寄田みゆき 『源博士の異常な××・2』の感想

源博士の異常な××2

『源博士の異常な××・2』

寄田みゆき
講談社KCDX
2010年8月11日 第1刷発行/¥419+税






『 脳は成長し続ける いくつになってもきっと世界は広げられる
だから 未来に希望を持って――… 』


<ご紹介>
『BE・LOVE』 誌に掲載された第5~8話を収録した第2巻。 人の幸せは脳が作る!? 天才学者と不幸少女の脳研究ライフです。
22年間ずっと不幸のオンパレードだった丸山みのりは、行き倒れたところを天才学者・源博士に拾われる。 脳が人を幸せにするために存在することを証明したい博士は、みのりの自虐脳を研究するために秘書兼専属実験体として彼女を雇うことに。 学歴もお金も自信も無かったけれど、博士の研究と源研のみんなの役に立とうと奮闘するうちに、みのりの自虐脳も次第に幸せホルモン・セロトニンを分泌出来るようになってきた。 ますます張り切るみのりだけど、研究室のみんなもいろいろな事情を抱えているようで…?


<感想>
正直、1巻よりも面白くなってるとは想像してなかったのですごく嬉しい!! 2巻面白かったーw そもそものテーマが 「脳が人を幸せにする」 なので、物語の行き先が暗くならないのは強みかも。 作中では様々な悩みが描かれるけど、そこを救うのは脳の持つ可能性と、人間の温かさ。 前者を源博士が、後者を (主に) みのりちゃんが受け持つことでバランスが取れるし、沈んでも浮き上がってくる人の強さも心地よい。 どのお話にも素敵な前向きセリフが満載で、どれを引用しようか迷ったくらいです。 コメディパートとほんのりパートの比重も丁度良いし、うん、私こういう前向きなの大好きだ!
  

脳マンガ、というとちょっと薀蓄系に流れそうな気もするけど、この作品は同じくらい 「気持ち」 に重きを置いてるのがいいですね。 もちろん、あちこちに挿入される脳話も興味深く描かれていて、やる気脳の作り方や、いじめられた脳がどうなっているのか、セロトニンの分泌を上げるたべものは?… などが、簡単に説明されてることは面白いです。 それらが無理なくストーリーに馴染んでいるあたりも上手。
 
でもきっとそれだけなら普通で、私がいいなって思うのは、人を支えるのは結局は人だ、ということが描かれている部分。 今でこそ型破りな源博士だって、幼少期の祖父の言葉で自分の好きなものを信じることが出来た。 大好きな研究をやめられない赤井くんを支えるのも、みのりちゃんがいじめに立ち向かえたのも、「誰か」 がいてくれたから。 好きなことをするための代償に気付きながらも、そうやって誰かが誰かを信じることで幸せな脳になっていってる様子が素敵だなぁと思うのです。 人間は脳の大部分を使えていないと聞いたことがあるけど、その残りにもこんなパワーが詰まっているのかと思うと、ちょっと嬉しいですねw


唯一の誤算はアレですね、思ってたよりラブコメ要素が低いままだったことでしょうかっ。 第4話でちょっとだけ来たラブコメの波が、第8話までほぼスルーなのが悲しい…… いや、8話もほぼスルーなのが悲しい…(笑)。 とはいえ、みのりちゃんのちょっとした変化にもよく気が付く博士や、彼女を探したり信じたりしてる博士にニヤニヤしてましたけどw (←充分楽しんでる・笑)  あと誤算とは違うけど、源研の人たちの苗字に 「色」 が共通してることに2巻でやっと気付きましてですね。 桃江、銀次、青木、白石、赤井と来たから 「もしかしてチャーンも色の名前!?」 と興奮して検索したら、 「チャーンはタイ語で象の意味」 という結果になりちょっと残念、みたいな…(笑)。 いずれにしろ、結構いろんな角度から楽しめるところがお気に入りなので、来春発売予定の3巻も楽しみですw
以下、各話語りー。




・仮説5 "やる気脳"は作れるか?
赤井家のDNAの強さが凄かったです。 顔も性格も似すぎてるだろ!(笑) でも、いい人たちですよねw  源博士が異常にキラキラした表情で異常行動 (実験) をとるのを、まるで長年連れ添った妻のように見守るみのりちゃんが可愛くて満足(笑)。 でもそれ以上に、赤井さんを励ますシーンが良かったな。 何ていうか、みのりちゃん自身も彼の柔らかい性格に支えられてきた部分が大きい子なんだよね。 そんな子が自分たちの姿を見て 「大好きなことを見つけたことは宝物」 だと思った… なんて告げられたときの赤井さん、嬉しかっただろうなぁ!! 少なくとも私なら嬉しい。 好きなものを好きといえるって、幸せなことなんだ。 展開面としては 「やる気脳」 のスイッチを入れる4つの種類がきちんと全部描かれていたところが上手で、さらにこの 「大好きなこと」 が次話でみのりちゃん自身に降りかかる伏線にもなっているところがホント上手い。

・仮説6 脳は何歳まで成長し続けるのか?
好きなことをやってる人たちと、 「好きなこと」 が分からないみのりちゃん。 前話で好きなことを学べることを 「宝物」 と称した彼女に、今のところ 「宝物」 がない… というパラドクスが深い。 そしてそれ以上に、好きかどうかは関係なく、ただ学べるから学ぶというチャーンさんの在り方も素敵でした。 でもって、ただお酒を飲むという行為にこれほど真面目に取り組む源研の人々が愛しくてたまらない! 何ですか、 「脳細胞たちの愛」 とか 「怨念」 とかって!(笑) それ、ただの酔っぱらい…w

・仮説7 自信脳は作れるか?
このお話を読んで思い出すのが、大好きな森生さんの初期作品 『感嘆符なしには語れない』。  単純なヒロインはある薬を飲んで幻覚症状を引き起こすんだけど、実はただのキャンディだった… というプラセボ効果?を描いたものです。 ヒロインは恋心ゆえに、そしてみのりちゃんも源研のために自分の中に眠る不思議な力を引き出すんだけど、それって多分、相手につりあう自分になりたいっていう強い気持ちを呼び起こすことなんだろうなって思います。 それこそが脳の神秘の力だというならホントに凄いし、そこまで強く信じられる相手がいるって素敵です。 みのりちゃんを信じきってる源博士にラブコメ的にニヤニヤしつつも、何だかんだいって一番みのりちゃんに甘いのは白石さんだったっていう友情にもニヤニヤしちゃいましたw

・仮説8 いじめ脳はなくせるか?
私は基本的に直情型の人間なので、いじめとか嫌がらせとか本当に意味が分からない! ケンカなら売るなら真正面から! (それもどーなの・笑)。  脳の仕組みとしても、 「いじめ」 という行為が 「人間性」 に反するものなんだと語っているところが面白いですね。 そして、自分への嫌がらせにはダメージゼロのくせに、みのりちゃん (のセロトニン) のために一発奮起する博士に、これまたニヤニヤしちゃいました。 博士の経験がみのりちゃんを救い、みのりちゃんの感情が博士を癒したあのシーンにはすごくドキドキしたんですが、今後どーなるのかなこの人たちw ハルカちゃんの登場で白石さんの戦闘スイッチが入った点も大好き。 一人じゃないって、やっぱり素敵だ!


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