん。 この作品は、ホントに愛でいっぱいだなw
『本当に真実をお知りになりたいのなら、これから話すことを驚かずに聞いてください。 …宜しいですか?』 (琥珀)
ここで初めて、視聴者も藤本と一緒にこばとちゃんの秘密を知るわけです。 ただ、人間界とは別の不幸な出来事、の内容は詳しく語られませんでした。 私、それはそれでいいと思う。 原作が続いている中でアニメとして結論を出すやり方は大賛成だし、そもそも今まで一切明かされなかったことが最終話で一気に噴出するのも味気ない。 『こばと。』 にはファンタジックな余韻はよく似合うし、謎が残るくらいでちょうどいいんじゃないかな。
『好きな方の側に、時を超えて、生まれ変わること』 (琥珀)
こばとちゃんが願ったことは、そういうことだったんですね。 今まで「行きたいところに行く」と言っていたのは、彼女が過去の記憶を持ち合わせていなかったから、何故行きたいのかを自分でも理解してなかったからなのか。 小狼くんが指摘した 「行きたい場所=会いたい人が居る場所」 ってことで正解だったんですねw 23話の感想で 「願いが変化している」 と書いたけど、最初に想っていた 「好きな人」 が 「今の好きな人」 に変化しただけで、願いそのものは変わっていなかったんだ。
『そう、生まれ変わるたび再びめぐり合い、心が惹かれるんです。 たとえ前世の記憶は失っていたとしても、同じ魂を持った人だから。 魂の赴くままに道を進む限り、何度でも、きっと…』 (琥珀)
導かれるように訪れた家で、誘われるようにピアノを弾く藤本。 長閑な田舎町の風景に、全身黒スーツで長髪メガネな彼はかなり浮いてる気がしたけど(笑)、よく考えたら浮いてるのは彼の個性でもあるので別に良いのか (ヒドイ!・笑)。 それはともかく、ピアノを引く間脳裏をよぎるのはこばとちゃんのことばかり。 彼女が藤本に残したものは、23話で彼の中から生まれたコンペイトウの大きさからもよく分かってたけど、最後に思い浮かべるこばとちゃんの爛漫な笑顔が、一番想いの大きさを物語ってました。 すごく、可愛い。 恋をする乙女の笑顔はひたすら可愛いし、それを受け取る人のフィルターもあってとにかく可愛い!! あんな笑顔を脳裏に焼き付けてたらそりゃ他の恋も出来んわ!と妙に納得しました(笑)。 あの笑顔がある限り、何度でも、きっと…。
『弁護士事務所の方でしたか。 どうも初めまして!』 (こばと?)
『……はじめまして…』 (藤本)
どうも初めまして、は、 「こばと」 ちゃんがよく言っていた挨拶。 でも、この後に必ず続く 『花戸小鳩です!』 という名乗りはなくて、何か寂しい。 もちろん寂しいのはそれだけじゃなくて、そもそも彼女が藤本を覚えていないということ自体が悲しい。 それでも、『最後に、もう一度あの歌を歌ってくれませんか?』 とピアノを弾く藤本の表情が明るいのは、 「彼女」 が自分を覚えていなくてもずっと大切だという気持ちは変わらないって表れだと思う。 あとどーでもいいんだけど、初めて聞く藤本の 「敬語喋り」 が妙にツボだったでした(笑)。
『昔、大切な人が歌ってくれた歌で、ずっとその人のことを探してたんです』 (藤本)
思わず心の中で、 「いつそんな風にしれっと 『大切な人』 って言えるスキルを身につけたんだ!?」 とツッコんでしまった(笑)。 あんなに不器用だったのに……しかも前野ボイスで言われるとときめきが倍増するしっ!! くそぅ、オイシイな藤本! (ヒドイ・笑)
『それからこれも、あなたに返さないと…』 (藤本)
『……コンペイトウ?』 (こばと?)
冒頭にも書いたけど、この一欠片のコンペイトウが二人に起こす 「奇跡の連鎖」 が素敵すぎます!! コンペイトウって天上で小さく輝く星の姿に似てるけど、秘められたパワーの強さも似ているのかなw その星に導かれてめぐりあう二人。 素敵でした。
『――こばと?』 (藤本)
『……ただまですっ!!』 (こばと)
『何年も待たせやがって…大遅刻だな』
泣きじゃくるこばとちゃん。 幸せそうに笑う藤本。 そして、 『オレ様、100点満点』 とひたすら嬉しそうないおりょぎさん。 ―― もう、本当に大満足のクライマックスでしたっ!! 最後に訪れる幸せは、それまでの道のりがずっと幸せだったわけじゃないからこそ倍増するわけだけど、互いを想う気持ちを糧に信じ続けた結果がこのラストなら、もう言うこと無いですw ずっと泣きながら見てたわけですが、自分が流す涙すらも愛しいくらいに胸がいっぱいでした。 『こばと。』 からは本当にたくさんの幸せを貰ったなw ありがとうっ。 これからも、ずっと想い合っていってねw
さて。 結果としてここ1年で一番楽しんだ作品となった 『こばと。』 ですが、実は何話か見逃しがあるんだよね。 4月からは早速NHK教育で再放送されるので、バッチリ録画して保存します!! 大好きですw
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