やまむらはじめ 『天にひびき・2』の感想

天にひびき2
『天にひびき・2』


やまむらはじめ
少年画報社YKOコミックス
2010年7月31日 初版発行/¥571+税





『 追いつけるかどうかわからなくても・・・置いてけぼりになる訳にはいかないんだ 』


<ご紹介>
『ヤングキングOURS』 に掲載された6話を収録した第2巻。 天才的な音楽センスをもつ曽成ひびきと、彼女に魅せられたヴァイオリン少年久住秋央の、青春音楽ストーリーです。
幼い頃に偶然聞いた少女の音楽が忘れられず、ヴァイオリンにも身が入らないまま音大生になった秋央。 しかし、偶然にもそこで、あの時の少女・ひびきと再会する。 彼女の音楽に引きずられるようにヴァイオリンへの情熱を思い出し始める秋央だけど、怠けていた技術を取り戻すのに必死な毎日。 しかも、ひびきの才能に振り回されるのは自分だけではないようで、ひびきは一年生ながら学生オーケストラの指揮をするという異例の使命を言い渡されて…!!


<感想>
安定して面白いなぁという印象ですw  相変わらず秋央くんが悩みっぱなしなのも親近感(笑)。 音大という音楽の才能を持った人が集まる場で、さまざまな考え方や悩み、そして指導方法を見ることが出来るのも楽しいところです。 秋央とひびきの外側の人間関係もだんだん賑やかになってきたし、音楽モノというジャンルの他にも青春要素を詰め込んであって飽きさせない作り。 


個人的に2巻で一番燃えたのが、秋央と梶原の友情だったっていう!! 梶原のように用意周到な人物が、音楽性に関わりなく秋央に興味を持っている時点で、実は秋央ってスゴイ奴なんじゃないかと思う。 ひびきといい梶原といい如月といい、才能のある人はみな彼を懐に入れたがる。 もしかしたらそれこそが、秋央の最大の才能なのかも。 どんなに悩んでも音楽を捨てられなかった秋央の秘めた情熱みたいなものを、皆が認めてるからなのかもしれないですね。 ラストでは秋央の幼馴染である美月ちゃんが帰国して、3巻はますます人間関係が波乱になりそう。 楽しみですw


さて、1巻ではひびきちゃんと再会した衝撃から脱却できてなかった秋央くんも、一歩ずつしか進めないんだと気づいてからは、随分と地に足が着いたみたい。 ひびきちゃんが秋央の部屋のバスルームで 「音」 を生み出すように、秋央の 「音」 がひびきちゃんの指揮から生まれてるのは一目瞭然。 なのでストーリー的には、如月先生が秋央に突きつけた 「将来」 が最大要因な気がします。 ひびきの音楽だけを求め続け、彼女に追いつきたいという漠然とした、でも唯一の情熱を燻らせる秋央にとって、彼女の指揮を最大限に生かせるコンマスになるという明確なヴィジョンは今後の力になるんじゃないかな。 


何ていうか、如月先生が秋央くんに厳しくしちゃうのって、ラブコメ的には大歓迎なんだけど (笑) それだけじゃない気がするんですよね。 多分、もどかしいんだと思う、秋央くんの 「音」 が。 彼が抱える焦りも葛藤も、全部音楽に対して真摯だから生じてるのに、その想いのベクトルを見定めかねてるのがもどかしいんだろうなって。 そういう意味で将来の選択を迫った先生の功績は、きっと大きい。 一般の大学よりも、学生と教授の関わりが密接な分、誰に師事するかというのはスゴイ大事なことなんだなぁ!


師事といえば、一方のひびきちゃんと須賀川先生だけど…… す、須賀川さんのちょっと変態なところが割りとお気に入りでした!  でも多分このひと面倒なひと!(笑)  でもでも、それ以上にひびきちゃんとの過去が気になる…謎多いですよね?  如月+秋央と須賀川+ひびきって、どちらも師匠側が弟子に大きな興味を持っているという点では共通し、指導法としては対照的。 須賀川はひびきちゃん最優先な指導をしてるけど、私は彼女って須賀川が思ってる以上に柔軟な子だと思う。 彼の囲うような指導法が本当に彼女の将来に大きく影響するのかどうか、実は注目してるポイントだったりします。


それにしても、1巻で自分のやりたい音楽を伝えることが出来ずに破滅した曽成父を見てるので、ひびきちゃんが第10話で見せたガッツはすごく格好よかった!! 求心力っていうのはこういうことか、と思い知らされた感じ。 破綻した演奏の中でも指揮を続けるひびきちゃんを見て思い出したのは、指揮者は 『つよく自分の内に音楽を奏でておかなくちゃいけない』 という1巻の言葉。 彼女が一体どれほどのエネルギーをもってそれを続けているのかは想像も出来ないけど、でも何だか泣きそうになるくらい素敵だった。 一秒前の彼女と一秒後の彼女では、きっと全然違う生き物に違いない。 そんな進化を見せてくれました。 天晴れ!


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>通りすがりさん

コメントありがとうございました。
そして、来て下さってありがとうございますw

>とても心に染み入る良い感想でした

さらに、こんな嬉しいお言葉まで…! 重ね重ねありがたいです。
感想に良し悪しがあるのかは確かに難しいですけど、ちょっとでも「いいな」って思ってもらえただけで嬉しいです。

>天にひびきの今後が楽しみですね!

楽しみですよねw 3巻早く出ないかなー(笑)。

通りすがりです。

とても心に染み入る良い感想でした
(感想に良し悪しがあるかと問われればアレですがw)

色々と気づかせてくれた部分もありました。
天にひびきの今後が楽しみですね!

>NKさん

コメントありがとうございますw

>これはクラシック好きの私としてはぜひ読みたいですよ。

奇遇ですね、私もクラシック大好きですw 面白いですよー。

>「のだめカンタービレは」例外的にも楽しい感じのお話ですが、この物語の場合どうなんでしょうかね・・・。

私は「のだめ」の良さをあまり分からなかった人間なのですが、確かにクラシックから重苦しいイメージを払拭してくれたことは大きいですよね。 「のだめ」を楽しいというなら「天にひびき」はそこまで楽しい雰囲気の作品ではないです。 主人公悩みっぱなしなので(笑)。 でも、天才的な存在に引っ張られるように音楽にのめりこんでいく求心力のようなものは、こちらの方が描かれているんじゃないかと思います。 あと、意外と学園ドラマ的ノリもありますよ。

>コンサートホールに足を運ぶ度に音楽家たちを支えている。そう考えると観客として誇らしいんですよ。

あぁ、その考え方好きです!! そう考えられるNKさんも好きです!(笑)
私もマンガや本が好きなので、「読む」側として「描く」人を支えられたらいいなぁと願っているので。 まだ誇れるところまでいかないんで、精進します!

いつもコメントありがとうございますw

これはクラシック好きの私としてはぜひ読みたいですよ。

クラシック音楽をテーマにした作品っていうと、大抵は堅苦しい雰囲気や重々しい感じのものが多いですよね。
「のだめカンタービレは」例外的にも楽しい感じのお話ですが、この物語の場合どうなんでしょうかね・・・。

私も昔は、音楽家はいいな・・・と思った時がありました。楽器がうまく弾けるのとみんなに尊敬されることがうらやましかったんです。
しかし、今は観客として生きて行こうかと思っております。コンサートホールに足を運ぶ度に音楽家たちを支えている。そう考えると観客として誇らしいんですよ。
私はたとえ生まれ変わっても観客でありたいです。
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