2010.11.17
アニメ『STAR DRIVER 輝きのタクト』の感想/第7話『遠い世界』
STAR DRIVER<スタードライバー>輝きのタクト 1
【完全生産限定版】 [Blu-ray]
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アニプレックス (2011-01-26)
五十嵐卓哉/榎戸洋司/伊藤嘉之/神前暁
宮野真守/福山潤/早見沙織/石田彰/戸松遥/坂本真綾
五十嵐卓哉/榎戸洋司/伊藤嘉之/神前暁
宮野真守/福山潤/早見沙織/石田彰/戸松遥/坂本真綾
●第7話『遠い世界』
『 ・・・多分、キミはもう引き返せない 』
今度こそスガタがメインに違いない!と思ってたのに活躍したのは部長だったよ!という第7話でした(そこかよ・笑)。 いろんな人が引き返せないところまで来てるんだな、という印象で、サブタイトルの『遠い世界』もそれを感じさせます。 初めてタクトが悩む姿が描かれたけど、それだって彼が前進している証。 悩んで背中を押してもらって、やっと友達のために動けたのに、その結末が友達との隔絶だというのがホント切ない! でも、それでも、タクトには 『行けよ、銀河美少年!』 と私も伝えたい。 まだ踏み入れたことのない世界へ。 一歩ずつでも。
今回しみじみと感じたのがエンディング曲との調和と、それから「覚醒」「掌」「側」というキーワード。 EDはスタドラのもう一つの世界観が反映されていてまさに青春!って感じなんだけど、今までで一番歌詞と本編がリンクしてたような気がするのです。 微かな距離では届かない、言い訳ばかりを束ねて今を逃げてた、崩れそうな弱さと向き合える気がしてる…などは、今回どれもタクトが実感したものなんじゃないかなって思います。 スタドラ観終わった後って妙に泣けるのが不思議だったんだけど、きっと歌詞を聴くことで本編が反芻されるからなんだろうなぁ。 三つのキーワードについては後述します。
●人物メモ ・・・今回なし(笑)。
●会話集+感想+連想
『え、と・・・すいません、聞いてませんでした・・・』 (タクト)
『授業中の余所見もほどほどにしなさい』 (教師)
ルリからワコとスガタの欠席理由を訊ねられ、『何も聞いてないけど』と嘘をついたタクトが、その反動で教師にも「聞いてませんでした」としか答えられない脚本が巧い。 小さなこととはいえ「嘘」には「対価」が必要となる。 両義的な表現の多いこの作品らしいひとコマだなぁと思いました。 タクトにしてみれば授業中の余所見どころか、授業の方が余所見なくらい、頭の中は二人のことでいっぱいなんだろうな。 そんなタクトを見遣る人妻カナコと委員長ケイトの視線が意味深いです。 たぶんカナコはカナコなりにタクトを心配してるんじゃないかなって思うんだけど…。
『もう死んでいるのと同じか、或いは既に息をしていないか』(プロフェッサーグリーン)
『・・・』 (イヴローニュ)
『・・・』 (スカーレットキス)
ここでイブローニュが、スガタを好きだと公表されているスカーレットキスと同列の描かれ方をしてるので、ニチ・ケイトはスガタを好きなはずだという私の以前からの予想が当たってる、と、思いたい!(←なぜ弱気・笑) しっかしミドリ先生、プロフェッサーグリーンの時は大好きなはずの「美少年」にも冷たい物言いですね。 とても「鎖骨ぅぅ☆」とか言ってた人とは思えない!(笑) これが後で出てくる「覚醒」の表現なのかな、という気がします。
『ザメクのドライバーが覚醒するなら、我が綺羅星十字団もそれなりの対応を考えねばならない。 敵にすれば厄介だぞ』 (ヘッド)
で、「覚醒」。 ここでいう「覚醒」というのは単純にスガタが目を覚ますという意味ではないんだろうなぁ。 綺羅星十字団の人たちが皆「二面性」を持っていることを考えると、アプリボワゼして何らかの理由で「覚醒」すると二面性が生まれるのかなって。 だとすれば、ラストで見せたスガタの豹変も、ドライバーとしての「覚醒」が齎したものであって、スカーレットキスに操られた訳ではない、というのが私の予想だったり。 ――まぁ既に外した予想があるのであたってるかどうか分からないけれども(笑)。
あとちょっと意外だったのが、綺羅星がスガタを招き入れる理由が「厄介だから」だってこと。 もっと「王には絶対来て欲しい!」みたいな前向きさで迎えるのかと思ってた。 この辺の力関係は、微妙な何かがありそうです。
『いいえ、それでも私は、彼らに期待しているんです』 (サリナ)
一人芝居の練習ではなく、誰かに語りかけているような部長が印象的。 部長はやっぱりイケてますね! 話し相手は誰なのかなって考えた時に、ふと思い浮かぶのは――副部長かな!?(笑) いずれにしろ、部長は副部長を信頼してるんですよね。 タクトにコーヒーを勧めたのも、副部長が彼を心配する素振りを見せたからなんだろうな。
『あの二人のために、今キミが出来ることはきっとある。 ただ側にいてやるだけでもいいじゃないか。 本当に辛くて、とにかく友達に側にいて欲しいと思う時は、誰にだってある』 (サリナ)
部長にもそういう時があったのかもしれない。 そして、その時側にいてくれたのが副部長なのかもしれない。 その温かさを知っているからこそ、ワコとスガタの絆の強さに負けず「ただ側にいてやる」ことを選んできたんだろうし、タクトならもっと違う関わり方が出来ると信じられたんだと思うのです。
部長のこの台詞は、部長自身と仲良し三人組だけでなく、ラスト付近のヘッドにも当てはまる伏線なのかな?とも思いました。 彼が鳥籠に籠めてでもサカナちゃんを近くに置く理由もまた、「本当に辛くてとにかく近くにいて欲しい」から、なのかもしれないなって。 実際、彼は辛そうだもの…。
『タウの印はいつ受け継いだ?』 (ワコのお婆ちゃん)
『――え?』 (タクト)
『いつだ?』
『・・・一年くらい前です』
ワコやスガタが印を持って生まれたのとは違い、タクトの印は後天的なもの――しかも、一年前からの。 第6話の展開を考えると、おそらくタクトが印を継いだのは一年前の「誕生日」。 そして第4話で「昔っていうか…この傷が胸につく前の僕はもっと閉じていた」と言ってたのを考えると、傷を負ったのも同じ時期なはず。 更に「誰から」印を継いだのかと言えば、それはやっぱりジイちゃんからだろうと思うのです。 ワコのお婆ちゃんの『そうか…』という弱々しい受け答えから察すると、元の印の所有者が健在なのかどうかは疑わしいし、お婆ちゃんとジイちゃんが知り合いなのでは?という想像に繋がっていく。 ってことは、先代の銀河美少年がジイちゃんか!(笑) で、ワコのお婆ちゃんに横恋慕だったのかもしれない!(←横恋慕言うな・笑) …となると、タクトが最終的に選ぶのが、ジイちゃんと同じ道(=島を出る)なのか異なる道なのか…というのが物語の核になるのかな? …といろいろ考えちゃうんだけど、いくらなんでも早まり過ぎだろうと自分を戒めました(笑)。
『何でここに・・・?』 (ワコ)
『心配・・・いや、ワコの顔を見たかったから』 (タクト)
そんなこと言うなよ、ときめくじゃん!(←私が!・笑) いやぁ青春ですね! 部長に訊かれた 『キミは、どうしたいんだ?』 の答えその1って感じでしたw
『夕べの奴か・・・お前のせいで、スガタはっ!!』 (タクト)
という訳で、サイバディ・カフラット(って聞こえた)とのバトル。 部長への答えその2って感じで、スガタのために戦おうとするタクトに迷いがないのがカッコイイ! バトルは相変わらずよく動いてて気持ち良いですね。 今回バトルシーンでタクトがやられる時の作画が、ひじょーに好みな感じに色っぽくてドキっとしましたw ミドリ先生の気持ちがちょっと分かるぜ!(←え?・笑)。
『スガターーーっ!!(と、落ちるスガタをキャッチ)』 (タクト)
ここでスガタを救ったのは、タウバーンの「掌」。 今回の敵がフェニキア語で「カフ=掌」の意味を持つ為か、カフラットは掌から人形を撃ち出すんだよね。 戦うための「掌」と、人を救うために伸ばされた「掌」。 それぞれ対照的な使われ方をしたこの「掌」が、ラストの驚愕へと導く伏線だった…という構成が上手すぎます!
『・・・本っ当、面白い。 こうしてサカナちゃんの話が聞けるなら、俺もまだ頑張れる』 (ヘッド)
『・・・・・・』 (サカナちゃん)
誰かが側にいてくれるから頑張れる――前述した部長の台詞を裏付ける発言ですね。 彼がイカ大王とサムに大きく共感している理由が分からないけれど、今回はそれよりもサカナちゃんの反応の方が気になりました。 巫女は封印が破られれば外へ出られるはずなのに、逆にずっと籠められているサカナちゃんの立場は気になってたんだけど、もしかしたら「自分が出来ること」をヘッドのために実践してるだけなのかもしれない――囚われているというのは形だけであって、むしろ一緒にいたいのは彼女の方? 思ってもいなかった展開に、りるさんのラブコメ脳がうずいてます!(抑えて!・笑)
『気をつけろ。 お前、死にたいのか?』 (エンペラー?)
気をつけろ、左目が赤く光ったらギアスが発動するぞ!(笑) という訳で、魔王様が降臨なさいました・・・そうか、このための福山キャストか!と膝を打ちたくなるくらい、心底ぞっとする声でした。 福山さんの演技が切ないくらい上手すぎます! そして一層切ないのは、スガタを覚醒させたのがタクトの「掌」だということ。 ゼロ時間でスガタの体を守るために必死で伸ばした掌が、通常時間でスガタの精神を呼び起こすために伸ばした掌が、こんな切なさの呼び鈴になってしまうことが悲しすぎる…! スガタは多分こうなるんだろうと思ってたけど、やっぱり切ないよ。 冒頭でも書いたけど、ここでEDに流れると「仲良し三人組」が謳歌している青春模様がよけい強調されるんですよね。 何て鬼のような演出効果なんだ!(大泣) 次週予告でタウバーンが戦ってたのがもしかしてザメクなのかなぁ。 タクトはワコの悲しい顔は見たくないって言ってたけど、じゃぁどうすれば良いのかな? どうなれば良いのかな…? と言うことで、次回がやっぱり気になるのでした!
ところで、本文中で「ギアス」だの「魔王」だの言ってる意味が全然分からないYO! という方は、こちらの感想をご覧になって中りをつけてくださいませ(笑)。
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